国立高校問題分析 受験生情報局 | 河合塾Wings 関東
2026年度 国立高校の入試問題分析
国立の英語
2026年度入試問題
難易度の表記
A:易問(全問正解したい)
B:標準問(受検者平均を取るために正解したい)
C:難問(差をつけるために得点したい)
D:最難問
問題分析
昨年同様、長文が2題だった。小問数が【2】で9問、【3】で8問の設問数であり、昨年より2問減ったが、今年度は【2】に完答の記述問題が2題出題された
【2】は「比重」「密度」に関する対話文。「サメが浮くためのメカニズム」から「比重」「密度」の話へと進み、そして飛行機のつばさとサメのひれとの関係を読む取る必要があった。新たな傾向として、完答の記述問題が2題出題された。また問3の「密度が高い物体ほど、比重が重くなる」具体例を読み取り、それにふさわしいビーカーの絵を選ぶ問題は丁寧な読解が必要である。解答を吟味するのに時間がかかるので、過去問題などを用いて十全な演習をこなしておきたい。全体として単語数が多く、情報処理能力と理系的思考力を問われる問題であった。
【3】は「友情・夢・再会」をテーマにした読みやすい文章だった。問3は本文の流れに合うように20語~30語の英作文を書く問題だったが、要点を落とさずにまとめることが難しく、受検生にとっては難問だっただろう。問8の英作文は50語~60語の語数で答える問題であった。日ごろから自分の考えや意見を英文で表現する練習をし、添削指導を受けておくことが有効だろう。長文中から情報を取り出し自分で再構成してまとめ上げる力で得点に差がでる問題だった。
国立の数学
2026年度入試問題
難易度の表記
A:易問(全問正解したい)
B:標準問(受検者平均を取るために正解したい)
C:難問(差をつけるために得点したい)
D:最難問
問題分析
今年度も記述式が3題、出題傾向は昨年を引き継ぐ形となった。
【1】は5題からなる小問集合であり、昨年同様の構成となっている。比較的解きやすい問題が多く、手際よく解いて全問正解を目指したい。作図に関しては、無理数を作図する問題が出題された。
【2】は例年通り関数から、放物線と直線をテーマとする問題であった。問2は一方の直線の傾きが与えられ、その傾きを図形的に考察して、もう一方の直線の式を求める問題である。問3は「四角形の周の長さ」と「四角形と三角形の面積の関係」が与えられる問題であった。3題とも難度の高いものではないが、解法によって計算量に差がでるため、最短で突破できる解法で素早く正解にたどり着きたい。
【3】も例年通り平面図形からの出題。昨年出題されなかった円がテーマとなる問題であった。短答式の問題である問1、問3はそれぞれ「円の角度にまつわる性質」「三角定規の3辺比」を利用する標準的な問題であった。記述式である問2の証明問題も等しい条件に気付きやすいものであったため、完答を目指したい。
【4】も昨年同様、立体図形にまつわる問題であった。3題とも三角柱を指定の辺を軸として回転移動させる操作を考える良問題群であった。問1の回転移動は想像しやすいが、通過部分を誤答した受検生がいたかもしれない。問2の回転移動における線分の通過部分も誤った図形をイメージして回答した受検生が多かったと思われる。問3は回転移動の操作数が多いものの、考える図形の中には「正方形」や「直角二等辺三角形」が現れるためイメージできれば計算量は多くない。
例年通り難易度のバランスがとれた問題セットで、すべての問題に取り組めるよう、時間配分の仕方や判断力を磨いておきたい。また、各問題を最短ルートで突破するために、日ごろから工夫して計算することを意識するとともに、様々な知識を習得し、それを応用できる数学力を身に着けておきたい。
国立の国語
2026年度入試問題
難易度の表記
A:易問(全問正解したい)
B:標準問(受検者平均を取るために正解したい)
C:難問(差をつけるために得点したい)
D:最難問
問題分析
【1】漢字の読み 10点
【2】漢字の書き取り 10点
【3】小説文 30点
【4】論説文 29点
【5】融合文 21点
全体の出題形式自体は例年と大きな差異は見られない。ただし、【4】論説文は昨年度より短くなったものの問5の作文字数制限が200字から240字に増えている。また、昨年度までには見られなかった短い記述問題(20字)も出題された。240字作文を含め全ての問題を解き終えるにはスピードが要求されており今年度もその傾向が顕著である。本校のような難関高を受検するならあらゆる入試問題に解き慣れて量をこなし、経験値を高めておくことが必須である。
【1・2】漢字の読み書き
例年同様に四字熟語が出題された。読み取りの「辛酸甘苦(しんさんかんく=様々な経験や苦労)」は四字熟語として目にすることは稀であるが、「辛酸をなめる」という成句を知っていれば解答できたはず。「酸いも甘いも噛み分けた」という言い回しも知っているかどうか。書き取りの「センコフエキ(千古不易=永遠に変わらない)」はむしろ同義語「万古不易(バンコフエキ)」のほうが耳慣れた言葉である。いずれにせよ、中学生がこの語を四字熟語として学習する機会は少ないであろう。四字熟語だけでなく本校の漢字問題は漢字を単独の知識として学習するだけでなく、多くの文献に目を通した読書量による語彙力が求められている。
【3】小説(額賀澪「風に恋う」より 約4,200字 前年比ほぼ同数)
低迷状態である吹奏楽部、その一年生「茶園基」が名門復活のためにコーチとの面談を経て部長に任命されるまでの場面。心理状態も読み取りやすく記号問題は高い正解率であろう。比喩表現を抜き出す問題もさほど難問ではない。例年、小説文は新刊作品から出題される傾向があったが、今回は2018年に出版された作品である。2019年の西高校をはじめすでに多数の高校入試で出題されている額賀澪氏の作品は本作をはじめ「完パケ!」「タスキメシ」「競歩王」など採用されている作品が多い。氏の作品だけでなく、受検生と共感しやすい同世代を主役にした、特に「部活動」をテーマにした小説はチェックしておく価値がある。
【4】論説文(山竹伸二「共感の正体」より 約3,400字 前年比-700字)
アメリカの研究者トマセロの論述を引用し、人類が「道場の道徳性」から「公平の道徳性」を得る過程を「初期ヒト」と「幼児」の類似性を指摘しながら論じる文章。昨年、一昨年に続き哲学、心理学分野の課題文である。
記号問題の難度は例年と変わらない。ただし、今回は定番の抜き出し問題ではなく短い記述(20字)が出題された。12点配点の240字作文は、条件も多く、適切な「現代社会における『公平の道徳性』の事例」が思い浮かぶか、また時間内で記述できるかどうかで他の受検生との差が付くだろう。
今回の出典は2023年度の愛媛や神奈川(追検査)の県立高入試でも採用されている。心理学、哲学は最近の入試の頻出テーマと言って良い。戸谷洋志氏の「悪いことはなぜ楽しいのか」 (ちくまプリマー新書)、池田喬氏の「『嘘をつく』とはどういうことか」(ちくまプリマー新書)や藤田正勝氏の「はじめての哲学」(岩波ジュニア新書)など、関連図書を是非ひもといておきたい。
【5】融合文(河添房江「唐物の文化史」より 約2,000字 前年比-1,200字)
「徒然草」「明月記」を引用し、兼好法師や藤原定家が唐物(中国からの舶来品)を尊ぶ風潮に批判的であった旨の文章。内容が明快で例年より課題文章も短く、抜き出し問題を含め比較的得点しやすかったと思われる。
お問い合わせ・お申し込み
-
イベント申し込みはこちら
-
資料請求はこちら



