スタッフからのお知らせK会本郷教室
29件の新着情報があります。 1-10件を表示
★春期講習のお知らせパート2★
2026年3月1日 更新
みなさんこんにちは。K会事務局です!
\春期講習1タームの講座は3月19日が申込期日です/
・数学講座入門~新中2・新中3生対象~
・フェルマーとオイラー
・Raspberry Piで学ぶ情報システム
・作って実験!言語の構造と機能~人工言語制作ワークショップ~
※講座内容・実施日時はこちらから
K会の講座は受験勉強や受講学年にとらわれずに、ご自身の興味や関心、お持ちの知識に合わせてご受講いただけます。
例えば、同じ『数列』という講座をみても……
●公立中学校の新中2生⇒数学が大好き。自分で高校数学まで勉強中。先取りをかねて受講。
●中高一貫校の新高2生⇒数学は苦手。復習と定着を兼ねて受講。
●インターナショナルスクールGrade10⇒日本語で数列を学習したいと受講。
●中高一貫校の新中3生⇒ちょうどスケジュールが空いていた。高校受験もないから、好きな数学の中で面白そうだからと受講。
など受講理由は人それぞれです。
春期講習は大学で学ぶような専門性の高い内容を扱う講座や、科学オリンピック対策講座、教科横断講座などみなさんの知的好奇心を刺激するカリキュラムをたくさんご用意しています。
たまには、興味のあることや好きなことをとことん学んでみませんか?
受験勉強にとらわれない、知的好奇心をベースにしたK会での学びは、みなさんの視野を広げ、知らなかった可能性を見つける、そんな「気づき」の場になるでしょう。
★お問合せ★
K会事務局:03-3813-4581
日・月を除く13:00~19:00の間でお電話を受け付けております。
★春期講習のお申し込みはこちら★
https://www.kawai-juku.ac.jp/apply/cgd/?area=3&grade=32
※4月からの学年と、地域「関東」をご選択してください。
\春期講習1タームの講座は3月19日が申込期日です/
・数学講座入門~新中2・新中3生対象~
・フェルマーとオイラー
・Raspberry Piで学ぶ情報システム
・作って実験!言語の構造と機能~人工言語制作ワークショップ~
※講座内容・実施日時はこちらから
K会の講座は受験勉強や受講学年にとらわれずに、ご自身の興味や関心、お持ちの知識に合わせてご受講いただけます。
例えば、同じ『数列』という講座をみても……
●公立中学校の新中2生⇒数学が大好き。自分で高校数学まで勉強中。先取りをかねて受講。
●中高一貫校の新高2生⇒数学は苦手。復習と定着を兼ねて受講。
●インターナショナルスクールGrade10⇒日本語で数列を学習したいと受講。
●中高一貫校の新中3生⇒ちょうどスケジュールが空いていた。高校受験もないから、好きな数学の中で面白そうだからと受講。
など受講理由は人それぞれです。
春期講習は大学で学ぶような専門性の高い内容を扱う講座や、科学オリンピック対策講座、教科横断講座などみなさんの知的好奇心を刺激するカリキュラムをたくさんご用意しています。
たまには、興味のあることや好きなことをとことん学んでみませんか?
受験勉強にとらわれない、知的好奇心をベースにしたK会での学びは、みなさんの視野を広げ、知らなかった可能性を見つける、そんな「気づき」の場になるでしょう。
★お問合せ★
K会事務局:03-3813-4581
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※4月からの学年と、地域「関東」をご選択してください。
★プログラミング無料体験★
2026年2月22日 更新
みなさんこんにちは。K会事務局です!
今回はプログラミング無料体験のご紹介です
3月8日15:30~17:00
プログラミング無料体験
この体験は、コードを書くプログラミングの経験がない方を対象としています。
学年は問わず新中学1から新高校3年生の方であればどなたでも歓迎いたします!
コードを「書く」プログラミングとは?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
たとえばですが、オセロのゲームを作ることをイメージしましょう。
まず、道具として白と黒の丸い石や、その石を配置する64マスの盤面が必要です。
そして白石・黒石・白石のような配列になった時、間の黒石は白石になるというようなルールも必要ですね。
point(X,Y)⇒(X,Y)に点を書く
line(X0,Y0,X1,Y1)⇒(X0,Y0,)から(X1,Y1)に線を引く
ellipse(X,Y,W,H)⇒(X,Y)を中心に幅W、高さHの円を書く
丸い石や、四角い盤面を書く時はこのようにコードを書いて、コンピュータに図形を描いてもらいます。
これに加えて、色をつけるコードやゲームのルールのコードを書くとコンピュータ上にオセロのゲームが出来上がります。
つまりプログラムを書く、というのはコンピュータがわかる言葉で、コンピュータにしてもらいたい指示を与えるということです。
難しそうだなと思うかもしれませんが、自分の思った通りにコンピュータが動いてくれた時の感動はひとしおです。
基本を理解すれば、ボールを当ててブロックを崩すゲームをつくったり、複雑な計算の答えを即座にコンピュータに計算してもらったりと、さまざまなことができるようになります。
90分の体験では複雑なプログラムは組めませんが、何よりも書いたコードが「動く」楽しさを味わっていただけるような教材を準備しています。
体験で使用するProcessingをはじめとした環境は、すべて無料でインストールできるものを使っているのもポイントです。
この体験をきっかけにご自身のPCに環境を整えて、プログラミングに親しんでいただけると嬉しいです!
★お申し込みはこちらから★
※3月5日以降のお申し込みは、お電話でお問い合わせください。
★お問合せ★
K会事務局:03-3813-4581
日・月を除く13:00~19:00の間でお電話を受け付けております。
今回はプログラミング無料体験のご紹介です
3月8日15:30~17:00
プログラミング無料体験
この体験は、コードを書くプログラミングの経験がない方を対象としています。
学年は問わず新中学1から新高校3年生の方であればどなたでも歓迎いたします!
コードを「書く」プログラミングとは?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
たとえばですが、オセロのゲームを作ることをイメージしましょう。
まず、道具として白と黒の丸い石や、その石を配置する64マスの盤面が必要です。
そして白石・黒石・白石のような配列になった時、間の黒石は白石になるというようなルールも必要ですね。
point(X,Y)⇒(X,Y)に点を書く
line(X0,Y0,X1,Y1)⇒(X0,Y0,)から(X1,Y1)に線を引く
ellipse(X,Y,W,H)⇒(X,Y)を中心に幅W、高さHの円を書く
丸い石や、四角い盤面を書く時はこのようにコードを書いて、コンピュータに図形を描いてもらいます。
これに加えて、色をつけるコードやゲームのルールのコードを書くとコンピュータ上にオセロのゲームが出来上がります。
つまりプログラムを書く、というのはコンピュータがわかる言葉で、コンピュータにしてもらいたい指示を与えるということです。
難しそうだなと思うかもしれませんが、自分の思った通りにコンピュータが動いてくれた時の感動はひとしおです。
基本を理解すれば、ボールを当ててブロックを崩すゲームをつくったり、複雑な計算の答えを即座にコンピュータに計算してもらったりと、さまざまなことができるようになります。
90分の体験では複雑なプログラムは組めませんが、何よりも書いたコードが「動く」楽しさを味わっていただけるような教材を準備しています。
体験で使用するProcessingをはじめとした環境は、すべて無料でインストールできるものを使っているのもポイントです。
この体験をきっかけにご自身のPCに環境を整えて、プログラミングに親しんでいただけると嬉しいです!
★お申し込みはこちらから★
※3月5日以降のお申し込みは、お電話でお問い合わせください。
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日・月を除く13:00~19:00の間でお電話を受け付けております。
★数学メダリスト座談会★
2026年2月15日 更新
みなさんこんにちは。K会事務局です!
今回は春のイベントのご紹介です
3月8日10:00~11:30
数学オリンピックメダリスト座談会
K会創立30周年の記念として、新中1生~新高3生の皆さんを無料でご招待!
国際数学オリンピックのメダリスト5名が、みなさんからの質問をテーマにトークセッションを行います。
「数オリ対策に行っていたことは?」「勉強時間は?」
など、気になることをメダリストに質問してみましょう。
お申し込みはこちらから
※お申し込み時に講師への質問をご記入ください。質問が無い場合は「なし」と記入をお願いします。
※時間の都合上すべての質問を扱うことはできません。あらかじめご了承ください。
登壇予定
・神尾悠陽(第61回ロシア大会[銀]/第62回ロシア大会[金])
・坂本平蔵(第60回イギリス大会[金])
・宿田彩斗(第60回イギリス大会[銀]/第61回ロシア大会[銀])
・床呂光太(第62回ロシア大会[銀])
・平山楓馬(第61回ロシア大会[銅])
司会
・𠮷田悠真(国際化学オリンピック第52回トルコ大会[銀])
★ただいま春期講習申込受付中★
お申し込みはこちらから
※4月からの学年と、地域「関東」をご選択してください。
今回は春のイベントのご紹介です
3月8日10:00~11:30
数学オリンピックメダリスト座談会
K会創立30周年の記念として、新中1生~新高3生の皆さんを無料でご招待!
