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「他人は他人、自分は自分」の先にマネの進化系が待っている

他人に自分のリズムをあわせることの怖さ。「自分の集中力」を貫く、強い信念を持とう。

友人と自分の比較

季節が秋にさしかかりますと、この一年の集大成として、いくつもの模試を受験する時期になります。「先週も今週も模試だった」という人もおられるでしょう。
そんな中、受験生の皆さんは自分のこれまでの学習方法に自信があるでしょうか。自分の思惑どおりの成績結果を残せている人は「イエス」と答えるでしょうが、曖昧な感覚の人は「絶対にダメだ」ということでなくとも、「ノー」といいたくなるかもしれません。
だからこそ、受験生は成績がいい人を見かけると、その人がどんな学習方法なのか、どんな時間の使い方をしているか、どんな教材を使っているかなど、気になることは多いのではないでしょうか。できれば成功につながりそうないいところを取り入れて、自分もその人と同じようになりたいと思うのは、受験生として自然なことです。
そんな「学習のモデル」になりそうな人に、謙虚に「方法」を尋ね、自分の生活パターンと照らし合わせることができる人は、そこから多くの示唆を得ることができるに違いありません。きっと自分の学習に取り入れて、よい結果を出すでしょう。
そんな時、うっかり陥りやすいのは、「学習方法や使用教材が同じなら、その人と同じ結果を出せるはずだ」という漠然と単純化された考え方です。あまりにも単純化された他人のマネは、自分の個性の中に収まりきらないことがあるので、注意が必要です。

本来、「学習のモデル」になる人と同程度の成果を出すには、自分がその人と同じようなスタート地点にいることが条件のはずですが、人は色んな意味において少しずつ個性的なものです。
ところが、自分の友人が優秀なことを見ていると、つい自分も同じことができるのではないかと思ってしまったり、友人が難度の高い問題集を使っていると、つい自分もそれを使えば同じようになれるのではないかと無意識に思ってしまったりすることが人間にはあるようです。それは、基礎学力や集中力などの、自分の個性を無視した考え方ともいえるはずです。

他人にリズムをあわせることの怖さ

自習室の近くの廊下では、休憩に出てきた生徒どうしで多少は会話する姿を見受けるものです。ところが、自分の学習方法に自信がない人ほど、頻繁にいろんな人に話しかけて「自分の立ち位置」を確認しないと気が済まないようです。
多くの受験生は自分の集中力を回復するだけの休憩を取れば、そのタイミングで自習室に戻っていきますが、その種の人はずっと廊下でいろんな人と話を続けています。
気づけばその類の人ばかりが廊下に残り、おしゃべり集団が発生することがあります。校舎内を巡回していますと、常に同じようなメンバーを日々注意しなければならなくなるのは、そういう行動様式が関係しているといえるでしょう。
自習室の学習を見ていますと、机上を見つめている人たちが時折スッと頭を持ち上げて目をそらし、「フゥーッ」息をするタイミングがあります。私はこれを「息継ぎ」といっています。自習室の外に出るほどではないにしても、誰しも何度かは無意識に行います。
このインターバルは人によって違います。なれるとだんだん間隔が長くなり、学力の高い人ほど長い傾向があります。 60分くらいの人もいれば、120分くらいの人もいます。
中には180分を越える人もいます。こうなると訓練ではなく、才能かもしれません。これはマネしようとしてできるものではないでしょう。
他人と常に話をしながら「自分の立ち位置」を確かめることに執着を持ちすぎる人は、メンバーのうちの一人が集中力が欠けて自習室を出ると、なぜか他のメンバーがついてきます…。別の誰かが出ると、また全員が出てきます。
気づけば一人ひとりのインターバルが全員の切れ目になっている習慣になっており、そんな学習で集中力を確保できるわけがないわけです。
友人の学習方法を参考にするつもりが、他人と自分の二重のリズムでの生活が習慣化することになるかもしれません。集中力を最大限に発揮する生活から遠ざかり、いつの間にか「成績アップの方法」ばかりを探し続ける「生活習慣病」になることは避けたいものです。できれば「自分の集中力」を貫く、強い信念が欲しいところです。

