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「問題集」に詳しい人に「問題」に詳しい人なし

「焦らず急ぐべし」「不安に実体を与える」。難しそうな行動への方法論がここに明白に!

「焦る」と「急ぐ」の違い

「焦る」と「急ぐ」を多くの人は使い分けています。ですから、「あの子、焦ってるね」という言い方と「あの子、急いでるね」という言い方では、脳裏に浮かぶ光景は若干違っているのが普通です。
「急いでいる」というと、整然とてきぱきした動きの中に手順のようなものを見て取ることができるでしょう。多少、行動の丁寧さに個人差があるとしても大きくは変わりません。
例えばデパートの売場で何か進物用の包装を頼んだ時、目の前でてきぱきと包装をする店員さんを見ると頼もしく思います。見事な手順で包装が仕上がるのを見て、見事な仕事ぶりを感じるものです。しかし、もしその動きに不必要な手順が紛れ込み無駄なものが感じられたら、随分見え方が変わるでしょう。あたふたとした行動に、「この店員さん、新人かな。焦ってるなぁ」と感じるに違いありません。
つまり、「焦る」と「急ぐ」は似た言葉ですが、無駄があるかどうかで多くの人が表現を違えているようです。さらに、なぜ無駄があったりなかったりするかを考えると、一連の行動が最終あるべきことに対して、一直線に計画的に行動できているか、できていないかの違いが出るから・・・といえるでしょう。
学習について考えれば、「焦る」人は無計画に学習して無駄が多い一方、「急ぐ」人は計画的で無駄がないということができるはずです。簡単なことに思いますが、なかなか当の本人は気づかないものです。
「焦っている」人の行動を見ていると、いくつもの問題集を乗り換えたり、同じ学習範囲を不必要に複数の問題集でやったりします。ある時は「成績のいい人のマネをする」といいながら、別の時には「自分に合う方法を探す」と主張することもあります。先週の月曜にやった学習と違うことを今週の月曜日にはやる・・・日常の学習に秩序がないことも無駄を増やすことにつながりますから、焦った学習になっている証拠です。
試験の直前だけ学習して間に合わせようとすることも、無計画な人の典型です。せいぜい中学の定期テスト程度ならそれもいいですが、こと医学科受験に関して自分のそんな学習のクセを持ち込んでも、負けは見えています。

多浪生の中には問題集に詳しい人がいます。時には「あの問題集がいい」などと年下の受験生にアドバイスしていることがあります。ある時、クラスの何人かが真剣にそのアドバイスを聞こうとしていました。正直、生徒一人ひとりは個人の完成度が違いますから、決めつけたアドバイスをする「ベテラン受験生」には、私も閉口することはありますし、修正することさえあります。その時も、あまり真剣に決めつけて考えないで、自分の学習スタンスを優先するように「年下の人たち」には指導しましたが、焦っている受験生というのは、なかなかそういうアドバイスに耳を傾けないものです。
そうこうしてしばらく経った頃、模擬試験の成績返却日がありました。すると、急にその子たちがやっぱりその先輩にアドバイスをもらうのはやめると言い出しました。どうしたのか尋ねると、「あの人、それらしいことをいうので真剣に聞いてましたけど、模試の成績がとんでもなく悪くって自分たち以下だったんですよ。そりゃ、何年も浪人しますよね」という訳です。
焦って色んな問題集に手を出して学習する人は、その結果、学力そのものは伸びないことが手にとるように分かった事件でした。生徒たちはいったものです・・・「問題集」に詳しい人に「問題」に詳しい人なし。

「不安」の正体

口癖のように「不安だ」という受験生がいます。まるで受験生ならこれをいっていれば許されるとでもいいたげです。しかし、私から見ると「不安」を口癖にしている人は、あるべき受験生像に自分が一歩も近づく努力をしていない人にしか見えません。
言葉として「不安」を深く考えることもなく使っているようですが、そもそも「不安」というのは、「対象がはっきりしないものへの漠然とした恐れ」を指しているはずです。
つまり、「不安」という言葉には、何だかわからないけれども現状では何かがだめな気がしているが、それが何かがはっきりしない状態・・・というニュアンスがあるのでしょう。
ならば、自分を「不安」にしているものの正体は何か、これを突き止める方向に一歩進めば解決の道が見えるでしょう。「不安」に「実体」を与えて変えてみましょう。「実体」が与えられたものには対処する方法があるからです。
単なる「不安」を具体的に突き詰めることを諦めないことが大切です。例えば、「不安の正体は恐らく英語ができないことだ」と一歩進み、さらに「英作文ができないことだ」ともう一歩進みます。場合によっては「特に自由英作文が書けないことだ」となり、さらに進んで「自由英作文は英語としては書けても、内容がないので点数がないことが問題」となるかもしれません。
そうなれば、「自由英作文の内容点を向上させる方法を考えよう」と、「不安」の輪郭が明確になってきます。
ここまでくれば、すでに「不安」には「自由英作文の内容点を向上させる必要がある」という実体があり、すでに解決に向けて行動している人になれるのではないでしょうか。

数学力に自信があるのに、なぜか得点が不安定な生徒がいました。どれほど学習しても安定しません。ある日のこと、返却された数学の答案の減点されている箇所に彼がブツブツ文句をいっているわけです。どうしたのか尋ねると「これくらいの書き方でも採点者に通じると思ったら、減点されているんですよね、ちょっと厳しすぎませんかね」といいます。
採点者から見ると、減点するかどうかギリギリの線の記述の箇所があり、どうもそこがその生徒の減点ポイントになっているようでした。
「大学によって採点は多少異なることがあるだろうけれども、ここは基本に忠実に、丁寧に書いてみるように練習してみてはどうか」といいましたところ、彼は「では次回は『超』丁寧に書いてみます」と応えました。
さて、次回の添削の返却答案の状況を尋ねましたら、「今度はきちんと得点がもらえていました」と彼は嬉しそうです。「ちょっと見せてごらんよ」とのぞき込みましたら、丁寧に計算過程が書かれた答案はしっかりと得点がもらえていました。これこそ、数学の得点が不安定な彼が、それを脱出した瞬間です。
ただし、採点者が印鑑を押す欄外の余白に「お疲れさまです」などと、妙な気遣いまで書き込んでいる有様で、思わず笑ってしまいました。「答案にいらないことを書くのはいけないんだよ」などと、真顔で指導するのもおかしくて、「超」丁寧に書くのは答案の内容だけでいいけどなぁ、と私もホッとしたものです。

「焦らず急ぐべし」、そして「不安に実体を与える」・・・受験生は常に、こうでなくてはなりませんね。

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