国際数学オリンピックのメダリスト5名が、みなさんからの質問をテーマにトークセッションを行います。
「数オリ対策に行っていたことは?」「勉強時間は?」
など、気になることをメダリストに質問してみましょう。
お申し込みはこちらから
※お申し込み時に講師への質問をご記入ください。質問が無い場合は「なし」と記入をお願いします。
※時間の都合上すべての質問を扱うことはできません。あらかじめご了承ください。
登壇予定
・神尾悠陽(第61回ロシア大会[銀]/第62回ロシア大会[金])
・坂本平蔵(第60回イギリス大会[金])
・宿田彩斗(第60回イギリス大会[銀]/第61回ロシア大会[銀])
・床呂光太(第62回ロシア大会[銀])
・平山楓馬(第61回ロシア大会[銅])
司会
・𠮷田悠真(国際化学オリンピック第52回トルコ大会[銀])
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※4月からの学年と、地域「関東」をご選択してください。
━【現代数学の視座と眺望№9(K会元数学科講師:立原礼也) 】━
2026年2月11日 更新
━【現代数学の視座と眺望№9(K会元数学科講師:立原礼也) 】━
★「現代数学」、つまり大雑把には「大学の数学科レベルの数学」は、中高で習う数学と地続きに繋がっていながらも、様々な面で、全く新しい考え方に基づくものでもあります。筆者が数学を専攻することに決めたのも、この新しくも自然な考え方の数々に魅了されてのことでした。このコラムでは、現代数学におけるものの見方=「視座」、そしてそれによるものの見え方=「眺望」の解説を通じ、現代数学の魅力の一端をお伝えしていきます★
高次元空間、無限次元空間
読者の皆さん、こんにちは。
K会数学科元講師の立原礼也と申します。
今年度もコラムを担当させていただくことになりました。引き続き、様々な観点や実例から、中高数学とは少し違った現代数学の面白さについてご紹介しようと思います。
さて、現代数学の重要な特徴として、「日常感覚の素朴な延長上では理解することが難しい対象や概念も、厳密に(=正しさを保証しながら)取り扱うことができる」という側面があります。その仕組みについては(もうずいぶん前の記事にはなりますが)連載の第2回に詳しく説明しているので、興味のある方は是非ご覧ください。一方、実際には具体的にどのような「難しい対象や概念」が扱われるのかというのも、この連載で扱うべき話題だと思います。具体例は無数に考えられますが、第9回となる今回は、「次元」という概念をテーマとして取り上げてみることにしました。「次元」という言葉自体はよく耳にすると思いますが、4次元以上の高次元の空間や、更には無限次元の空間なども、数学では普通に出てきます。こういったものは日常感覚では理解しづらいと思いますが、実は現代数学の観点からはそんなに難しい話ではありません。今回の記事を読み終わるころには、読者の皆さんにも、高次元空間や無限次元空間に多少の親しみを持っていただけるはずです。
「次元」という言葉は様々な異なった意味で用いられており(Wikipediaの「次元」のページを是非一度ご覧ください)、そのいずれもこの記事で厳密に説明するのはちょっと無理がありますが、素朴な日常感覚に近いものに「実線型(じつせんけい)空間の次元」がありますので、これを念頭に説明を試みようと思います。(以下を読み進める上で「実線型空間」という言葉を知っている必要はありません。)この立場から非常に大雑把に述べると、「次元」という言葉の意味は、「点を指定するのに必要な実数の個数」となります。以下、これについて、もう少し詳しく説明しましょう。
中学校の数学で学習した「xy座標平面」を思い浮かべていただきたいと思います。これは、平面にx軸とy軸という2本の数直線(座標軸)を引くことで、平面上の点の位置を2つの実数を用いて表せるようにしたもののことでした。これが指し示す事実は、平面内で考える際には、「点を指定するのに必要な実数の個数」が「2個」であるということです。例で確認してみましょう。例えば、2つの座標軸の交わるところは原点と呼ばれ、(0,0)という2つの実数のペアで表されます。そこから右に少し進むと(1,0)や(2,0)、左に少し進むと(-1,0)や(-2,0)などと名付けられた点が置いてあるということになります。また、(-1,0)から少し上に進むと(-1,1)と名付けられた点が、更にもっと上に進むと(-1,2)と名付けられた点があります。もちろん整数以外を使っても良く、例えば(-1,1)と(-1,2)の間には(-1,1.5)や(-1,ルート2)など、無数に沢山の点があります。いずれにしても、各点が2つの実数のペアで指定されているということです。これが「平面は2次元である」ということです。
さて、ここで、「実数2個の組を全て集めてできる集合」を考えて、それをR^2と呼ぶことにしてみましょう。(本来はRのフォントは「黒板太字」と呼ばれるものが望ましいです。)つまり、(0,0)や(-1,2)や(-100,ルート3)などといった「実数2個の組」は全部例外なくこの集合R^2に入っていて、そうでないものはR^2には一切入っていないということです。ここで、「組」というのは順番も考慮した概念であることには注意しておきたいと思います。つまり例えば、組(2,3)と組(3,2)は異なるということです。唐突な感じがするかもしれませんが、実は、R^2は既に上の「平面は2次元」の説明にも表れています。というのも、xy座標平面というのは、まさに「R^2の要素を用いて平面上の点を名付ける」という仕組みだったからです。より正確に言うと、平面上の点とR^2の要素が1対1にちょうど対応している、ということになります。(例えば、平面の原点にR^2の要素(0,0)が対応しています。)この「平面上の点とR^2の要素が1対1にちょうど対応している」ということこそが、「平面は2次元である」ということなのです。(細かい注意:この「1対1にちょうど対応している」という部分については、実は、注意が必要です。ただ「1対1にちょうど対応している」のではダメで、対応のさせ方も、ある程度まともなものでなくてはいけません。そうしないと、平面上の点を、実数2個の組ではなく、1個の実数と対応付けることなども可能になってしまい、次元の概念が意味をもたなくなってしまうのです。しかし今回は、こういった部分のケアは省略します。)さて、この観点から同義反復的な主張になりますが、R^2自身も2次元です。R^2の要素(a,b)は、2つの実数の組(a,b)で指定される、という、非常に当たり前な話です。
ここまで2次元の例を見てきました。次に「xyz座標空間」を思い出しましょう。x軸とy軸を用いて平面に座標を与えることができたので、さらにその平面からはみ出るように座標軸をもう1本取れば、それも使うことで空間内の点を指定することができます。この場合、3つの実数で点が指定されるので、これが「空間は3次元である」ことを意味しています。2次元に関してR^2を持ち出したのと同様に、3次元に関しては「実数3個の組全部を全て集めてできる集合」R^3を使って議論することもできます。つまり、「空間内の点とR^3の要素がちょうど1対1に対応している」ことが、「空間は3次元である」ことなのです。もちろん、R^3自身も3次元になります。R^3の要素(a,b,c)は、3つの実数の組(a,b,c)で指定される、という、あまりにも当たり前な話です。
ちなみに、少し横道に逸れますが、ここで「空間」という言葉の使い方には注意しておかなくてはいけません。「空間」というと、すぐ上に論じたようないわゆる3次元の空間を想像しがちだと思います。我々の住む物理世界のシンプルなモデル化、立体物の居場所としての「空間」です。もちろんそれは間違ってはいません。ただ、数学では、「空間」という言葉をもっと広い意味で使います。(だからこそ「高次元空間」「無限次元空間」等という言葉もあるのです。)そして、その観点からは、例えば上で議論した「平面」やR^2やR^3も、空間の一例となります。(細かい注意:「空間」という言葉そのものには数学的な定義がないので、本当は、「~は空間の例だ」というのはあまり意味のない文言です。一方、「空間」の下位概念である「位相空間」、「距離空間」、「実線型空間」、等々には数学的に厳密な定義があります。そして、「平面」やR^2やR^3は、適切な設定のもとで、位相空間や距離空間や実線型空間の例になっていると言えます。)R^2やR^3を空間として考えているので、R^2やR^3の要素のことも「点」と呼ぶことにしましょう。例えばR^2の各点は2つの実数の組だということです。
2次元、3次元とみてきましたが、4次元に進む前に、1次元についても考えてみましょう。直線は1次元の対象です。数直線上の点が実数に対応するのですから、当たり前なことです。実数を全て集めてできる集合をR^1と書くことにすると、R^1自身も1次元です。復習しますと、直線やR^1は1次元、平面やR^2は2次元、そして(普通の意味での、立体物の居場所としての)空間やR^3が3次元だということになります。ちなみに、0次元も考えることができ、「原点のみ」という設定(点が1個しかない設定)が0次元になります。点が1個しかない世界では、実数を全く使わないでも(つまり0個使って)点が指定できるということですね。
