西高校問題分析 受験生情報局 | 河合塾Wings 関東
2026年度 西高校の入試問題分析
西の英語
2026年度入試問題
難易度の表記
A:易問(全問正解したい)
B:標準問(受検者平均を取るために正解したい)
C:難問(差をつけるために得点したい)
D:最難問
問題分析
リスニングを除き、大問(長文読解)3題で構成され、本文だけでも単語数は3,500語を超える量があり、都立高校の中でも特に文章量が多い傾向は例年どおりである。また、物語文の出題がなく、理系分野をテーマとした長文が出題されることも、ここ数年続く傾向となっている。
【2】は、美術品の保存や修復を仕事とするアメリカ人と複数の日本人の対話文。科学的見地からの修復作業の話題からはじまり、美術品に残る人の思いや歴史にまで話が発展するやや難しい文章であったが、各設問の出題形式は例年と変化がなかった。
【3】は、AIがどのように人間の言語を習得していくのかをテーマとした論説文。AIの話題は近年、様々な入試問題で取り上げられていることに加え、設問は平易なものが多く、解きやすかったと想像できる。
【4】は、蚊の生態とそれを医学や科学に応用することをテーマとした文章。カナダの中学生がプレゼンテーションしたという前提で書かれており、それに付随して問6が、プレゼンテーションを聞いた人物がメモした内容の穴埋めをする出題になった点は、西高校で過去に出題されていないパターンである。しかし、文章の中身および設問は従来の論説文の形式と変わらないため、得点しやすかったと考えられる。
内容一致の出題が各大問に必ずあり、その配点が高いことは例年どおりの特徴である。今年度は5問に減り、【4】の問6が内容”不”一致に変わったが、文章全体の内容が正しく理解できているかを問う点では変わらない。全体として速読力と、どの大問・設問を優先的に解いていくかを含めた処理能力・判断力が求められていると言える。過去の入試問題や、他の自校作成校の入試問題を多く解き、速読力と、文章の大意を素早く理解する力を養うと良いだろう。また、選択肢の英文中に様々な文法・語法・構文が使われているため、正しい文法理解が正解を導く前提となっている点も忘れてはならない。
西の数学
2026年度入試問題
難易度の表記
A:易問(全問正解したい)
B:標準問(受検者平均を取るために正解したい)
C:難問(差をつけるために得点したい)
D:最難問
問題分析
【1】は例年通り、5題構成の小問集合であった。問1は根号を含む式の計算、問2は2次方程式で、いずれも基本的な計算問題である。ここは確実に得点したい。正確さに加え、短時間で処理する力も求められる。問3はさいころ2つの確率の問題。kの値が整数であることに注意できたかがポイントである。問4はヒストグラムと箱ひげ図の対応を考える問題。代表値に着目し、明らかに一致しない箱ひげ図を消去できれば、比較的得点しやすい問題であった。問5の作図は30度の作図と弦の垂直二等分線上に円の中心があることに気付けば正解に到達できる問題である。全体としては、問3の確率で失点せず、満点を目指したい大問であった。
【2】は2次関数で、問1は変域に関する基本問題であった。問2は等積変形の問題。典型的な問題ではあるが、解法によっては途中の計算量や解答時間に差がつく問題であった。問3は座標を文字で表し、立式する問題。与えられた条件をどのように式に反映させるかがポイントで、苦戦した受検生が多かったと思われる。
【3】は円と三角形に関する問題。問1は線分の長さ、問2は三角形の相似の証明、問3は三角形の面積を求める問題で、いずれも基本から標準レベルの難度であり、確実に得点を重ね、完答を目指したい大問であった。
【4】は図形の周りを点が移動する状況を考察する問題であった。問1は会話文中に点Pの位置が明記されているので、点Qの位置を正確に整理することができれば、それほど苦労せずに正解へ到達できる問題であった。問2は2点P、Qが動いた時間や距離の合計について立式し、答えを求める問題。条件の「50周以上」をどのように活用して範囲を絞り込むかがポイントであった。問3は問2までと問題設定が異なり、苦戦した受検生が多かったと思われる。2x+1が奇数であることを利用して、xの値を導けたかが重要である。
全体を通して、各問の難度を的確に見極め、基本から標準レベルの問題を確実に得点する力が求められる構成であった。難問に固執するのではなく、取るべき問題を落とさない姿勢が重要である。大問4は、2016年以降、他の自校作成問題校で頻出となっている立体図形ではなく、整数や文章題からの出題が続いている点が特徴的である。そのため、図形分野に偏らず、数量関係や整数の性質を扱う問題についても十分な演習を積んでおく必要がある。
西の国語
2026年度入試問題
難易度の表記
A:易問(全問正解したい)
B:標準問(受検者平均を取るために正解したい)
C:難問(差をつけるために得点したい)
D:最難問
問題分析
出題形式・配点ともに昨年度と大きな差異は見られない。また、2025年度に大幅に増加した文章量は若干減少したものの、依然として総量12,000字程度の多さとなっている。設問の解答形式は選択肢問題が中心で、全体として過去10年で最高難度と考えられる昨年度の問題と比較すると若干難易度が緩和したが、都立入試全体の中では依然として高難度の入試問題だったといえる。
【1・2】漢字の読み書き
三字熟語の出題は例年どおり。昨年度3年ぶりに出題された四字熟語の”書き”の問題については、本年度は再び三字熟語での出題となった。大問2の問2「ギギ」については、同音の漢字が複数あることから若干難易度が高いと考えられる。しかしながら、漢字全体としてみると本年度の大半の問題は一般的な受験対策をする中で目にしやすいものであるため、易化したといえよう。
【3】小説文(樋口明雄「太陽を背にうけて」より 約3,800字、前年比-約800字)
山小屋で働く人々が、そこで出会った犬への対応を巡って議論をするという内容。犬の処遇を話し合う所から、それまで登場人物が互いに抱いていた感情を読み解く必要があった。問題自体の難度はさほど高くないが、語句のみで正誤を判断すると間違えてしまうため、内容一致を確認するためにある程度の時間をかけなければならなかったであろう。
【4】論説文(森一郎「ニーチェ 哲学的生を生きる ※一部改変」より 約4,500字、前年比-100字)
難関校によくみられる「哲学」についての抽象度が高いテーマの文章ではあるが、よくよく見てみると「自由」と「強制」、「自由詩」と「律格詩」など対比となっている部分が読み取れる。落ち着いて文章内容を整理していくことで、選択問題の難易度はかなり下がったであろう。問7の作文は「強制としての道徳」をテーマにしたもので、適した具体例さえ想像できれば、本年度に関しては高得点を狙えたと考えられる。
【5】融合文(安田登「『うた』で読む日本のすごい古典」より 約3,300字、前年比-500字)
世阿弥が説いた、芸における「色」と「空」についての文章。本年度の共通問題の大問5も世阿弥の『風姿花伝』をテーマにした文章からの出題であった。いずれの問題もとりたてて難しいものとはいえないが、かけられる時間を考えると、問題文を読んだ際にある程度の解答内容の見当をつける必要がある。今回は大問5がすべて選択問題であることから、テンポよく解き進めて、他の大問の記述にどれだけ時間を使えるかが高得点のカギとなったであろう。
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