品川翔英中学校高等学校 英語科 及川義尋 先生 教員・受検者の声 | ケンブリッジ英語検定|河合塾ケンブリッジ英語検定事務局
「英語を使えるようになる」が最終ゴール
品川翔英中学校高等学校
英語科 及川義尋 先生
たくさんの英語に触れながら自然に吸収してほしい
――御校の英語教育の方針、英語4技能育成の取り組みからお聞かせいただけますか。
及川先生:本校は幼・小・中・高の一貫校で、小学校段階からネイティブ教員によるオールイングリッシュの授業を行っています。中学校に上がると、教科書を使っての本格的な授業になりますが、中1段階ではネイティブ教員が週3コマ、日本人教員2コマの振り分けです。とにかく英語のシャワーを浴びてもらおうと、ネイティブ教員だけでやっていた時期もあるのですが、英語学習歴の差という課題があり、中学に入って本格的に英語学習を始めるクラスは「ネイティブ教員3コマ・日本人教員2コマ」の形になりました。小学校から英語を勉強しており、より高い英語運用力を鍛えていきたいという生徒には、週5コマをネイティブ教員が担当してオールイングリッシュの授業を行っています。
そして、高校段階では、「英語コミュニケーション」はネイティブ教員が担当し、高1は週3コマ、高2以降は週4コマで、主にスピーキングとリスニングに重点を置いた授業です。日本人教員が担当する「論理・表現」は週2コマで、リーディング、ライティング中心の授業です。いずれも、習熟度別クラスでの授業です。それぞれの生徒のレベルに合わせて、「生きた英語力」、「将来、社会に出て必要な実践的な英語力」の土台を育成することが本校の方針です。
――御校は「高校卒業までにCEFR B2レベルの到達」を目標に掲げています。日本の高校生の標準的なレベルを考えると、かなりハードルの高い目標に見えますが。
及川先生:目標は高く設定し、そこを目指して頑張ろうという生徒へのメッセージです。ただし、無理をして高いレベルを受検する必要はありません。高校生であればA2からスタートし、次のステップでB1をクリアした生徒に対して「B2に挑戦しよう」と、段階的に指導しています。生徒たちには、「卒業までにどこまでいけるか挑戦しよう」と働きかけています。
――指導面で苦労されていることはありますか。
及川先生:中高一貫生と高校から入学する生徒では英語力に差があります。中高一貫生はネイティブ教員の指導に慣れているため、英語で問いかけた時の反射神経は非常に高いのですが、高校入学の生徒たちの中には、自分から英語で話すことに慣れていない生徒もいます。ただ、その生徒たちも、授業を受けるうちにだんだんと慣れていきます。
――英語4技能のバランスについて課題はありますか。
及川先生:生徒たちのケンブリッジ英語検定の結果を見ると、全体的にスピーキング、ライティングは比較的高いスコアが出る一方で、リスニング、リーディングは強化が必要と感じていました。
その対策として、まずは単語が基本になるので、Word Engineという英単語学習アプリを使っています。「毎日 30語以上、正解する」という課題です。やるだけでは駄目で、正解しないとクリアになりません。週単位で210語になります。生徒の進捗状況を教員が確認し、週初めの授業でフィードバックしながら進めています。
また、高校生以上の生徒には、Xreadingという多読オンライン学習サイトで「1か月に 50,000語以上読む」を課題としています。半月ごとに期限を設け、その時点で目標の半分まで達していなかったら、「残り半月、頑張ろう」と背中を押します。
単語だけでなく英文法も、たくさんの英語に触れる中で、自然に吸収していってほしいという方針でやっています。
――単語を毎日 30語以上、長文を1か月で50,000語以上という課題は、生徒も大変そうですね。
及川先生:大変だと思います。ただ、1分間にどれだけ英文を読めるかというWPM(Word Per Minute)を考えた時、日本の高校生平均は75語/分程度ですが、90語/分程度の速さで読んでほしいと考えました。
そうすると、1日10分間読んで900語前後。1日10分~15分を毎日続けていけば、1か月で30,000語はいける。もう少し負荷をかけて、「1ヶ月50,000語」という目標を設定しました。とにかく英語に触れる量と頻度を増やしたいという狙いがあります。
ケンブリッジの教材とアセスメントで実践力育成
――御校では、中1から高3までの全6学年でケンブリッジ英語検定を受検していただいています。ケンブリッジ英語検定を選んだ理由をお聞かせいただけますか。