R^1が1次元、R^2が2次元、R^3が3次元ということで察しが付くことかと思いますが、R^4、つまり「実数4個の組を全部集めてできる集合」を考えれば、これが4次元になります。4次元空間です。R^4そのものでなくても、R^4の要素とちょうど1対1に対応づくような(実線型)空間はいずれも4次元空間だということです。5次元、6次元、7次元、それ以降も、全く同様に考えることができます。4次元以上は、3次元以下とは違って、視覚的なイメージがつきにくいので、とっつきにくく感じる方が多いのだと思います。しかし、実際のところ、数学的な取り扱いの上では、高次元を直接的に想像できなくても、特に不都合はないのです。もちろん、どちらかと言えば、想像できないよりはできたほうが良いでしょう。考える問題の具体性や複雑度によっては、そういう視覚的イメージがないとやりづらいぞ、という例も実際にはあるかもしれません。しかし、ここで強調したいのは、人間の視覚的な想像力や処理能力の限界を大きく超えた内容も、論理の力で取り扱えるのが、現代数学の凄いところなのだ、ということです。例えば、どんなに凄い数学者でも1000次元空間を視覚的に想像することは無理だと思いますが、ごく平凡な数学者でも1000次元の実線型空間を取り扱うこと自体は簡単にできます。
無限次元に向かって進みましょう。4次元空間の最も基本的な例であるR^4の各点は、
(a,b,c,d) (ただし、a,b,c,dは実数)
という形に書けます。実数を4個並べた形です。5次元空間R^5の各点は実数を5個並べた形、6次元空間R^6の各点は実数を6個並べた形です。同じように考えると、実数を無限個並べた形の要素を集めると、無限次元空間が出来上がる気がしないでしょうか。実際、このような安直な考えで、無限次元空間のある例を得ることができます。実数を無限個並べた形の要素、とはどういうことでしょうか。(「並べる」にも色々あるかもしれませんが、最も安直な発想としては)それは「数列」ということです。つまり例えば
1,1,2,3,5,8,13,21,34,…
や、
0,0,0,0,0,0,…
のように数を無限に並べるのです(実際に無限に書き並べることはできないので先の方を「...」で誤魔化しています)。こういった実数の数列を全部集めてできる集合を考えると、それが無限次元空間の一例になるということです。ちょっと混乱しやすいところでしょうか。この記事だけの記号ですが、この集合をSと呼ぶことにしましょう。そうすると、Sの1個1個の要素(点)が数列なのです。例えばSの点の一例として
1,1,2,3,5,8,13,21,34,…
が挙げられます。個々の項ではなく、この数列丸ごとで、Sの1個の点であることに注意しておきたいと思います。当たり前のことですが、この点を指定するためには、「第1項は1」「第2項は1」「第3項は2」「第4項は3」「第5項は5」「第6項は8」「第7項は13」「第8項は21」「第9項は34」...というふうに、各項の情報が全部必要になります。もちろん、第10項以降の情報だって必要です。数学愛好家の読者の中には「第10項は55」と予想する方もいらっしゃると思いますが(それはそれで意味のある考察ですが)、そんなことはどこにも書いていません。第10項は56かもしれないし、1000かもしれないし、マイナスルート3かもしれないし、円周率かもしれません。もちろん、第11項目から先も指定する必要があります。Sの要素を1個指定するために、無限個の実数を使う必要があるのです。ですので、Sは無限次元の空間になります。
このように、安直に「数列を全部集めてできる集合」を考えれば、それで無限次元空間の一例となるのです。いかがでしょうか。一見すると複雑には見えるかもしれませんが、数学者だって、超能力者のように高次元や無限次元の空間が目で見えているわけではない、ということが分かると思います。ちょっと拍子抜けするような話かもしれません。
無限次元空間にだって色々種類があります。ちょっと難しい話になりますが、数列というのはある種の関数のことですから、上の例を敷衍して「関数を集めてきて、関数からなる空間(関数空間)を作る」ということも考えられます。この考え方で、扱う関数の種類に応じて、様々な(無限次元の)関数空間が得られます。関数空間は、1つ1つの「点」が関数であるような空間です。ところで、現代数学では、「空間内の点」に関する考察のノウハウは、抽象的な形で色々蓄積されています。そこで、例えば「ある条件を満たす関数の存在」を証明したいときなどに、それを「空間内の、ある条件を満たす点の存在」と解釈して考察するアプローチが可能になったりするのです。こういった関数空間を考察するアプローチは、主に関数解析と呼ばれる分野に属し、現代数学で基本的な役割を果たしています。無限次元の空間たちも、現代数学では欠かせない仲間なのです。
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(補足)
「この集合は無限次元」というような言い回しを本文中で採用しましたが、ここにはちょっとした誤魔化しがあります。
ただの集合には(少なくとも、今回記事で紹介したような意味では)「次元」の概念を考えることはできず、適切に付加構造を考えてその観点から論じる必要があります。(今回の記事では付加構造として実線型空間やその上のtorsorを念頭においていました。)
「付加構造」についての理解の入り口となる解説としては、例えば本連載の第3回記事をご参照ください。
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(意欲ある読者へ向けた、答えのない演習問題)
現代数学を学ぶ上で4次元空間R^4を視覚的に想像できることは必須ではありませんが、とはいえ、そういうイメージが持てた方が心強いものです。そこで、どのようにR^4を想像できるか、考えてみてください。2つヒントがあります。まず1つ目ですが、そもそも3次元に生きる我々が4次元を想像するのは無理があります。3次元の立体を想像するのと全く同じように4次元を想像するのは、流石に無理でしょう。無理を承知で、なんとか乗り越えなくてはいけません。その方針を探るために、「平面内に住んでいる存在が、無理矢理に3次元を想像するためには、どうするか?」ということを考えてみるのも、1つの手かもしれません。2つ目ですが、物理学では「4次元時空」という考え方があるようです。我々が生きているこの世界は一見すると3次元ですが、実はもう1つ「時間」という軸があって、合わせて4次元という考え方です。同じ位置でも時刻が違えば区別されるわけです。こういう描像も、もしかするとヒントになるかもしれません。それから、「1つ目と2つ目のヒントを掛け合わせる」ような視点もあり得るでしょう。3次元を「2次元+時間1次元」と解釈してみるのです。
★「現代数学」、つまり大雑把には「大学の数学科レベルの数学」は、中高で習う数学と地続きに繋がっていながらも、様々な面で、全く新しい考え方に基づくものでもあります。筆者が数学を専攻することに決めたのも、この新しくも自然な考え方の数々に魅了されてのことでした。このコラムでは、現代数学におけるものの見方=「視座」、そしてそれによるものの見え方=「眺望」の解説を通じ、現代数学の魅力の一端をお伝えしていきます★
高次元空間、無限次元空間
読者の皆さん、こんにちは。
K会数学科元講師の立原礼也と申します。
今年度もコラムを担当させていただくことになりました。引き続き、様々な観点や実例から、中高数学とは少し違った現代数学の面白さについてご紹介しようと思います。
さて、現代数学の重要な特徴として、「日常感覚の素朴な延長上では理解することが難しい対象や概念も、厳密に(=正しさを保証しながら)取り扱うことができる」という側面があります。その仕組みについては(もうずいぶん前の記事にはなりますが)連載の第2回に詳しく説明しているので、興味のある方は是非ご覧ください。一方、実際には具体的にどのような「難しい対象や概念」が扱われるのかというのも、この連載で扱うべき話題だと思います。具体例は無数に考えられますが、第9回となる今回は、「次元」という概念をテーマとして取り上げてみることにしました。「次元」という言葉自体はよく耳にすると思いますが、4次元以上の高次元の空間や、更には無限次元の空間なども、数学では普通に出てきます。こういったものは日常感覚では理解しづらいと思いますが、実は現代数学の観点からはそんなに難しい話ではありません。今回の記事を読み終わるころには、読者の皆さんにも、高次元空間や無限次元空間に多少の親しみを持っていただけるはずです。
