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「本気のオレ」は出動しなかった

受験の世界では「痛い人」が相当います。等身大の自分を認め、そこから前進する決意と勇気を持とう。

「痛い人」あれこれ

表現方法として最近あまり見かけなくなりましたが、「痛い人」という言い方はまだ通用するでしょうか。周りから発想・行動・言動が浮いている人のことを指した言い方ですね。
実は受験の世界ではこの「痛い人」が相当おり、恰好の話の種になることが珍しくありません。申し訳ないけれども、「痛い人」というとなにやら人をやや揶揄した物言いかもしれません。しかし、その行動が度を超えて「何やってんだか」と人に言わせることがその理由ですから、仕方ないのかもしれません。
つまり、「痛い」ということは受験生として相応しくないということです。それは考え方のこともありますし、行動や言動のことなど様々です。受験生としての常識を守れればそうならないのでしょうが、本人が敢えて忠告を無視して独善的になることが「痛い」原因に違いありませんから、皮肉られるのはしかたありませんね。当然、全員自分がそうだということは気づいていません。では、果たしてどんな行動が「痛い」のでしょうか。

無条件に他人と自分を同一視する痛さ

受験生はどんなに親しい友人でも、レベルが必ずしも一緒とは限りません。しかし、レベルの高い友人がいると、どうしても同じことがしたくなるもので、ここが失敗の元です。本来の自分よりレベルの高い問題集、自分よりレベルの高い授業など、つい見栄を張って自分の本来のレベルを越えた素材を学習に使うことが躓きのもとになります。
少し学力的に厳しいある生徒がいました。彼は学力の高い友人との会話に積極的に加わり、本来は出来ない問題をさも惜しかった・・・あと少しだったというように話すなど、自分で自分に無意識に芝居をうつようなことも見受けられたのです。担任として「そうではないはず」と水を向けても、いつも「いえ、大丈夫です」と答えるのが常で、ほとんど自己暗示の世界に入っているように見えました。
模試やテストを受験すれば、結果は数字に明確に出ますからごまかせません。そのことを指摘すればいつも彼の答えは決まっていて、「後から聞いたら理解できたんです。だから惜しかったんです」というものでした。
最後の方には友人も自分のことで精一杯ですから、中身のない話にはつきあっていられなくなり、彼は取り残されていきました。もちろん結果はご想像どおりです。友人は大学に行き、本人は残りました・・・。大学入試とはそういうものです。あまりに痛すぎますね。

「本当のオレ」の躓きと気づき

私は受験生の「出来なさ」を表現するのに「弱点」と「苦手」を分けて考えています。「弱点」は、まだ学習が進んでいないから出来ていないこと。ある意味、計算ずくでできない状態ともいえます。一方の「苦手」は、ある程度学習しているつもりなのにできていない状態。つまり「それが嫌い」だから前向きに吸収できないことが背景にあります。
理系の生徒で「地歴ができない」のは、現役生なら「弱点」であることが多いのですが、何年も浪人している人でも「地理ができない」などということは珍しくないのです。そういう人は、それが弱点だとは思えません。むしろそれが嫌いだから、つまり「苦手」である側面が大きいでしょう。
「弱点」補強の学習をスタートすると、思ったよりも時間がかかることがありますから、なかなかスケジュールどおりにいきません。ましてや「苦手」となってきますと、やってもやってもなかなか入ってこないことを経験します。ところが、学習を本気ではじめさえすれば大したことはないと高をくくっている受験生は意外といます。
中には、どこからその自信が湧き出てくるのか知りたいような、大胆なものいいの人がいます。「本当のオレ(ワタシ)」が本気を出したら、こんなものじゃないぜ・・・とでも言いたげなのです。「その科目はまだ手をつけていないからね」「この分野はまだ完璧じゃないんで・・・」「たまたまやってない分野が出たから・・・」。概ねそういう人は「本当のオレ(ワタシ)」が登場する前ということで、言い訳が饒舌です。いずれ「本当のオレ(ワタシ)」が登場すれば、すべてを一気に短期間で仕上げて余裕で合格する・・・そういう計画のようです。
ある時、自分のやりたい科目ばかりを学習する生徒がいました。当然、苦手科目を置き去りにした学習になってしまいますから、計画的に全科目を網羅するように指導しましたが、まったくいうことを聞きません。年も押し詰まった12月になって、「もういいかげん、本当のオレを投入したらどうですか」と言いましたところ、「そうですね、そろそろ出動させますか」と彼は答えました。
しばらく経ってから彼は自虐的にいったものです。「本当のオレはここにいる僕でした・・・」。大方「本当のオレ」さんを覚醒させて爆発的に学習促進する予定たったのに、いつもの鏡に写る「等身大の自分」程度だったのでしょう。自分の代わりは誰もいないんだと彼は自覚したに違いありません。
自分の学習の姿をどんなに大物ぶって擬人化しても、本当に学習するのはここにいる「等身大の自分」しかいません。それは、認めたくないほど弱点も苦手もある、理想とはかけ離れた自分かもしれません。けれど他人は他人、自分は自分、ここが出発点です。日常生活で鏡に写るその自分が「本当のオレ(ワタシ)」です。
今日の前進のために、ここからスタートする決意と勇気を持つことができた人は、間違いなく前進するでしょう。それはもはや、昨日までの「痛い人」と同じではありません。弱さを認めて、一歩踏み出す決意、一歩踏み出す勇気を持てた自分・・・。それは受験生として、自然にわき起こる前向きな姿勢を持てた自分ですね。
それこそ昨日まで見つけられなかった、紛れもない一つ上の「本当のオレ(ワタシ)」が登場する瞬間です。

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