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10はある出願決定要素。けれども決めるのは自分です

出願を左右する要素は配点や問題難度など多数存在します。ベテラン医進チューターは3秒で超利他愛的にアドバイスはできますが・・・

何が正しいのか

医学部(医学科)は国公立大が全国で50大学、私立大が32大学ありますが、出願に際しての決め手となる「出願を決定する過程」には多くの「要素」があって、受験生にとって複雑な情報を整理することは学習以上に難しいことです。
一般の方に細かな内容は説明しづらいのですが、一度試しにどのような「要素」を出願大学決定までに検討するべきかを、あえて見てみることにしましょう。

出願決定を左右する「要素」あれこれ

①大学独自試験の「配点」
各大学の入試科目配点はまちまちです。受験生にとって自分の得意科目の配点が必ずしも高い大学ばかりではないという事情がありますから、慎重に検討する必要があります。

②大学別の「問題難度」
試験時間とのバランスにもよりますが、医学科の場合は特に単科医大では問題難度が高い場合が多いようです。総合大学の場合でも医学科だけ他の学部とは別の問題を使ったり、問題の一部のみ差し替えていたりしますので、すべての総合大が単科医大よりも問題難度が低いとはいえないことにも注意が必要です。

③大学別の「受験者学力レベル」
同じ医学科といえども大学によって「受験者学力レベル」はまちまちです。例えば近畿地区の医学科では、大阪大の医学科の不合格者のレベルは、和歌山県立医科大学の合格者よりも学力が上であることが分かっています。ですから、第一志望をどう決定するかは、そういうことに敏感になって決定することが非常に重要になってきます。

④「センター試験(共通テスト)の得点」
国公立大の場合、2020年度入試で終了する「大学入試センター試験」、もしくは2021年度入試からスタートする「大学入学共通テスト」のいずれかの受験が必須です。それらのボーダーライン設定も大学ごとに違いますから、受験生が「何点とれたか」によって出願先の候補大学が変わります。センター試験の平均点が何点になるかで、世間の志望の方向性が「強気志向」になったり「安全志向」になったりしますので、それに対応することが必要です。

⑤「入試変更点」の影響を加味する
例えば2019年入試で二次試験の配点を高くすると同時に第一段階選抜を導入した新潟大の場合、今年の模試志望者はその変更に反応して減少しています。一方、滋賀医科大の模試志望は、2020年入試から定員を減少させ、第一段階選抜ラインを引き上げたことにより減少しています。こういった過去2年間の入試変更点を加味した志望動向検討も必要です。

⑥「受験生の流動性」を読む
現在の模試志望動向にまだ現れていなくとも、国公立大はセンター試験で得点がうまくとれなかった場合など、受験生は第二志望の大学への出願に急に傾きます。センター試験(共通テスト)の平均点の変化から、出願までにその年の流れを予想することも必要です。

⑦「何年目の受験生か」を考える
具体的には現役生か浪人生か、それも一浪生か二浪生か三浪生か、もしくは再受験生かは受験に対する根本的な考え方に影響します。基本的に現役生は「強気志向」であり、浪人生・・・特に多浪生は「安全志向」だといえます。チャレンジするべきなのか、無難に出願するべきなのかは、客観的な成績だけではなく、その人の心理状態に大きな影響を受けます。

⑧「私立大の併願受験可否」
私立大の受験〜入学を視野に入れているかいないかで、出願に対する考え方と行動は複雑に変化します。国公立大がダメでも私立大に進学すると決めている受験生は、比較的「強気志向」ですし、国公立大しか受験できない受験生なら「安全志向」にならざるをえないでしょう。

⑨大学の「ブランド力」へのこだわり
失礼な言い方ですが、大学には一定の「ブランド力」のようなものがあり、それに見合う出願へのこだわりや、お家とご本人のこだわりの関係など、目に見えない要素があります。一定程度これを検討する必要のある方はおられます。

⑩「面接試験のタイプ」や「志望理由書の有無」
特に面接形態の中でグループ討論を課すことが前提の大学では、それへの対処がどうしても苦手な人を出願に持っていきにくい状況がありますから、ある程度は検討してあげなくてはなりません。また、一部には出願時もしくは出願後に「志望理由書」提出が必要な大学があり、注意が必要です。