「次元」という言葉は様々な異なった意味で用いられており(Wikipediaの「次元」のページを是非一度ご覧ください)、そのいずれもこの記事で厳密に説明するのはちょっと無理がありますが、素朴な日常感覚に近いものに「実線型(じつせんけい)空間の次元」がありますので、これを念頭に説明を試みようと思います。(以下を読み進める上で「実線型空間」という言葉を知っている必要はありません。)この立場から非常に大雑把に述べると、「次元」という言葉の意味は、「点を指定するのに必要な実数の個数」となります。以下、これについて、もう少し詳しく説明しましょう。
中学校の数学で学習した「xy座標平面」を思い浮かべていただきたいと思います。これは、平面にx軸とy軸という2本の数直線(座標軸)を引くことで、平面上の点の位置を2つの実数を用いて表せるようにしたもののことでした。これが指し示す事実は、平面内で考える際には、「点を指定するのに必要な実数の個数」が「2個」であるということです。例で確認してみましょう。例えば、2つの座標軸の交わるところは原点と呼ばれ、(0,0)という2つの実数のペアで表されます。そこから右に少し進むと(1,0)や(2,0)、左に少し進むと(-1,0)や(-2,0)などと名付けられた点が置いてあるということになります。また、(-1,0)から少し上に進むと(-1,1)と名付けられた点が、更にもっと上に進むと(-1,2)と名付けられた点があります。もちろん整数以外を使っても良く、例えば(-1,1)と(-1,2)の間には(-1,1.5)や(-1,ルート2)など、無数に沢山の点があります。いずれにしても、各点が2つの実数のペアで指定されているということです。これが「平面は2次元である」ということです。
さて、ここで、「実数2個の組を全て集めてできる集合」を考えて、それをR^2と呼ぶことにしてみましょう。(本来はRのフォントは「黒板太字」と呼ばれるものが望ましいです。)つまり、(0,0)や(-1,2)や(-100,ルート3)などといった「実数2個の組」は全部例外なくこの集合R^2に入っていて、そうでないものはR^2には一切入っていないということです。ここで、「組」というのは順番も考慮した概念であることには注意しておきたいと思います。つまり例えば、組(2,3)と組(3,2)は異なるということです。唐突な感じがするかもしれませんが、実は、R^2は既に上の「平面は2次元」の説明にも表れています。というのも、xy座標平面というのは、まさに「R^2の要素を用いて平面上の点を名付ける」という仕組みだったからです。より正確に言うと、平面上の点とR^2の要素が1対1にちょうど対応している、ということになります。(例えば、平面の原点にR^2の要素(0,0)が対応しています。)この「平面上の点とR^2の要素が1対1にちょうど対応している」ということこそが、「平面は2次元である」ということなのです。(細かい注意:この「1対1にちょうど対応している」という部分については、実は、注意が必要です。ただ「1対1にちょうど対応している」のではダメで、対応のさせ方も、ある程度まともなものでなくてはいけません。そうしないと、平面上の点を、実数2個の組ではなく、1個の実数と対応付けることなども可能になってしまい、次元の概念が意味をもたなくなってしまうのです。しかし今回は、こういった部分のケアは省略します。)さて、この観点から同義反復的な主張になりますが、R^2自身も2次元です。R^2の要素(a,b)は、2つの実数の組(a,b)で指定される、という、非常に当たり前な話です。
ここまで2次元の例を見てきました。次に「xyz座標空間」を思い出しましょう。x軸とy軸を用いて平面に座標を与えることができたので、さらにその平面からはみ出るように座標軸をもう1本取れば、それも使うことで空間内の点を指定することができます。この場合、3つの実数で点が指定されるので、これが「空間は3次元である」ことを意味しています。2次元に関してR^2を持ち出したのと同様に、3次元に関しては「実数3個の組全部を全て集めてできる集合」R^3を使って議論することもできます。つまり、「空間内の点とR^3の要素がちょうど1対1に対応している」ことが、「空間は3次元である」ことなのです。もちろん、R^3自身も3次元になります。R^3の要素(a,b,c)は、3つの実数の組(a,b,c)で指定される、という、あまりにも当たり前な話です。
ちなみに、少し横道に逸れますが、ここで「空間」という言葉の使い方には注意しておかなくてはいけません。「空間」というと、すぐ上に論じたようないわゆる3次元の空間を想像しがちだと思います。我々の住む物理世界のシンプルなモデル化、立体物の居場所としての「空間」です。もちろんそれは間違ってはいません。ただ、数学では、「空間」という言葉をもっと広い意味で使います。(だからこそ「高次元空間」「無限次元空間」等という言葉もあるのです。)そして、その観点からは、例えば上で議論した「平面」やR^2やR^3も、空間の一例となります。(細かい注意:「空間」という言葉そのものには数学的な定義がないので、本当は、「~は空間の例だ」というのはあまり意味のない文言です。一方、「空間」の下位概念である「位相空間」、「距離空間」、「実線型空間」、等々には数学的に厳密な定義があります。そして、「平面」やR^2やR^3は、適切な設定のもとで、位相空間や距離空間や実線型空間の例になっていると言えます。)R^2やR^3を空間として考えているので、R^2やR^3の要素のことも「点」と呼ぶことにしましょう。例えばR^2の各点は2つの実数の組だということです。
2次元、3次元とみてきましたが、4次元に進む前に、1次元についても考えてみましょう。直線は1次元の対象です。数直線上の点が実数に対応するのですから、当たり前なことです。実数を全て集めてできる集合をR^1と書くことにすると、R^1自身も1次元です。復習しますと、直線やR^1は1次元、平面やR^2は2次元、そして(普通の意味での、立体物の居場所としての)空間やR^3が3次元だということになります。ちなみに、0次元も考えることができ、「原点のみ」という設定(点が1個しかない設定)が0次元になります。点が1個しかない世界では、実数を全く使わないでも(つまり0個使って)点が指定できるということですね。
R^1が1次元、R^2が2次元、R^3が3次元ということで察しが付くことかと思いますが、R^4、つまり「実数4個の組を全部集めてできる集合」を考えれば、これが4次元になります。4次元空間です。R^4そのものでなくても、R^4の要素とちょうど1対1に対応づくような(実線型)空間はいずれも4次元空間だということです。5次元、6次元、7次元、それ以降も、全く同様に考えることができます。4次元以上は、3次元以下とは違って、視覚的なイメージがつきにくいので、とっつきにくく感じる方が多いのだと思います。しかし、実際のところ、数学的な取り扱いの上では、高次元を直接的に想像できなくても、特に不都合はないのです。もちろん、どちらかと言えば、想像できないよりはできたほうが良いでしょう。考える問題の具体性や複雑度によっては、そういう視覚的イメージがないとやりづらいぞ、という例も実際にはあるかもしれません。しかし、ここで強調したいのは、人間の視覚的な想像力や処理能力の限界を大きく超えた内容も、論理の力で取り扱えるのが、現代数学の凄いところなのだ、ということです。例えば、どんなに凄い数学者でも1000次元空間を視覚的に想像することは無理だと思いますが、ごく平凡な数学者でも1000次元の実線型空間を取り扱うこと自体は簡単にできます。
無限次元に向かって進みましょう。4次元空間の最も基本的な例であるR^4の各点は、
(a,b,c,d) (ただし、a,b,c,dは実数)
という形に書けます。実数を4個並べた形です。5次元空間R^5の各点は実数を5個並べた形、6次元空間R^6の各点は実数を6個並べた形です。同じように考えると、実数を無限個並べた形の要素を集めると、無限次元空間が出来上がる気がしないでしょうか。実際、このような安直な考えで、無限次元空間のある例を得ることができます。実数を無限個並べた形の要素、とはどういうことでしょうか。(「並べる」にも色々あるかもしれませんが、最も安直な発想としては)それは「数列」ということです。つまり例えば
1,1,2,3,5,8,13,21,34,…
や、
0,0,0,0,0,0,…
のように数を無限に並べるのです(実際に無限に書き並べることはできないので先の方を「...」で誤魔化しています)。こういった実数の数列を全部集めてできる集合を考えると、それが無限次元空間の一例になるということです。ちょっと混乱しやすいところでしょうか。この記事だけの記号ですが、この集合をSと呼ぶことにしましょう。そうすると、Sの1個1個の要素(点)が数列なのです。例えばSの点の一例として
1,1,2,3,5,8,13,21,34,…
が挙げられます。個々の項ではなく、この数列丸ごとで、Sの1個の点であることに注意しておきたいと思います。当たり前のことですが、この点を指定するためには、「第1項は1」「第2項は1」「第3項は2」「第4項は3」「第5項は5」「第6項は8」「第7項は13」「第8項は21」「第9項は34」...というふうに、各項の情報が全部必要になります。もちろん、第10項以降の情報だって必要です。数学愛好家の読者の中には「第10項は55」と予想する方もいらっしゃると思いますが(それはそれで意味のある考察ですが)、そんなことはどこにも書いていません。第10項は56かもしれないし、1000かもしれないし、マイナスルート3かもしれないし、円周率かもしれません。もちろん、第11項目から先も指定する必要があります。Sの要素を1個指定するために、無限個の実数を使う必要があるのです。ですので、Sは無限次元の空間になります。
