2022年度 青山高校問題分析 受験生情報局 | 河合塾Wings 関東
2022年度 青山高校の入試問題分析
青山の英語
2022年度入試問題
難易度の表記
A:易問(全問正解したい)
B:標準問(受検者平均を取るために正解したい)
C:難問(差をつけるために得点したい)
D:最難問
問題分析
例年通り、リスニング問題以外に【2】で会話文、【3】で説明文が出題された。それぞれの設問も多岐にわたり、限られた時間内にテキパキと問題に対応していく視野の広い読解力が求められていることが特徴である。
【2】はこのコロナ禍で学校現場が導入している「オンライン授業」に関する会話文が取り上げられた。オンライン授業の長所、短所を挙げ、いわゆる「対面形式での授業」との比較論を展開するものであった。内容が受験生にとって身近なテーマだっただけに、読み取りやすい文章ではあった。特徴的なのは問2の「不適切な選択肢を選ぶ問題」。過去2年でも出題されているが、改めて設問をしっかり読まないと、適切な選択肢を選ぶ問題だと勘違いして時間をロスする可能性がある。また、問9の「条件英作文」は「最も印象に残っている授業について」40語~50語で記述するものであったが、合格点を取るためには、自分の知っている知識・表現をフル活用して記述することが必要な問題となっている。
【3】は説明文で、イギリスにある「ストーンヘンジ」をテーマとした内容が出題された。本校では、ここ最近のテーマとして、「古代ローマ時代の水道」、「自然界にある規則性を持つ数字」、「世界地図の変遷」など、理数分野、地歴分野のテーマが取り上げられる特徴がある。いわゆる科目を横断した内容が取り上げられやすいので、類似テーマの読解にも慣れておく必要がある。特徴としては、問4、問5の地図やイラストを見て、本文の内容と一致する選択肢を選ぶ問題がある。いかに必要な情報だけを短時間で集め、答えを絞り込めるかが重要である。ちなみに今年度も問7で、本文の内容に合う英文を選び、その選んだ番号の組み合わせの正しいものを選ぶ問題が出題された。本校の代表的な設問形式となってきた印象を受ける。すばやく英文の正誤を判断していく「精読」も求められている。
青山の数学
2022年度入試問題
難易度の表記
A:易問(全問正解したい)
B:標準問(受検者平均を取るために正解したい)
C:難問(差をつけるために得点したい)
D:最難問
問題分析
【1】は例年通り独立小問。昨年度と比べると易化した。例年同様、計算2問は必答レベル。確率はサイコロ形式で取り組みやすくなり、データの活用は場合分けの必要が無くなったためストレートに答えに辿り着けるようになった。作図は近年の自校作成校で頻出の円を絡めた問題。見た目は複雑に感じるが、基礎がしっかり身についていれば手が進んだと思われる。
【2】は座標平面上の2乗に比例する関数に関する問題が出題された。3問とも形式は昨年度と非常に似ており、全て座標を求める問題で一致している。問1は図形の性質を利用し、問2は角度の情報から傾きを導いて座標の決定を行う問題だった。問3は各座標を結んで出来る2つの三角形の面積が等しくなる場合について考える問題で、複数の解法で座標を求めることができた。全体を通して、問題の条件に具体的な座標や式が与えられていたため、手は動かしやすいと感じられた。一方で、条件に一致する状況を読み取るための知識はしっかりと問われていたため、ここでも基礎力が成否の分かれ目となった印象を受ける。最後の問3は計算処理がやや煩雑になり、過程の記述もあるため、落ち着いて取り組みたい。
【3】は平面図形の円に関する問題で、半径の異なる2つの円が交わっている状況について考える。円と多角形の複合は都立でよく見られるが、円と円の複合はあまり見ないため当日頭を抱えた受験生も多かったのではないだろうか。問1は円の問題に取り掛かる際の基本「点と中心を結ぶ」を丁寧にこなせば難なく答えに辿り着ける。しかし主な解法手順の「逆」を要する構成であったため、見た目の印象と相まって難度に比べ正答率は低めだったと予想される。問2は証明問題だったが、一般的な合同・相似の証明ではなく平行四辺形であることの証明。結論の一文があり、証明方法の指示をされていることが救いであるが、それでも方針を立てるのは非常に難しい。証明問題は合計配点も高いため、まさに差がつく1問である。
