日比谷高校問題分析 受験生情報局 | 河合塾Wings 関東
2026年度 日比谷高校の入試問題分析
日比谷の英語
2026年度入試問題
難易度の表記
A:易問(全問正解したい)
B:標準問(受検者平均を取るために正解したい)
C:難問(差をつけるために得点したい)
D:最難問
問題分析
今年度の問題構成は【2】が対話文、【3】が説明文、【4】が自由英作文となっており、前年までの構成と大きく異なる点はない。
【2】は環境問題の解決策についての対話文が出題された。毎年出題されている英作文では、会話前後における登場人物の心情変化を正確にまとめる必要があり、得点に差がつく問題であったと思われる。また、内容一致問題においては、inとnearの区別を求めるなど、本文で用いられた語句の正確な把握が問われており、限られた時間で「読む」「解く」ための高度な情報処理能力が試されていた。
【3】は時間とは何かをテーマにした説明文が出題された。英作文問題では、哲学者のセリフの一部分を記述する形式で出題された。セリフ前半の文意把握に加え、空所直前にhoweverがあることを踏まえつつ作文しないといけなかった。【2】同様、本文の流れを踏まえて解答する英作文の問題が頻出ではあるが、第一段落内の設問ということもあり、参照すべき箇所も限られていたことから、多くの受検生にとって取り組みにくいものであったと思われる。解答を導くためには、本文の正確な文脈把握と論理的思考力を用いることからも、日比谷高校特有の出題だと言える。
【4】は「自己紹介」「研究発表」をクラスで発表する際の形式について、自分の考えを述べる問題が出題された。与えられた複数の資料をもとに、自分の意見を根拠とともに論理的に述べる必要があることから、資料の正確な読み取りはもちろん、自分の考えを英語でアウトプットする習慣が必要な問題だと言える。
全体の3割が記述式による配点となっている日比谷高校の自由英作文は、正確な文章読解の上に成り立つ問題である。中学までの基礎を大切にしながら「何を書くべきか」を正しく捉え、平易な表現で正しく相手(採点者)に伝える必要がある。解答用紙は採点者とのコミュニケーションツールであることを決して忘れてはいけない。
日比谷の数学
2026年度入試問題
難易度の表記
A:易問(全問正解したい)
B:標準問(受検者平均を取るために正解したい)
C:難問(差をつけるために得点したい)
D:最難問
問題分析
今年度も記述式問題2題を含む大問4問構成で、出題形式は昨年度を踏襲した。【1】は作図を含む小問集合で、【2】は双曲線と図形に関する問題、【3】は半円と三角形を組み合わせた図形に関する問題、【4】は会話文を含む長文から図形の変化を考察する問題であった。2024年度以降、記述式問題が1題減ったが、今後もこの出題形式が続くと予想される。全体として計算手順が増え、難度は昨年と比べやや上がっている。
【1】は5題からなる小問集合であった。問3の見慣れない約束記号を使う問題に驚いた受検生も多かっただろうが、問題文をよく読めば既知の内容として対応できる。1つ1つの難度は高くないので、適切な解法で時間をかけすぎないように処理したい。
【2】は例年通り関数からの出題で、反比例と図形をテーマとする問題であった。問2(1)は直角三角形という条件から、昨年同様「座標を文字でおく」ことや三平方の定理を用いて解くこともできるが、相似に気づくことで計算量を抑えられる。問2(2)は等積変形を利用する問題である。昨年より計算手順は増えているが、全体的には方針は立てやすく高得点を狙いたい。
【3】は例年通り平面図形からの出題で、半円がテーマであった。問1は典型問題のため、適切な補助線を引いて、確実に得点したい。問2(1)は記述式の証明問題であるが、等しい角に気づきやすく昨年より証明も書きやすい。問2(2)は比に文字が含まれるため一見複雑に見えるが、(1)の誘導に従えば特別な発想を必要とせず解ける。出題者の意図を汲み取りながら論理的に考察する問題で、日比谷高校が求める生徒像を示していると感じられる。
