戸山高校問題分析 受験生情報局 | 河合塾Wings 関東
2026年度 戸山高校の入試問題分析
戸山の英語
2026年度入試問題
難易度の表記
A:易問(全問正解したい)
B:標準問(受検者平均を取るために正解したい)
C:難問(差をつけるために得点したい)
D:最難問
問題分析
全体の問題構成、出題形式に大きな変更はなく、【2】に対話文読解、【3】に説明文が出題された。今年度はいずれも自然科学に関するテーマが出題され、例年の戸山高校の特徴を踏襲した形である。
【2】は料理クラブに所属する学生の対話形式で、生物や化学の分野に関する内容を本文とした読解問題である。emulsion(乳化)やlecithin(レシチン:脂質の一種)といった通常中学校の学習では習得しないような専門用語がいくつか注釈無しで出てくるが、本文内容を読み進めていく上では日本語訳が分からなくても解けるように出題されている。本文は例年と比べて読みやすく、設問自体もそこまで難度の高いものは見られなかった。問3の適語補充は本文からの抜き出しであり、下線部からはやや離れた本文を参照する必要があるが、該当箇所を見つけるのは難しくなく、withという前置詞に注目すれば容易に解答できる。問6の語句整序も比較的容易に解けると思われるが、そのためには前置詞や接続詞の使い方といった基本的な文法事項をきちんと理解していることが前提である。【2】は全体として、合格のためには全問正解したい大問と言えるだろう。
【3】は幾何学に関する説明文で、symmetry(対称)やfractal(フラクタル構造)に関する内容を本文とした読解問題である。問3は適語補充の問題であるが、あてはまる語句が本文中の他の箇所には書かれておらず、消去法によって選択することになる点が受験生をやや惑わせたかもしれない。また、問8の自由英作文は、問われていること自体は容易に把握できても、具体的にどのような物をとりあげて作文すればよいのか思いつきにくく、すんなりと書けた受検生は少なかったのではないだろうか。日ごろから多くの自由英作文に取り組み、添削指導を受けることで「書ける英文」を増やしておくことが肝要である。それ以外は、全体的に記号選択問題は例年と比べて平易なものが多く、確実に得点を重ねたい出題となっている。
総じて得点しやすい問題とそうでない問題が明確な出題であり、時間のかかる問題にとらわれすぎず、得点すべき問題をしっかりと解ききることが合格点を獲得するために重要となる出題であったと言えるだろう。
戸山の数学
2026年度入試問題
難易度の表記
A:易問(全問正解したい)
B:標準問(受検者平均を取るために正解したい)
C:難問(差をつけるために得点したい)
D:最難問
問題分析
昨年度と比較して問題数は1題減少し、難度についてはやや難化している。各単元の基本的解法の徹底はもちろんのこと、煩雑な計算問題も確実に正答できる計算力が求められる内容であった。
【1】は昨年度と比較して1題減少し、4題構成の小問集合であった。連立方程式と式の値、2次方程式、平方根を利用した確率、作図の問題が出題された。連立方程式は解を求めるのではなく、指定の式に代入して式の値を求める形式であり、処理の仕方によっては煩雑な計算になる問題であった。その他の問題は基本的な内容であるため、ミスなく確実に解き進めたい。
【2】は放物線をテーマとするものであった。昨年度まで2年連続で反比例を題材とする問題が出題されていたが、今春は出題されなかった。自ら図を描いて解き進めることが必要であり、格子点の扱いや等積変形など、多岐にわたる内容の定着が正答のカギとなる。私立高校の入試問題も含め、様々な問題に対するパターン演習が必要である。
【3】は例年通り、円をテーマとするものであった。例年と比較し、各設問の難度はやや易化したものの、正答するためには多くの問題に触れ、経験を積む必要がある。問2と問3は設定が異なる問題であるため、小問ごとにきちんと図を描き、解き進めることが重要である。問1と問2は確実に正解したい。ただ、前述の通り例年より解法自体は平易なため、全問正解を目指したい。
【4】は例年通り空間図形の出題であったが、展開図を題材とする問題は「グループ作成問題」を廃止し、各校の自校作成問題に切り替わった2018年以降では初の出題である。問題の難度についても、例年に比べて難化している。問1は展開図から見取り図を描き適切に処理する問題であり、空間図形の問題パターンに慣れていないと、苦戦した受検生も多かったと思われる。また、問2(2)で出題された「2つの立体の重なる部分の体積」についても、適切に図を認識できないと正答不能な問題である。私立高校の入試問題も含めて、多くの問題について触れ、解法パターンを増やしておくことが必要である。
