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保護者にも、自分の感情をコントロールする修行が必要

親子のコミュニケーションの心得決定版!受験大学の選定時にも、良好な家庭関係維持のためにも、必読の回。

保護者と子供のコミュニケーション

毎年のことですが、この夏も多くの保護者の方と面談しました。保護者はそれぞれ、子供の将来のキャリアプランに対してどれくらいの関心をお持ちか、そのための助言を子供にどのようにしているかには個性があるようです。
もちろん、接し方に正解があるということはありません。しかし、保護者がどれくらい子供のことを把握しているかには違いがあります。概ね把握度合いの違いは、子供と接している時間の長さによって決まることが多いようですが、もっと正確にはどのようなコミュニケーションをどれくらいとっているかによって差があるといえるでしょう。
もういい大人だから「まかせている」という保護者の方は結構多いのですが、本当にまかせているのなら、子供が何をどのように考えて決めたのかを理解してあげるのが理想です。もちろん、アドバイスをすることは構いません。その上で、どのような結論を本人が出そうとしたかを見極め、それを尊重していく必要があるでしょう。
担当チューター(担任)と保護者は同じ「子供」を見ているのに、見えている側面が違うことがあり、保護者の気づいていないことを我々が把握していること、逆に我々が気づいていなくて保護者が把握していることがそれぞれあります。しかし経験的には、我々の側だけが知っていることの方が多いようです。こと受験に関して生徒たちは、保護者に言っていないことや言えないこともかなり多数あるからです。
実際、残念ながら自身の考えに子供が沿っているかどうかに必要以上にエネルギーを注ぐ保護者もおられます。当然ですが、「まかせている」といいつつ、保護者が自分の気に入った結論を出させようとプレッシャーをかけることがあれば、子供は萎縮してしまいます。子供は自分の考えを持てず、自分の考えを出せない訳ですから、自分の将来を閉じられた環境でお互いの理解がうまくいくはずがありません。

子供と保護者の経験のモノサシ

私の経験上、保護者と子供の多くの確執は、意見の相違というより「ものごとの理解のモノサシが違う」ことを理解していないことによっておこります。安物のドラマで「あなたも親になればいずれ分かる・・・」的な台詞をお聞きになったことが一度や二度おありでしょう。あれと同じことが自分の目の前で起こっている訳です。しかし、「いずれ」分かってもその時には手遅れですから、お互いに今分かろうとする方を選択しましょう。
子供たちが「いずれ」でないと理解できない理由は簡単で、概ね子供は社会経験が乏しく、判断の基準の豊富さも保護者の経験に及ばないことが多いから「今」ではない訳です。保護者はいろんな自分の経験から、先行きの予想や多岐にわたる可能性を考えます。だからこそ言えることもあるのに、子供たちにはそのことが理解されません。ということは、その「モノサシの違い」を共有することが相互理解のポイントになるでしょう。

さて、ここまでは多くの保護者の方が理解してくださいます。しかし、この先のあと一歩ができないことが多く、理想的な親子のコミュニケーションは困難を極めます。あと一歩、ほんのあと一歩ができずに、親子関係がもつれたままになることが多いようなのです。では、一体何が足りないのでしょうか。