このように、安直に「数列を全部集めてできる集合」を考えれば、それで無限次元空間の一例となるのです。いかがでしょうか。一見すると複雑には見えるかもしれませんが、数学者だって、超能力者のように高次元や無限次元の空間が目で見えているわけではない、ということが分かると思います。ちょっと拍子抜けするような話かもしれません。
無限次元空間にだって色々種類があります。ちょっと難しい話になりますが、数列というのはある種の関数のことですから、上の例を敷衍して「関数を集めてきて、関数からなる空間(関数空間)を作る」ということも考えられます。この考え方で、扱う関数の種類に応じて、様々な(無限次元の)関数空間が得られます。関数空間は、1つ1つの「点」が関数であるような空間です。ところで、現代数学では、「空間内の点」に関する考察のノウハウは、抽象的な形で色々蓄積されています。そこで、例えば「ある条件を満たす関数の存在」を証明したいときなどに、それを「空間内の、ある条件を満たす点の存在」と解釈して考察するアプローチが可能になったりするのです。こういった関数空間を考察するアプローチは、主に関数解析と呼ばれる分野に属し、現代数学で基本的な役割を果たしています。無限次元の空間たちも、現代数学では欠かせない仲間なのです。
===========
(補足)
「この集合は無限次元」というような言い回しを本文中で採用しましたが、ここにはちょっとした誤魔化しがあります。
ただの集合には(少なくとも、今回記事で紹介したような意味では)「次元」の概念を考えることはできず、適切に付加構造を考えてその観点から論じる必要があります。(今回の記事では付加構造として実線型空間やその上のtorsorを念頭においていました。)
「付加構造」についての理解の入り口となる解説としては、例えば本連載の第3回記事をご参照ください。
===========
(意欲ある読者へ向けた、答えのない演習問題)
現代数学を学ぶ上で4次元空間R^4を視覚的に想像できることは必須ではありませんが、とはいえ、そういうイメージが持てた方が心強いものです。そこで、どのようにR^4を想像できるか、考えてみてください。2つヒントがあります。まず1つ目ですが、そもそも3次元に生きる我々が4次元を想像するのは無理があります。3次元の立体を想像するのと全く同じように4次元を想像するのは、流石に無理でしょう。無理を承知で、なんとか乗り越えなくてはいけません。その方針を探るために、「平面内に住んでいる存在が、無理矢理に3次元を想像するためには、どうするか?」ということを考えてみるのも、1つの手かもしれません。2つ目ですが、物理学では「4次元時空」という考え方があるようです。我々が生きているこの世界は一見すると3次元ですが、実はもう1つ「時間」という軸があって、合わせて4次元という考え方です。同じ位置でも時刻が違えば区別されるわけです。こういう描像も、もしかするとヒントになるかもしれません。それから、「1つ目と2つ目のヒントを掛け合わせる」ような視点もあり得るでしょう。3次元を「2次元+時間1次元」と解釈してみるのです。
★春期講習のお知らせ★
2026年2月10日 更新
みなさんこんにちは。K会事務局です!
2月1日から春期講習の申込が始まりました!
現時点で締切となっている講座はございません。
定員は多いものでも最大20名までとしております。興味のある講座がある方はなるべくお早めにお申し込みください。
さて、今年はK会にとって創立30周年の節目の年です!!
受験勉強に重きを置かず、数学やサイエンスを「高度に、より深く」学ぶ「学問の」場として生まれたK会の講座は、
これまで3500名を超える知的好奇心旺盛な皆さんにご受講いただいてきました。
創立当時、中学生だった生徒のみなさんが、今では数学者として国内外の大学や、研究機関に在籍されています。
K3期生尾高悠志さん寄稿文
この春も将来の研究者や各分野のトップランナーを志す中高生のみなさんの知的好奇心を刺激する場として、
楽しく学びながらも、本格的な学問の世界へ誘う講座をたくさんご用意しました。
まずはどんな講座があるのか、HPをチェックしてみてください!
講座ラインナップはこちらから
個別の受講相談も随時承っております。興味はあるけれど、受講しても大丈夫か不安だなというときは、お気軽にお問合せください。
★お問合せ★
K会事務局:03-3813-4581
日・月を除く13:00~19:00の間でお電話を受け付けております。
★春期講習のお申し込みはこちら★
https://www.kawai-juku.ac.jp/apply/cgd/?area=3&grade=32
※4月からの学年と、地域「関東」をご選択してください。
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K3期生尾高悠志さん寄稿文
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★新中学1年生対象説明会・体験授業のお知らせ★
2026年2月1日 更新
みなさんこんにちは。K会事務局です!
4月からのご入塾に向けてK会では説明会・体験授業・個別相談などを実施しております。
今回は新中学1年生とその保護者様を対象とした、無料の入塾説明会および体験授業のご案内です。
★新中学1年生対象説明会・体験授業★
保護者様のみまたは生徒様名のみのご参加も歓迎いたします。体験授業は1科目から選択が可能です。
説明会終了後、会場は控え室としてご利用いただけます。生徒様の授業が終わるまでの待機場所として、また、お昼をはさむ場合は食事室としてご利用下さい。
<体験授業の内容>
◆数学:合同式(mod)という割り算の余りに注目した等式を用いて、算数では扱いきれなかった大きな数の世界を見ていきます。
◆情報科学:プログラミングの基本を学び、簡単なアニメーションに挑戦します。コードを各本格的なプログラミングがK会の特徴です。
予習は不要です。授業内でテストなどを課すこともありません。
数学が好き、プログラミングが好き、受験勉強とは違うアカデミックな学びに興味がある。
少しでもK会に興味をもって頂けましたら、ぜひ気軽にお越しください!
★お申込みはこちらから★
新中学1年生対象体験授業/入塾説明会お申込みフォーム
★お問合せ★
K会事務局:03-3813-4581
日・月を除く13:00~19:00の間でお電話を受け付けております。
4月からのご入塾に向けてK会では説明会・体験授業・個別相談などを実施しております。
今回は新中学1年生とその保護者様を対象とした、無料の入塾説明会および体験授業のご案内です。
★新中学1年生対象説明会・体験授業★
| 日程 | 対象 | 説明会 | 数学体験授業 | 情報科学体験授業 |
|---|---|---|---|---|
| 2月7日(土) | 保護者 | 10:00~11:30 | ||
| 2月7日(土) | 生徒 | 10:00~11:30 | 13:00~14:30 | |
| 2月8日(日) | 保護者 | 10:00~11:30 | ||
| 2月8日(日) | 生徒 | 10:00~11:30 | 13:00~14:30 | |
| 2月15日(日) | 保護者 | 13:00~14:30 | ||
| 2月15日(日) | 生徒 | 13:00~14:30 | 15:00~16:30 | |
| 2月22日(日) | 保護者 | 13:00~14:30 | ||
| 2月22日(日) | 生徒 | 13:00~14:30 | 15:00~16:30 | |
| 3月1日(日) | 保護者 | 10:00~11:30 | ||
| 3月1日(日) | 生徒 | 10:00~11:30 | 13:00~14:30 | |
| 3月15日(日) | 保護者 | 10:30~12:00 | ||
| 3月15日(日) | 生徒 | 10:30~12:00 | 13:30~15:00 |
説明会終了後、会場は控え室としてご利用いただけます。生徒様の授業が終わるまでの待機場所として、また、お昼をはさむ場合は食事室としてご利用下さい。
<体験授業の内容>
◆数学:合同式(mod)という割り算の余りに注目した等式を用いて、算数では扱いきれなかった大きな数の世界を見ていきます。
◆情報科学:プログラミングの基本を学び、簡単なアニメーションに挑戦します。コードを各本格的なプログラミングがK会の特徴です。
予習は不要です。授業内でテストなどを課すこともありません。
数学が好き、プログラミングが好き、受験勉強とは違うアカデミックな学びに興味がある。
少しでもK会に興味をもって頂けましたら、ぜひ気軽にお越しください!