例年と同様に思考力を要する問題が多く出題され、全体としてやや難度が高くなっていた。他の自校作成校や国私立高校の過去の入試の類題も多く出題されている。戸山高校受検者においては、戸山高校の過去問題だけでなく、その他高校の過去問題にも積極的に取り組んでおくことが有効である。
戸山の国語
2026年度入試問題
難易度の表記
A:易問(全問正解したい)
B:標準問(受検者平均を取るために正解したい)
C:難問(差をつけるために得点したい)
D:最難問
問題分析
大問ごとの出題形式は例年と大きな違いは見られず、昨年度と比べて小説文、論説文の文章量もおおむね変化はなかった。融合文に関しては一見文章ボリュームが増えたように見えるが、古典作品の引用とその現代語訳が多くを占めているので、特段読みづらさはないだろう。しかし、抜き出しの問題は増加したため、そこに時間をかけすぎると他の問題が苦しくなる問題構成であった。
【1・2】(漢字の読み書き)
三字熟語・四字熟語の出題はなかった。読みの【鋳造】、【湯煎】は技術家庭科の授業などで目にする可能性がある。【卸す】は社会科の「卸売り」を知っていれば読めるはずなので平均点を取る上で取りたい問題である。書きの問は総じて易しいものばかりで、ミスをいかになくすかが高得点の秘訣になる。【登録】【舌】は共通問題校と同等もしくはそれよりも易しい出題であった。自校作成校向けに難読漢字を学習していくのは当然であるが、小学校で習う基礎漢字の復習も怠ってはならない。
【3】(小説文:小川国夫『試みの岸』約3,530字、前年-65字)
静岡県駿河湾沿岸を舞台にした、馬方の父とその子の物語。美しい自然風景の中で、山道を旅しながら親子が将来について話し合っていく。息子の成長を父は喜びたいものの、馬方を継ぐ意志がないことを惜しく思う。現代風の作品ではないため、多少の読みづらさがある。また、【槇】【鳰】【澱】など、自然に関する専門的な語彙が多く登場した。問5を除き、すべて選択問題である。表現に関する問は選択肢の内容を注意して見極めていく力が必要となる。問5は抜き出し問題であるが、解答は文章後半にある傍線部の近くではなく、文章序盤に登場する。文章全体の流れや構成を把握して解答する訓練を行う必要がある。
【4】(論説文:吉岡洋『AIを美学する』約3,870字、前年約-130字)
はじめに【アートと自然】とは何かを問いかけ、人間とAIについて論を広げていく内容である。例年、近年の社会問題(AIとの共生など)を扱う傾向が強い。今年もテーマは【アートと自然】であるが、【AIと今後どう付き合っていくべきか】を考えさせる問となっていた。選択問題の難易度は易問~やや難問まで幅広い。しかし、段落ごとの内容をまとめて整理すれば解答できる問題であり、他の受検生と差をつけるために得点したい。また、問6の記述は自由な200字作文ではなく、問題文の指定(生徒A~Eの内容を理解し、内容を踏まえる)が強く、書き始めるのに一定の時間を要するものであった。昨年と比較すると、文章量はほぼ同等だが、深く内容を読む読解力が求められる。
【5】(融合文:寺澤行忠『西行 歌と旅と人生』約3,640字、前年約+1,240字)
鎌倉時代の歌人西行の歌とそれを評価した藤原定家のやり取りについて述べている文章である。「百人一首」や「山家集」に記載の西行の歌の特徴を整理し、他の歌人に多大な影響を与えた旨を理解していくことが鍵となる。例年と同様の出題形式である。語彙に関する問題が1問出題されているが、「軒並み」は日常生活でも目にする言葉であるため、なるべく得点につなげたい。抜き出し問題も1問出題されているが、例年と同様で原文からの抜き出しであるため、探す範囲が狭く、平均点を取る上では確実に取りたい問題である。また、西行と定家の存在、歌の読み方の特徴をあらかじめ抑えていた受検生には非常に読みやすく有利になっていたため、文学史の知識の重要性を再認識させられる内容であった。昨年より文章ボリュームはあるが、解答の鍵となる要点をおさえて追っていければ特段解きづらさはなかっただろう。
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