「理想のコミュニケーション」のための手順

「理想のコミュニケーション」の基本として、まずは話をするタイミングを合わせることが大切です。親子は身近でありすぎるが故に、「これくらいはいいだろう」という心理的な馴れ合いがあり、安易に自己都合のタイミングで言いたいことをいうものです。そこで、子供の側も保護者の側も、お互いに自分の都合のよいタイミングで話を伝えていないか反省し、少し工夫すると一歩前進です。
例えば、保護者の幾人かは自分の手元が空いた時間に「ちょっといいか」と声をかけていきなり何かを伝え始めることがあります。しかし、子供が本当に集中できる状況かどうかを考えているでしょうか。子供にも子供の都合があります。我々予備校の人間は教室までいって毎日いろいろ話をしていますが、あえて「面談」という節目を作って話すことと意味がよく似ています。日常会話とは違い、「面談」は両者が意識を集中して「しっかりと妥協せず話す節目」にしているのです。重要なことを話すには、「その日」だけではなく、それに意識を向けていくスケジュールで「思考を集中していく過程」も大切です。その日を迎える前に話す準備をする・・・そこを含んでいることに「面談」の意味があります。
ということは、きちんとした話をするにはお互いの日時を合わせ、その時までにそれぞれが自分の考えを整理してから臨むようにすればいいでしょう。それまでの思考の過程がよいコミュニケーションには必要です。
「理想のコミュニケーション」の基本の二つ目は言葉を補うことです。実際に生徒と話をしてみると、意外と子供たちの表現力や言葉の選択が不適切であることを経験します。本当はそういうことをいいたいのではないのだろうなぁ、と思うのですが表現が下手なので非常に大人に伝わりにくいことがよくあります。中には、その字面のとおりとって保護者が憤慨するような場面も見ることがありますが、ここで大人の側が我慢してもう一工夫したいところです。
本当に言いたいこと、伝えたいことは何か、別の言葉や別の表現がないかを手伝ってあげることができればうまくいくからです。「こういうことをいいたいわけ?」「なんか違うな・・・」。「ではこういうことかしらね?」「そうそう、そういう感じ・・・」。こんな会話が面談でもよくあります。
まぁ、まどろっこしいこと!一歩前進、一歩後退でいつになったら終わるんやら・・・などと思いながらコミュニケーションをとるわけです。正確に気持ちを書き出すことができれば、正確に自分を理解してくれていると子供は思います。そこからはじめてこちらのいうことを聞ける状態になっていくといえるでしょう。
文面にするとたわいもないことですが、現実の生活の中で瞬時にこれと同じことができるかと言われれば、それなりに自分の感情をコントロールする修行が保護者の側には必要です。意識しなくてはなかなかできないもので、これを意識しなくても子供の側がコミュニケーションできるようになるには、子供の成長する「いずれ」を待たなければなりません。

本人が自分で決める

子供には子供の人生があり、保護者とは別のものであるのは誰しも分かっていることです。しかし、なかなかそのことが実際の受験では保護者に理解されないことを多く見てきました。例えば、保護者が非常に優秀な方で、さほど苦労なく医学部に合格された家庭や、長兄が同じようにすっと医学部合格されていった家庭でも、当の本人がまったく似ていないことはあるものです。
 どういう大学を受験するべきなのか、それは本人が決めるべきことです。もちろん、学費のことなどがありますから、その枠組みを決定するのは保護者との相談です。その時、言いにくいことが保護者の側にあると、曖昧なままで受験のスケジュールを子供本人が決めようとしてしまいます。日常のコミュニケーションの中で、こういう大事なことは双方でお話をしておくべきことです。
 ある生徒と私立大の受験スケジュールを決定する、出願直前の12月の面談前のこと、「やはり私立医大進学は費用的に難しいのですが、本人にいつそれを伝えればいいでしょうか」という信じられないご相談を保護者からいただいたこともありました。担任としては、「お父さん、それは今ですよ。できるだけ早急になさってください。伝えるのがこれ以上遅れると、あの時こうだったと10年先でも言われるようなことになりますよ」とお伝えしたものです。
 保護者の方には早い段階で受験の明確な条件を検討してもらい、しっかりとした決めごとをした上で、さらに本人の特性を生かすための話をしてもらいたいものです。そして、最後には子供本人が自分でこうする・・・と宣言させてあげましょう。

 日頃に「ちょっとの無理」を積んで時間を作り、お互いに「親切心」を発揮して誠実に話す・・・最後に一言添えると気が利いています。「お疲れさま」と。親しき仲にも礼儀あり、親切心を尽くして相手を尊重できれば、保護者と子供は分かりあえるというものです。

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