さて、出願大学を決定するための「要素」は、以上のように思いつくままに書き出しても、かなりの数の基準があります。判断には、模試志望動向と照らし合わせて分析することや、長年の経験から受験者の流動性を先読みする指導が必要です。
統計的に調査することももちろん可能ですが、多くの受験生を抱えている医学科クラスの担任は、日常の生徒の指導のやりとりの中から彼らの考えている志向を体感的に把握しており、状況に応じて瞬時に出願指導を切り替えているのです。これは、医進指導に長けた予備校だけができることといってもいいでしょう。

人を見て「法」を説け

この言葉は「その人に応じて説き方を変えなさい」ということだと言われていますが、私はそういう意味では使っていません。むしろ、「その人の本当に必要としていることを説いてあげなさい」という言葉として解釈し、指導を実践することにしています。
ということは、受験生が私に何かを尋ねている時、本当に訊きたいことはその言葉とは別の、もっと深い場合がありますから、そこまで考えた上で、一つ上の回答をしてあげることが本当にその人のためになることだと思うのです。

「福井大か富山大か、どちらかの受験を考えていますが、山口さんはどう思いますか?」
「そうだね・・・、富山大を考えてみてはどうだろう。過去問をやってみて経過を知らせてください。詳細はそこで考えましょう。」

こういうのはよくある会話です。しかし、上記の会話部分の「・・・」と「点3つで表現している部分」には、大きな省略があります。私がこの「・・・」の間に何を考えたかが問題です。

具体的にはこうです。

福井大も富山大もセンター試験の満点は900点満点で傾斜配点なし。得意科目の有利不利を増幅する要素は何もない。しかし、福井大は英語・数学・化学が医学科専用の問題を使用しており、工学部とは違う問題だから難度が比較的高めだ。地方大ながら、ここしばらく志望者のレベルが思ったほど下がらないので少しだけ注意が必要だろう。面接試験は個人面接でこの生徒の場合は特に問題はない。
富山大は理科の配点が高めでしかも他学部と共通の問題で解きやすい。この生徒は理科が得意だから、少し有利かも知れない。それに、志望者数もやや減少してきており、今後もなかなか増加するようには思えない。
面接は得点化されており、グループ討論とグループ面接を実施するが、この生徒の場合は社交性もあり、グループ討論もおそらくきちんとできるだろう。また、出願者は4つのテーマについて記載するシートを提出する義務があるが、添削しだいで十分にいいものをこの生徒は書けるに違いない。
あとは問題の相性が体感的にいいかどうかに関わってくることになるから、何回か過去問を解いてみて、体感的に可能という自信がつけば、出願対象の大学になるに違いない。

「・・・」というわずか点3つの3秒。しかし、その間に経験から必要な要素を割り出し、今目の前にいるこの生徒のためには何が必要かを考えてあげなくてはなりません。その上で、複雑な分析部分は私自身が引き受け、単純に「この生徒がするべきこと」を渡してあげることが大切です。
わずか3秒ほどの間に、これくらいのことを計算できてこそ、本当の医進指導者といえるはずです。予備校でベテランの担当者が受験生と向き合う時、これくらいの真剣さで皆さんと接しているのです。目の前の人のために、どうすることがもっとも理にかなっているか、何を足し、何を引き、どう折り合いをつけていくか・・・。ダメなものはダメ、できることはできるという説諭も含め、これが人を見て「法」を説くということだと私は思います。

決めるのは自分

そして、最終は自分が選択する勇気を持つことですべてを決断する必要があるでしょう。あくまで、最後の選択し「決めるのは自分」です。何にこだわり、何を自分でもっとも重点とするかは自分の選択でなければ、最後までがんばる気持ちにはなれません。自分の人生は常に自分が主役なのです。

 我々指導者にできることは、あくまでアドバイスだけです。しかし、そこには人間味あふれる「計算」があるのです。どんなにAIが発達しても、決して人を見て「法」は説けません。そこにあるのは、究極的に「利他愛」というマインドだからです。機械が「利他AI」になる時代が来れば、話は別ですけどね。

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