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前向きな「反省」とは・・・

「ミスしない」呪文を唱えているあなた!自己マネージメントと行動指標の方向をどこに定めますか?

優先順位を決めた行動をしよう

受験生はいつも時間に追われながら、様々な入試準備を進めるものです。「時間がない」と嘆きたくもなるでしょう。ですから限りある時間を有意義に使うため、物事の取り組みには優先順位をつけ、常に集中した行動のクセを持ちたいものです。入試直前期にもなれば、優先順位はもはや学習内容だけではなく、すべての受験準備に拡大してスケジュールを立てることに迫られるでしょう。

例えば、出願に際しての「志望理由書」の作成はどうでしょうか。長文の「志望理由書」が必要な大学では、多くの受験生は内心では「面倒くさいなぁ」と後回しにしたいところですが、そうもいきませんよね。多くの生徒たちは、書いたものの内容に自信がないので、私に添削をしてもらおうと持って来ます。
私立大なら出願締め切りが1月半ばですから、「志望理由書」の添削は12月中に完了し、1月に清書する・・・くらいが一般的なスケジュールです。大概の生徒は12月中旬までには1回目の提出をし、2回くらいのやりとりをするものです。しかし、生徒の中には12月31日になって仕方なく提出してくる生徒もいます。こうなってきますと、「書き直し」になっても時間的に再度見てあげることは難しくなります。日常で優先順位をつけた行動を取っているかどうかが、こういったところに出てくるもののようです。何を先にやっておくべきかの判断がまずいと、自分にその結果が返ってくるものです。
受験生にとって、その他にも調査書手配や高校とのやり取りなど、学習以外のマネージメントが受験直前期には多数発生します。出願の手続きも、もちろん必要です。ご家族が宿泊や移動手段の確保くらいはお手伝いしてくれることがあるようですが、それ以外のことは受験生自身がやるべきことです。
中学や高校の受験と違い、大学受験は学習だけしていればそれで良いということはありません。将来に社会人になった時、生活全般でこの程度の自己マネージメントは当然要求されるわけですから、その演習といったところでしょう。いつ何をするべきかなどの優先順位の決定とスケジュール立てなどの自己管理は、受験生ならできて当然といえるのです。

前向きな反省

以前に似たことをお伝えしたことがありますが、「反省」という言葉には「できなかったところを振り返る」ことと、「自分の良いところを見つめる」ことの2つの意味があります。
「反省」は、ともすれば「できなかったところを振り返る」ことばかりに終始してしまいがちです。こうなると自分に嫌気がさしてしまい、人によってはそのために「反省」そのものをしたくなくなってしまいますから、あまりおすすめの方法ではありません。
まずは自分の「良いところを見つめる」ところからスタートしてみませんか。「自分にだってできることはこんなにある」的に「反省」をスタートすれば、「前向き」になれるというものです。
例えば過去問の演習はどうでしょう。過去問はどれも均等にベッタリやるものではなく、受験生なら自分の中で優先順位をつけて取り組むのではありませんか? 比較的「解ける問題」なら1分でも早く解ける訓練をし、「時間がありさえすれば解ける問題」にその時間の資源を回しましょう。日頃の学習に「反省」のスタンスを取り入れることで、過去問演習に強弱が出て学習にも前向きに生かされるというものでしょう。

あくまで行動指標は「どうしてできないのか」ではなく、「どうしたらできるようになるか」です。反省はいつも前向きに、自分がハツラツとした気持ちになれるようにしてほしいものです。

ある年のこと、クラスに2浪の生徒がいました。彼は授業の一部を勝手に自宅学習に切り替えた結果、演習の一部に空白ができてしまい、受験直前期になって、「また今年も上手くいかないのではないか」と思い始めて私に相談にきました。
残念ながら、予備校で授業を欠席して、自分本位の学習に時間を回す生徒も中にはいます。そういう自己本位の人はなかなか結果が上手く出ないことが多いようですから、その学習方法が「正解でない」ことは客観的にも明らかでしょう。彼もご他聞に漏れず同様で、結果的に精神的に追いつめられ、「できない自分」に嫌気がさして、学習そのものが手につかなくなってしまいます。
さて、予備校なら普通、「どの教材を使って学習すれば追いつけるか」と、そういう方向で考えるでしょう。しかし、私はそれは彼には無意味だと直感で感じ取り、次のように伝えます。
「『どうしてできないのか』といつも考えているだろう? 学習する時の発想を変えて、『どうしたらできるようになるか』と考えながら、過去問演習をしてみたらどうですか。それでやるべきことが見えたら、過去問をその都度離れて、使い慣れた教材のその範囲に戻ることを繰り返しなさい。『どうしてできないのか』を考えることには今は意味がないよ。」
まさに、「どうしたらできるようになるか」の実践です。

「ミスしない」は目標にできない

テストの時の失点は、「解答できなかったこと」によるものと、「勘違い・書き間違い・計算ミス」などの単純ミスによるものがあります。特に後者の失点はいわゆる「うっかりミス」によるものですから、集中して取り組んでいれば防げたものです。
先ほどの生徒も「ミスしない」という目標を立てようとしていました。そこで私は、彼に問いました。
「『ミスしない』というのは、何を行動指標にすることなの?」
「えーっと、『計算ミスしない』とか、『問題文を読み間違えない』というようなことだと思います。」
「『計算ミスしない』とか、『問題文を読み間違えない』という行動は、どういう行動をとっている状況なわけですか?」
「えーっと、あれ? 何だかよくわからなくなってきました。」
「そうでしょう。言葉の後ろに『ない』という言葉を持つ行動は取れないんだよ。だって、前の言葉を打ち消しているだけだもの。自分の行動に置き換えられないものは、気をつけたり、注意したりできないんだ。だから、別の言葉に置き換えてごらんよ。」
「なるほど・・・じゃぁ『意識を集中する』とか『一つのことに取り組んでいる時の集中力を高める』ですかね。」
多くの人は「ミスしない」を目標に挙げると、その段階で具体的などんな行動や意識づけに結びつけるかを、ほとんど考えません。結果として、「ミスしない」と目標を立てる人は、それをただの呪文のように唱えているばかりでまったく具体的な行動が改まらず、結果的に何も好転しない人がほとんどです。ですから実際には、あと一歩進んで、そこから自分が「どのような行動指標とするか」まで方向づけることが本当は大切なのです。
件の彼は、「どうしたらできるようになるか」を日々考えるようになると急に学習に「前向き」になり、「意識を集中して」学習に取り組み、入試中も「一つのことに取り組んでいる時の集中力を高める」ことができた結果として、医学科入試を突破していきました。

受験のテクニックはあくまで一つの手段であり、大切なのは心がけです。それは皆さんの中の何かが変化することでしか手に入りません。一人で気づくことは難しいですから、ほんの少しだけ誰かが助言してくれてはじめて、与えられた知識や技術を生かすことができるようになり、皆さんは大きく開花することでしょう。
ただし、必要な時にそのコーチを受けられてはじめて意味を持つことです。受験は一人でやっている訳ではありません。「地に足のついた前進」をするためには、多くの方が「適切なアドバイス」をくれるような素直さが自分になくてはならないでしょう。
「声をかけてもらえるような自分」になるには、日頃の心がけに決して「ミスしない」ことです。これはどんな言葉で置き換えられますか? その行き着く先の行動指標が、「地に足のついた前進」のための答えのはずです。