及川先生:ケンブリッジ大学出版の教材を使い始めたことがきっかけです。中学校英語で文法から積み上げていくと、「覚えるのが大変」という理由で英語嫌いの生徒が増えてしまいがちでした。その状況から脱却するためには、コミュニケーションを重視して4技能をバランスよく教える必要があると考えました。その時に出会ったのが、ケンブリッジ大学出版の教材です。ケンブリッジ教材は、4技能のバランスがよく、生徒がアウトプットするアクティビティやトピックが数多く揃っていることが特徴で、採択に至りました。高校生はUNLOCK、中学校はGame Changerを使っています。
そして、生徒たちの目標を設定するため、ケンブリッジ英語検定を導入しました。ケンブリッジ教材との相性が良いことはもちろんですが、国際基準の資格検定を持っていれば、将来、海外留学等で活用することもできます。生徒たちのモチベーションを上げるために、中・高6学年の生徒が年1回、受検することとしました。
――教材や検定に対する生徒の反応はどうでしたか。
及川先生:海外の教材ですから、日本語の説明は一切ありません。最初にUNLOCKを使った時、「文法が少ない。これで大学受験は大丈夫か?」という声があったことも事実です。しかし、本校が目指している英語教育は、「受験英語で終わり」ではありません。小・中・高と英語を勉強した生徒が将来、社会に出た時に、「抵抗感なく英語を使える」状態になってほしい。そのためには、授業でもっとアウトプットの練習をする必要がありました。英語を「知っているか」ではなく、自分の伝えたいことを表現するために「使えるか」が重要だからです。
とはいっても、日本の大学を受験する生徒がほとんどなので、大学入試を突破するための対策も大切です。受験に近い高学年には、大学入試に対応した指導もしっかり行っています。それでも、授業では「英語を使えるようになることがゴール」だと生徒には常に伝えています。
――ケンブリッジ英語検定を受検した生徒さん、あるいは保護者の方の感想はいかがですか?
及川先生:「スピーキングが楽しかった」や「いつも受けてる模試のような試験ではなかった」と、ポジティブな感想をよく聞きます。高校生以上はペア型面接なので、「友達同士のペアなのでリラックスして受検できた」という声も多いです。保護者の方々も、「将来、役に立つ国際標準の検定なので、しっかり受検させてください」と学校の方針を信頼してくれていると感じています。
自発的にC1レベルにチャレンジする生徒も
――受検するケンブリッジ英語検定のレベルは、本人の希望で決めているのでしょうか。
及川先生:教員の指導と本人の希望の両方で決めています。基本的には、「高校1年はA2レベル推奨」という形ですが、「英検2級を持っている」という生徒はB1レベルを受けられるというように、生徒の希望によりレベルを選べるようにしています。中学段階では基本的に、「中1はPre A1、中2はA1、中3はA1またはA2」としていましたが、入学してくる生徒の学習歴やレベルが異なるケースも出てきたので、その場合は、高校生と一緒にB1やB2も受けられるようにしています。生徒は入学した時から本校でケンブリッジ英語検定をやっていることを知っていて、「対策はどうしたらいいですか」と入学後すぐに聞いてくる中1生が増えています。
試験後には、試験レベル別の成績優秀者を校内の掲示板に貼り出して表彰し、生徒のモチベーションを高める工夫もしています。
――ケンブリッジ英語検定の事前・事後に対策等は行っていらっしゃいますか。
及川先生:試験前は、事前に提供される「受検の手引き」をフル活用しています。出題形式や時間配分は生徒に意識させようとしています。
そして、試験後には、何が足りていないか生徒自身に分析させています。自分で考えさせて、自分自身で問題意識を持てないと、教員から言われるだけでは生徒は動かないからです。「英語ができるようになりたい」と思っている生徒は多いので、生徒自身の自覚を促すことが大切だと思います。
試験後に返却される「認定証」と「結果ステートメント」は、各クラスで担任教員から返却しています。英語科から「返却する時はこんなことを伝えてください」と担任の先生方にお願いしています。英語の成績や成果物は、英語科だけのものではなく、全ての教員がしっかりと把握しておくべきだとの考えが本校にはあります。
――そうした取り組みの成果で、B2やC1にチャレンジする生徒も増えています。
及川先生:そうですね。自分から率先してC1レベルにチャレンジする生徒も出てきました。
A2やB1レベルまでの段階では、英語に自信を持ちきれない生徒もいるのですが、B1レベルに合格したあたりから、英語の勉強が楽しくなる生徒が増えている印象があります。一つ山を越えて、「もっと伸ばせそう」との実感を生徒自身が持つことができると、「次のレベルに挑戦してみよう」という気持ちになるんでしょうね。
2026年7月インタビュー
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