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K会事務局:03-3813-4581
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━【「言語学をのぞいてみよう その43」(元K会英語科講師:野中大輔) 】━
2026年1月13日 更新
━【「言語学をのぞいてみよう その43」(元K会英語科講師:野中大輔) 】━
★このコラムでは、言語学を研究している筆者(元K会英語科講師)が、英語・言語学・外国語学習・比較文化などの話題をお伝えしていきます。★
「あけましておめでとうございます」から始める言語観察
2026年になりました。お正月になって「あけましておめでとうございます」と言った(あるいは、言われた)という方が多いのではないかと思います。私もその1人ですが、そういえば、「ございます」を「ございました」にして「あけましておめでとうございました」なんて言うとしたら、かなり違和感があるなと思いました。「おめでとうございます」に対して「おめでとうございました」は普通あまり使わないことについては、以前から少し気になっていたのですが、お正月を迎えて、ふとそのことを思い出しました。
せっかくなので、「おめでとうございました」が実際にどの程度使われているか、「コーパス」と呼ばれるデータベースで調べることにしました。コーパスとは、実際に使用された話し言葉や書き言葉のデータを集めて、コンピューター上で検索可能にしたもののことです。今回は、日本語研究でよく使用される『現代日本語書き言葉均衡コーパス』で検索してみます。これは、その名の通り、書き言葉(小説、新聞、ブログ記事など)に特化したコーパスであり、1億語規模の日本語表現が収録されています。
現代日本語書き言葉均衡コーパスで「おめでとうございます」と「おめでとうございました」を検索すると、見つかった用例数は以下の通りでした(ひらがな表記で検索)。
(1)「おめでとうございます」628件/「おめでとうございました」18件
「おめでとうございました」の用例数は「おめでとうございます」の30分の1ほどであり、私たちが普段接する機会が多いのは圧倒的に「おめでとうございます」のほうだと言えます。なお、(1)の検索結果に含まれますが、「あけましておめでとうございます」だと62件、「あけましておめでとうございました」だと0件です。
他の挨拶表現として「おはよう」はどうでしょうか。「おはようございます」と「おはようございました」で検索すると、次のようになりました。
(2)「おはようございます」815件/「おはようございました」1件
「おめでとうございました」よりも極端な結果で、「おはようございました」の用例はわずか1件でした。では、こういった挨拶系の表現で、「ございました」がごく普通に用いられるものはないのでしょうか。ここで思いついたのが「ありがとうございました」です。これは「ございます/ございました」どちらも自然な表現ですね。先ほどと同じく、「ありがとうございます」と「ありがとうございました」で検索すると、次のような結果が出ました。
(3)「ありがとうございます」1,741件/「ありがとうございました」2,165件
「ありがとうございます」と「ありがとうございました」では、どちらも用例数が多く、そのうえで、おもしろいことに、「ございました」のほうが使用頻度が高いわけですね。今回は書き言葉のコーパスを使いましたが、話し言葉ではどうかなど、さらに興味が湧いてきました。
「ございます」が言えるなら「ございました」が言えてもよいはずなのに、「おめでとうございました」や「おはようございました」は普通言わない。では、挨拶系の表現なら「ございました」が一律で不自然になるかといえば、「ありがとうございました」はむしろよく使われる。このように、言語には、言えそうで言えない表現があったり、ある面では似ているように見えて別の面では異なる特徴を持った表現があったりするものです。もっと整然とした体系であってほしいと思う人も、こういった凸凹な側面があることを面白いと思う人もいて、私はたまたま後者で、だからこそ言語の観察を楽しんでいるのだろう――そんなことを考えるお正月でした。
[補足]
現代日本語書き言葉均衡コーパスにアクセスするやり方はいくつかありますが、今回は検索アプリケーションの1つである「中納言」を用いて、「文字列検索」と呼ばれる検索を行いました。「中納言」は利用登録が必要ですが、登録不要でだれでも利用できる簡易版の「少納言」もありますので、興味があればアクセスしてみてください。
https://shonagon.ninjal.ac.jp/
★このコラムでは、言語学を研究している筆者(元K会英語科講師)が、英語・言語学・外国語学習・比較文化などの話題をお伝えしていきます。★
「あけましておめでとうございます」から始める言語観察
2026年になりました。お正月になって「あけましておめでとうございます」と言った(あるいは、言われた)という方が多いのではないかと思います。私もその1人ですが、そういえば、「ございます」を「ございました」にして「あけましておめでとうございました」なんて言うとしたら、かなり違和感があるなと思いました。「おめでとうございます」に対して「おめでとうございました」は普通あまり使わないことについては、以前から少し気になっていたのですが、お正月を迎えて、ふとそのことを思い出しました。
せっかくなので、「おめでとうございました」が実際にどの程度使われているか、「コーパス」と呼ばれるデータベースで調べることにしました。コーパスとは、実際に使用された話し言葉や書き言葉のデータを集めて、コンピューター上で検索可能にしたもののことです。今回は、日本語研究でよく使用される『現代日本語書き言葉均衡コーパス』で検索してみます。これは、その名の通り、書き言葉(小説、新聞、ブログ記事など)に特化したコーパスであり、1億語規模の日本語表現が収録されています。
現代日本語書き言葉均衡コーパスで「おめでとうございます」と「おめでとうございました」を検索すると、見つかった用例数は以下の通りでした(ひらがな表記で検索)。
(1)「おめでとうございます」628件/「おめでとうございました」18件
「おめでとうございました」の用例数は「おめでとうございます」の30分の1ほどであり、私たちが普段接する機会が多いのは圧倒的に「おめでとうございます」のほうだと言えます。なお、(1)の検索結果に含まれますが、「あけましておめでとうございます」だと62件、「あけましておめでとうございました」だと0件です。
他の挨拶表現として「おはよう」はどうでしょうか。「おはようございます」と「おはようございました」で検索すると、次のようになりました。
(2)「おはようございます」815件/「おはようございました」1件
「おめでとうございました」よりも極端な結果で、「おはようございました」の用例はわずか1件でした。では、こういった挨拶系の表現で、「ございました」がごく普通に用いられるものはないのでしょうか。ここで思いついたのが「ありがとうございました」です。これは「ございます/ございました」どちらも自然な表現ですね。先ほどと同じく、「ありがとうございます」と「ありがとうございました」で検索すると、次のような結果が出ました。
(3)「ありがとうございます」1,741件/「ありがとうございました」2,165件
「ありがとうございます」と「ありがとうございました」では、どちらも用例数が多く、そのうえで、おもしろいことに、「ございました」のほうが使用頻度が高いわけですね。今回は書き言葉のコーパスを使いましたが、話し言葉ではどうかなど、さらに興味が湧いてきました。
「ございます」が言えるなら「ございました」が言えてもよいはずなのに、「おめでとうございました」や「おはようございました」は普通言わない。では、挨拶系の表現なら「ございました」が一律で不自然になるかといえば、「ありがとうございました」はむしろよく使われる。このように、言語には、言えそうで言えない表現があったり、ある面では似ているように見えて別の面では異なる特徴を持った表現があったりするものです。もっと整然とした体系であってほしいと思う人も、こういった凸凹な側面があることを面白いと思う人もいて、私はたまたま後者で、だからこそ言語の観察を楽しんでいるのだろう――そんなことを考えるお正月でした。
[補足]
現代日本語書き言葉均衡コーパスにアクセスするやり方はいくつかありますが、今回は検索アプリケーションの1つである「中納言」を用いて、「文字列検索」と呼ばれる検索を行いました。「中納言」は利用登録が必要ですが、登録不要でだれでも利用できる簡易版の「少納言」もありますので、興味があればアクセスしてみてください。
https://shonagon.ninjal.ac.jp/
━【「音楽から見る数学15」(元K会生・元K会数学科講師:布施音人) 】━
2025年12月15日 更新
━【「音楽から見る数学15」(元K会生・元K会数学科講師:布施音人) 】━
★このコラムでは、数学と音楽の両方に魅せられてきた筆者が、数学と音楽の共通点を考える中で見えてくる数学の魅力について、筆者なりの言葉でお伝えしていきます★
― ジャズのアドリブのしくみとコード進行 ―
こんにちは。元K会数学科講師の布施音人です。
突然ですが、みなさんはいわゆる「ジャズ」を聴いたことがありますか?また、ジャズに対してどんな印象を持っているでしょうか。
ジャズがどんな音楽なのか、その範囲を細かく定義することは難しいのですが、ジャズの大きな特徴として、曲の中に「アドリブソロ」という場が存在していることが挙げられます。今回はそのアドリブソロのしくみについてお話しようと思います。