【4】は会話文形式の立体図形に関する問題であった。問1(2)は高さが変化するにつれて底面の辺の長さや側面の角度がどのように変化するかを考察する問題であった。問3は四角錐を切断した際の断面図を想像して解く問題で、苦戦した受検生も多かっただろう。長文から必要な情報を読み取り、適切な式や図に表す力が問われている。これは大学入学共通テストでも出題される形式であり、日比谷高校では2024年度以降、大問4で同様の出題が続いている。
昨年よりやや難化しているものの、取り組みやすい問題も多い。ただし、最適な解法を選ばなければ全問を解き切るのは難しいだろう。日頃から最短の解法を意識し、様々な解法を使いこなせる力を身につけておきたい。
日比谷の国語
2026年度入試問題
難易度の表記
A:易問(全問正解したい)
B:標準問(受検者平均を取るために正解したい)
C:難問(差をつけるために得点したい)
D:最難問
問題分析
【1】 漢字の読み 10点
【2】 漢字の書き取り 10点
【3】 小説文 20点
【4】 論説文 36点
【5】 融合文24点
昨年度と出題形式を比較すると、ほぼ同傾向の設問が並び、大きな変化は見られない。ただし、配点は【3】の小説文が8点減り、【4】の論説文と【5】の融合文にそれぞれ4点ずつ振り分けられている。文章量は【3】の小説文で約900字減少し、その分【4】の論説文と融合文の長さが約500字増加したため、試験全体の文章量としては昨年とほぼ変わらないものになっている。今年度の問題の難易度は標準的で、250字作文も比較的書きやすいテーマであった。依然として問題数は少なくないので、次年度以降も、受検生としては、全分野において標準的な問題を素早く解答する対策をして臨みたいところである。
【1・2】漢字の読み書き
書きの「ブッショク」「ジメイ」「サイたる」「カホウ」「チュウショウ」は、日常で接する機会があまり無く、漢字表記で見れば、平易な感じの組み合わせであることも含めて、傾向通りであると言える。また、読みの「岡目八目」は久しぶりの四字熟語の出題で、2年連続出題されていた三字熟語は出題されなかった。
【3】小説文(恩田陸「蒲公英草紙」約3,000字、前年比-約900字)
絵や仏像の制作をやめ、空しく日々を送る日本画家の「永慶」に洋画家の「椎名」が、槙村家の娘の「聡子」の肖像画を描くことを求め、その制作後の「聡子」の感想から洋画と違う日本画のあり方を見つめ直すきっかけを得る姿を描いた作品である。一昨年の「狩野永徳」、昨年の「水墨画」に続き、3年連続「絵画」をテーマにした作品であった。例年通り主人公の心情把握が中心の設問で、難度はそれほど高くないといえる。
【4】論説文(柏木博「ファッションの20世紀」 約3,500字、前年比+約500字)
「ファッション」と「自己同一性」の関係性について述べた文章である。抽象度は高めだが、語彙レベルも標準的で、段落構成もとらえやすいものだった。ただし、ひと段落の文章量が多いため、段落の要点を正確にとらえる力が必要となっている。また、問3では昨年無かった80字の記述問題が出題された。傍線部前後を正確に読み取ることができれば解答できるものであったが、差がつく問題になりそうである。作文は昨年度同様に5つの条件があり、指定字数が250字であった。文章中に述べられている作者の「主体的で自発的なものだと感じている個人の欲望が、メディアや経済などが介在し形成されたものだ」という指摘について書くもので、テーマに沿った具体例を短い時間で発想できるかがポイントとなる。受検生は充分に対策して臨む必要がある。
【5】融合文(饗庭孝男「芭蕉」一部改変 約3,500字、前年比+約500字)
著名な「芭蕉」がテーマの融合文が出題された。「芭蕉」やその弟子たちの言葉の引用が多数登場するが、昨年同様に直後にそれぞれの解説があるため解釈については難しいとはいえないだろう。問2では昨年に続き、抜き出し問題が出題されたが、空欄の前後が解答のヒントとなる問題でぜひ得点したい問題である。また、2年ぶりに「文法」が出題されたが、助動詞の「よう」の識別で、難度は高くなかった。全体的に高難度の問題がないことから、時間配分をしっかりと行い、融合文でもそれほど時間をかけずに高正答率を出すことが求められる。
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