【4】は立体図形。シンプルな直方体に関する問題で、立体図形の苦手な受験生でもある程度方針が立てられたのではないか。問1は三平方の定理を利用して線分の長さを求める問題。最終的な答えは複数の解法で導けるが、昨年度が三平方の定理を必要としない問題だっただけに、今年は三平方の王道を絡めた出題をしてきたと思われる。数字が大きいので計算ミスに注意したい。問2(1)は条件に一致する時の長さを求める問題。長さを具体的に計算するだけでなく、「条件」も自身で見つけ出す必要があるためやや難度の高い問題であった。また解答は記述式であり、正確に解答するのであれば場合分けもしなければならず、完答は難しいと思われる。問2(2)は体積を求める問題。こちらは基本的な求積問題で、切断された直方体の体積を求める公式を知っていれば即答も可能だった。しかし前問が煩雑だっただけに、最後の問題に落ち着いて取り組む時間を割けなかった可能性も大いにある。
全体を通して傾向は例年通り。易化した問題も多いが記述問題のレベルは上がっている。配点の高い記述で得点を稼ぎにくくなると、簡単な小問でのミスが命取りとなる。そのため、取捨選択して解ける問題に時間を使えたかがポイントだった。勿論、数学で勝負の受験生はこの記述を可能な限り解答したい。問題の書き方は違っていても「問われるもの」が過去の傾向と重なる問題が多かったため、本校に向けた勉強をしっかり積み重ねていれば高得点を掴み取れたのではないか。
青山の国語
2022年度入試問題
難易度の表記
A:易問(全問正解したい)
B:標準問(受検者平均を取るために正解したい)
C:難問(差をつけるために得点したい)
D:最難問
問題分析
【1】漢字の読み 10点 【2】漢字の書き取り 10点
【3】小説文 24点 【4】論説文 34点 【5】融合文 22点
【1】・【2】漢字の読み書きは、ほとんどが中2までに学習する範囲となるため、しっかりと対策をしておけば充分な得点ができる。ただし、【1】(3)にする。「謄写」は中学2年の学習範囲ながらなじみの薄い言葉であるため、濃淡のない練習を心掛けるべきである。
【3】小説文は山本甲士「わらの人」からの出題。設問数は昨年度と同じ6問であったが、昨年度は選択問題のみだったところが、書き抜きの出題が2問(問3のA・B)出題された。内容は、例年と変わらず平易な文体で読みやすかった。ただし、先述の問3のA・Bは、効率的に文章を読んで時間をかけずに答える必要がある。
【4】論説文は岩佐茂「環境保護の思想」からの出題。昨年度まで連続して出題されていた「文章に関連する図表」はなくなり、選択問題(4問)・書き抜き問題(1問)・作文という構成になっている。受験生にはなじみのある「環境保護」についての内容なので、読み取りやすい内容だが、文章が2種類掲載されていることや、その2種類の文章を対照させて選択肢を選ぶ問題(問4)なども出題されているため、しっかりと両方の文章の内容を踏まえながら解く必要がある。また、作文に関しては、例年どおりの文章をもとにした生徒たちの発言を踏まえて、自分の意見を記述する問題である。この形式は2018年度以降毎年出題されているので、事前に過去問題の演習を通して、独自性のある意見を記述できるようにしておくことが高得点に至る鍵になる。
【5】融合文は高橋和夫「日本文学と気象」からの出題。清少納言「枕草子」について書かれた文章だが、学校教科書での学習内容を超えた文章が引用されている。ただし、しっかりと口語訳を踏まえて理解を進めていけば、正答を得ることもそれほど難しくはない。
問題全体としては、文章・設問・配点等に一部変化があったものの、例年同等の難度と言える。ただ、高得点を狙うためには多くの問題に触れること、そして出題傾向に慣れるために過去5~7年分の過去問題を解き、作文も含めてしっかりと復習し、内容の理解に努めていくといった対策は必要である。作文に関しては、独自性のある文章を書けるようになるために、繰り返し記述し添削を受けるといった対策も必須である。
お問い合わせ・お申し込み
-
イベント申し込みはこちら
-
資料請求はこちら