歌の曲で、1番、2番、3番...というように歌詞がついているものを思い浮かべてみて下さい。小学校で歌った唱歌でもよいし、J-POPのヒット曲、アニメソング、なんでもよいです。すると、多くの場合、2番と3番の間や最後のサビの前に伴奏だけの部分が少し多めにあるのではないでしょうか?すごく雑に言うと、ジャズのアドリブソロはこの伴奏だけの部分を発展させたものです。
ジャズミュージシャンたちの共通のレパートリーである「スタンダード」と呼ばれる一連の曲があります。その多くは、20世紀前半のアメリカの映画やミュージカルの楽曲です。それらの楽曲は、多くがひと回し32小節で、歌詞が2番や3番までついています。そして、たとえば歌詞が3番まであるとすると、1番、2番と2周歌ったあと、一旦楽器だけで1周分演奏し、最後にまた歌が入って3番を歌う、という構成でよく演奏されていました。ジャズミュージシャンたちは、この楽器だけの部分を1周で終わらせずに何周も何周も繰り返し、そこでアドリブを繰り広げていったのです。
ジャズミュージシャンたちがスタンダードを演奏するときの一曲の構成は大まかに次のようになります。まず、曲に入る前の序奏として、4小節か8小節程度、曲の終わりの部分やお決まりのイントロを演奏します(ない場合もあります)。その後、「前(まえ)テーマ」と呼ばれる部分が始まります。ここでは、たいてい1周か2周、その曲のメロディを演奏します。そのあとが「ソロ」です。元になった曲を変奏する形で、それぞれの奏者が順番にアドリブソロを演奏します。たとえば、サックス、ピアノ、ベース、ドラムスの4人で演奏しているのであれば、始めにサックスがソロを吹き、もういいかなと思ったらピアノに受け渡し、ピアノソロも終わったら次にベースソロ、という順に進むことが多いです。この間もずっと、1周32小節の曲であればその32小節をグルグルと繰り返しているという形です。ドラムのソロにあたる部分は、ドラム以外とドラムとの掛け合いによる「バース」(bars、小節(bar)の複数形)と呼ばれるやり方をすることが多いですが、この間も1周32小節の形式は守られます。そして最後にようやくメロディを1周演奏して(「後(あと)テーマ」と呼ばれます)、短いエンディングを付けて一曲が終わります。
このように、ジャズのアドリブソロとは、あくまで元の曲の変奏を何周も何周もやっているものだと言えます。この変奏を行うときに指針となるのが、コード進行です。
学校の音楽の授業で、CM7(Cメジャーセブンス)やFm7(Fマイナーセブンス)などについて教わったでしょうか?コード(=和音)とは、異なる高さの音が同時になってできる音のことです。もちろんそのようなものは膨大な数考えられますが、各音の音名と一番低い音(ルート)とに着目して分類し名前を付けたものが、先述したCM7のような「コードネーム」です。メロディとコードネームだけが書かれた譜面を「リードシート」と呼びますが、ジャズミュージシャンたちはこのリードシートだけを見て、自分が演奏するべき役割(低音を支えるのか、メロディを吹くのか、中音域で和音を弾くのか、など)を考え、演奏していきます。
ところで、コード進行は思った以上に曖昧で、また自由な概念です。まず、同じ曲でも複数のコード進行が存在する場合があります。オーケストラの曲として書かれた原曲の段階で、アレンジャーの遊び心からバリエーションが生まれている場合もありますし、後世のミュージシャンがメロディに合う他のコード進行を持ってきて演奏し(リハーモナイゼーションと呼びます)、それが広まったものもあります。また、異なる曲どうしで共通するコード進行を見つけ、メロディやアレンジのアイデアを引用するということもよく行われます。これは、コードネームが記号であることの利点でしょう。
コードネームは、音楽の様々な要素(音色、音量、旋律の動きなど)を捨象して抽出された記号ですが、むしろそれを介して様々な音楽が生まれ花開いているとも言えます。そこにはパズル的な面白さや、一見異なるものに共通点を見出すという数学的思考がふんだんに隠れています。私の身の回りを見ても、数学とジャズの両方に魅力を感じる人は多いようです。みなさんも是非ジャズの世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。最後に、今回は紙面の都合もありコード進行という音の高さに関する話に終始しましたが、ジャズにはそれ以上に大切なリズムの要素もあることだけは書き添えておきます。
★このコラムでは、数学と音楽の両方に魅せられてきた筆者が、数学と音楽の共通点を考える中で見えてくる数学の魅力について、筆者なりの言葉でお伝えしていきます★
― ジャズのアドリブのしくみとコード進行 ―
こんにちは。元K会数学科講師の布施音人です。
突然ですが、みなさんはいわゆる「ジャズ」を聴いたことがありますか?また、ジャズに対してどんな印象を持っているでしょうか。
ジャズがどんな音楽なのか、その範囲を細かく定義することは難しいのですが、ジャズの大きな特徴として、曲の中に「アドリブソロ」という場が存在していることが挙げられます。今回はそのアドリブソロのしくみについてお話しようと思います。
歌の曲で、1番、2番、3番...というように歌詞がついているものを思い浮かべてみて下さい。小学校で歌った唱歌でもよいし、J-POPのヒット曲、アニメソング、なんでもよいです。すると、多くの場合、2番と3番の間や最後のサビの前に伴奏だけの部分が少し多めにあるのではないでしょうか?すごく雑に言うと、ジャズのアドリブソロはこの伴奏だけの部分を発展させたものです。
ジャズミュージシャンたちの共通のレパートリーである「スタンダード」と呼ばれる一連の曲があります。その多くは、20世紀前半のアメリカの映画やミュージカルの楽曲です。それらの楽曲は、多くがひと回し32小節で、歌詞が2番や3番までついています。そして、たとえば歌詞が3番まであるとすると、1番、2番と2周歌ったあと、一旦楽器だけで1周分演奏し、最後にまた歌が入って3番を歌う、という構成でよく演奏されていました。ジャズミュージシャンたちは、この楽器だけの部分を1周で終わらせずに何周も何周も繰り返し、そこでアドリブを繰り広げていったのです。
ジャズミュージシャンたちがスタンダードを演奏するときの一曲の構成は大まかに次のようになります。まず、曲に入る前の序奏として、4小節か8小節程度、曲の終わりの部分やお決まりのイントロを演奏します(ない場合もあります)。その後、「前(まえ)テーマ」と呼ばれる部分が始まります。ここでは、たいてい1周か2周、その曲のメロディを演奏します。そのあとが「ソロ」です。元になった曲を変奏する形で、それぞれの奏者が順番にアドリブソロを演奏します。たとえば、サックス、ピアノ、ベース、ドラムスの4人で演奏しているのであれば、始めにサックスがソロを吹き、もういいかなと思ったらピアノに受け渡し、ピアノソロも終わったら次にベースソロ、という順に進むことが多いです。この間もずっと、1周32小節の曲であればその32小節をグルグルと繰り返しているという形です。ドラムのソロにあたる部分は、ドラム以外とドラムとの掛け合いによる「バース」(bars、小節(bar)の複数形)と呼ばれるやり方をすることが多いですが、この間も1周32小節の形式は守られます。そして最後にようやくメロディを1周演奏して(「後(あと)テーマ」と呼ばれます)、短いエンディングを付けて一曲が終わります。
このように、ジャズのアドリブソロとは、あくまで元の曲の変奏を何周も何周もやっているものだと言えます。この変奏を行うときに指針となるのが、コード進行です。
学校の音楽の授業で、CM7(Cメジャーセブンス)やFm7(Fマイナーセブンス)などについて教わったでしょうか?コード(=和音)とは、異なる高さの音が同時になってできる音のことです。もちろんそのようなものは膨大な数考えられますが、各音の音名と一番低い音(ルート)とに着目して分類し名前を付けたものが、先述したCM7のような「コードネーム」です。メロディとコードネームだけが書かれた譜面を「リードシート」と呼びますが、ジャズミュージシャンたちはこのリードシートだけを見て、自分が演奏するべき役割(低音を支えるのか、メロディを吹くのか、中音域で和音を弾くのか、など)を考え、演奏していきます。
ところで、コード進行は思った以上に曖昧で、また自由な概念です。まず、同じ曲でも複数のコード進行が存在する場合があります。オーケストラの曲として書かれた原曲の段階で、アレンジャーの遊び心からバリエーションが生まれている場合もありますし、後世のミュージシャンがメロディに合う他のコード進行を持ってきて演奏し(リハーモナイゼーションと呼びます)、それが広まったものもあります。また、異なる曲どうしで共通するコード進行を見つけ、メロディやアレンジのアイデアを引用するということもよく行われます。これは、コードネームが記号であることの利点でしょう。
コードネームは、音楽の様々な要素(音色、音量、旋律の動きなど)を捨象して抽出された記号ですが、むしろそれを介して様々な音楽が生まれ花開いているとも言えます。そこにはパズル的な面白さや、一見異なるものに共通点を見出すという数学的思考がふんだんに隠れています。私の身の回りを見ても、数学とジャズの両方に魅力を感じる人は多いようです。みなさんも是非ジャズの世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。最後に、今回は紙面の都合もありコード進行という音の高さに関する話に終始しましたが、ジャズにはそれ以上に大切なリズムの要素もあることだけは書き添えておきます。
★冬期講習講座紹介
2025年11月30日 更新
みなさんこんにちは。K会事務局です!
講習開講まで3週間を切りました!
現時点で締切となっている講座はございませんが、少人数授業のため最も多くても定員は20名ほどです。
情報科学はさらに少ない10名程度となっておりますので、ご興味のある方はお早めにお申込みください。
講座詳細についてはこちらからご覧ください。
それでは、冬期講習の講座紹介をしていきたいと思います♪
№1【英語】科学的であるとはどういうことか?~科学哲学入門~
12月25日(木)~12月28日(日)17:30~20:40
【内容】第1講:科学と疑似科学、第2講:科学革命、第3講:科学的実在論と反実在論、第4講:科学と宗教
受講目安:主な対象学年は中3生~高3生としますが、この分野に興味がある中高生の方であればどなたでも歓迎いたします。
K会の英語講座は「英語でさまざまなことを学ぶ」ことが特徴です。
扱う英文は単語や文法を覚えるための文章ではなく、読み物として面白いこと、そしてみなさんに新たな発見を与えてくれることを重視しています。
たとえば第4講で扱う科学と宗教の話では、進化論を扱います。
みなさんは、社会で最古の人間サヘラントロプス(年代によってはアウストラロピテクス)を習いましたか?
恐らく多くの方は特別に疑問を持たず、私たち人間が猿人、原人、旧人、新人(ホモ・サピエンス)と進化してきたことを受け入れたはずです。
一方で、2019年にアメリカで行われた調査では「人間は神様が作ったもの」と考えている人が4割に上ることが分かりました。
人間は「進化」して今の姿になったのではなく、「神様が作った(最初から人間は人間の姿をしている)」と考えているということです。少し意外に感じませんか?
こうした内容がかかれた英文は中高生のみなさんにとって少し難しいかもしれません。しかし、骨のある文章を辞書なども使いながら4日間じっくり読みこんでいくうちに自然と読解力はついていきます。
科学哲学は耳慣れないものかもしれませんが、それほど敷居の高いものではありません。
たとえば人間を、進化したのではなく「神が人を作った」と考えるのは科学的でしょうか。科学的でないとするならばその根拠は何でしょうか。
科学的でない理由を「証明(再現)ができないからだ」と考えた場合、それは全ての科学的ではないものに当てはまるでしょうか。
言い換えれば、科学的なものは全て「証明」できるものなのでしょうか。少し考えてみてください。
科学哲学とは、このように科学について考える学問です。科学を科学たらしめているものは何か。この講座で考えてみませんか?
英語の読解力をつけたい方から、哲学を楽しみたい方まで幅広い方のご受講をお待ちしております!
お申し込みはこちらから
お問合せ
K会事務局 ☎03-3813-4581(【受付時間】火~土曜日 13:00-19:00)
講習開講まで3週間を切りました!
現時点で締切となっている講座はございませんが、少人数授業のため最も多くても定員は20名ほどです。
情報科学はさらに少ない10名程度となっておりますので、ご興味のある方はお早めにお申込みください。
講座詳細についてはこちらからご覧ください。
それでは、冬期講習の講座紹介をしていきたいと思います♪
№1【英語】科学的であるとはどういうことか?~科学哲学入門~
12月25日(木)~12月28日(日)17:30~20:40
【内容】第1講:科学と疑似科学、第2講:科学革命、第3講:科学的実在論と反実在論、第4講:科学と宗教
受講目安:主な対象学年は中3生~高3生としますが、この分野に興味がある中高生の方であればどなたでも歓迎いたします。
K会の英語講座は「英語でさまざまなことを学ぶ」ことが特徴です。
扱う英文は単語や文法を覚えるための文章ではなく、読み物として面白いこと、そしてみなさんに新たな発見を与えてくれることを重視しています。
たとえば第4講で扱う科学と宗教の話では、進化論を扱います。
みなさんは、社会で最古の人間サヘラントロプス(年代によってはアウストラロピテクス)を習いましたか?
恐らく多くの方は特別に疑問を持たず、私たち人間が猿人、原人、旧人、新人(ホモ・サピエンス)と進化してきたことを受け入れたはずです。
一方で、2019年にアメリカで行われた調査では「人間は神様が作ったもの」と考えている人が4割に上ることが分かりました。
人間は「進化」して今の姿になったのではなく、「神様が作った(最初から人間は人間の姿をしている)」と考えているということです。少し意外に感じませんか?
こうした内容がかかれた英文は中高生のみなさんにとって少し難しいかもしれません。しかし、骨のある文章を辞書なども使いながら4日間じっくり読みこんでいくうちに自然と読解力はついていきます。
科学哲学は耳慣れないものかもしれませんが、それほど敷居の高いものではありません。
たとえば人間を、進化したのではなく「神が人を作った」と考えるのは科学的でしょうか。科学的でないとするならばその根拠は何でしょうか。
科学的でない理由を「証明(再現)ができないからだ」と考えた場合、それは全ての科学的ではないものに当てはまるでしょうか。
言い換えれば、科学的なものは全て「証明」できるものなのでしょうか。少し考えてみてください。
科学哲学とは、このように科学について考える学問です。科学を科学たらしめているものは何か。この講座で考えてみませんか?
英語の読解力をつけたい方から、哲学を楽しみたい方まで幅広い方のご受講をお待ちしております!
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K会事務局 ☎03-3813-4581(【受付時間】火~土曜日 13:00-19:00)
★冬期セミナーのご案内★
2025年11月15日 更新
中高生とその保護者の方を対象とした冬期セミナーのお知らせです!
『広がる言語解読の世界―言語学オリンピックに挑戦―』
11月30日(日)10:00~12:00
講演者:小林 剛士
講演案内はこちらから
みなさんは言語を解読したことがありますか?
世界では6000~8000の言語が話されていると言われています。みなさんの知らない未知の言語がたくさんあるのです。
たとえばワルピリ語をご存じでしょうか。オーストラリアの先住民族の言語の一つで、約2000~3000人の人々がこの言語を使用しています。
言語を解読すると聞くと難しく感じるかもしれませんが、決して中高生のみなさんにできないことはありません!
試しにワルピリ語を解読してみましょう!
以下にワルピリ語の文とその日本語訳があります。
●Kurdu ka wangkami.(子どもが話す。)
●Kurdungku ka marlu yampimi.(子どもがカンガルーを放っておく。)
●Kirda kula wangkaja.(父が話さなかった。)
●Karnta kulaka parnkami.(女が走らない。)
●Kirdangku kurdu yampija.(父が子どもを放っておいた。)
1.「子ども」を意味する語を答えてください。
2.以下を日本語に訳してください。
Marlu parnkaja.
3. 以下をワルピリ語に訳してください。
カンガルーが子どもを放っておかない。
出典:パズルで解く世界の言語
解答はこちらから
いかがでしたか?
日本言語学オリンピックは中高生の方だけでなく、保護者の方もオープン参加ができる珍しい大会です!
少しでも言語解読の世界に興味をもってくださった方は、お友達同士、親子でぜひ気軽に本セミナーにお越しください。
イベント詳細・お申し込みはこちらから
お問合せ
K会事務局 ☎03-3813-4581
受付時間 火~土曜日(13:00-19:00)
※お申し込みはWebから
『広がる言語解読の世界―言語学オリンピックに挑戦―』
11月30日(日)10:00~12:00
講演者:小林 剛士
講演案内はこちらから
みなさんは言語を解読したことがありますか?
世界では6000~8000の言語が話されていると言われています。みなさんの知らない未知の言語がたくさんあるのです。
たとえばワルピリ語をご存じでしょうか。オーストラリアの先住民族の言語の一つで、約2000~3000人の人々がこの言語を使用しています。
言語を解読すると聞くと難しく感じるかもしれませんが、決して中高生のみなさんにできないことはありません!
試しにワルピリ語を解読してみましょう!
以下にワルピリ語の文とその日本語訳があります。
●Kurdu ka wangkami.(子どもが話す。)
●Kurdungku ka marlu yampimi.(子どもがカンガルーを放っておく。)
●Kirda kula wangkaja.(父が話さなかった。)
●Karnta kulaka parnkami.(女が走らない。)
●Kirdangku kurdu yampija.(父が子どもを放っておいた。)
1.「子ども」を意味する語を答えてください。
2.以下を日本語に訳してください。
Marlu parnkaja.
3. 以下をワルピリ語に訳してください。
カンガルーが子どもを放っておかない。
出典:パズルで解く世界の言語
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いかがでしたか?
日本言語学オリンピックは中高生の方だけでなく、保護者の方もオープン参加ができる珍しい大会です!
少しでも言語解読の世界に興味をもってくださった方は、お友達同士、親子でぜひ気軽に本セミナーにお越しください。
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お問合せ
K会事務局 ☎03-3813-4581
受付時間 火~土曜日(13:00-19:00)
※お申し込みはWebから