都市伝説として「男女交際をしている人は不合格になる」というものがあります。ポイントが「男女」かどうかよりも、今述べたようなインターバルを合わせる集中力の欠如が原因だとしたら、どうでしょう。
朝夕に一緒に通学したり、何につけて行動をともにしたりすることが多くなると、お互いの集中力の切れ目ごとに休憩時間を合わせて、長々と話すことが増えるかもしれません。自分の学習リズムのロスが習慣化するでしょう。
ということは、「男女」かどうかよりも、それぞれが集中力の最大効率化が欠ける環境に居続けやすい状況を、わざわざ自分たちで作り出していることが問題なのです。
その先にどういう結果がまっているでしょうか。つまり、この都市伝説自体はあながち嘘ではない…ということです。

いつも他人ばかりを気にしない勇気がほしい

これまでの医進生の指導経験からいうと、自分を客観的に見ることが難しい人が一定程度存在することもご紹介しておきましょう。

医学部受験生の中で基礎学力に課題のある生徒のことを心配し、「教材のレベルを下げてはどうか」といったところ、「いえ、別に困っていません」という回答が返ってくることは結構多いです。そんな彼らは、予習した時に「てんで解答方法を見つけられない」ものや、後でもう一度解かせても「もう再生できなくなっている」ものの目立つレベルの教材さえ、「授業で聞いた時には理解できたから…」という1点があるだけで「ついていけている」と強弁するようです。
経験的には、学力が本当に高い人ほど自分がどれくらいできないのかを詳細に描写できますし、それを謙虚に受けとめる傾向があります。一方で基礎学力に課題を持つ人ほど、「自分が他人と変わらない」と強弁する傾向が見られるのは皮肉です。
少し気になりましたので、中位レベルの成績(偏差値50.0以上60.0未満)の人が、5月から8月の間の模試でどれくらい伸びたかを英語の模試成績で調査してみました。
調査は成績に対して「適正レベルより難度が高い教材」で学習した「一部の人」と、「適正レベルの教材」で学習した「多数の人」との比較です。すると確かに「適正レベルより難度が高い教材」を使用した「一部の人」にも、ほんの少し成績に伸びが出ている人が「混じって」いました。
しかし、そんな彼らはその教材を使いこなすのに、かなりの負担があったと思われます。それに、これは英語に限っての調査なので他の教科では違っていることもあるでしょう。
本来の受験生には、学力に見合う「適正レベルの教材」を使うように指導するのですが、医学科を目指す生徒の中では「難度の高い教材を使わないと合格できない」という頑固な信念があるようです。
確かに「適正レベルより難度が高い教材」の使用者でも成績の伸びている人は「混じって」いましたが、全員が伸びた訳ではありません。結果として自分から「適正レベルの教材」で学習することから目を背けることで、よほど必死に集中しないと学力伸長から遠回りしてしまいかねないところは注意したいことです。自分の力の「適正レベルより難度が高い教材」を使うことは、あくまで生活全般の見直しや、集中度の訓練全般を含む改善を大きく行わなければなりませんから、リスクは高くなりがちです。
それで失敗した人は、成功した人の数より多いことも指導の経験上お伝えしておきましょう。学習すべき教科は英語だけではないのですから、ひとつの教科では「ちょっとの無理」でも、全体では「大きな無理」になります。やや生産性に欠ける学習方法に思います。
ですから、受験生は自分の胸に手を当てて、「今の自分に合う方法は何か」、「どんな教材ならよいか」、「どれくらいの集中度が必要か」と自問自答してほしいのです。他人を気にしてそのままのマネをするばかりより、自分の個性の中にそれを取り入れて工夫をしたいところです。

必要なのは他人がやっている「もの」ではなく、自分がどう使いこなすかという「こと」なのではないでしょうか。それこそ、受験生の目指すべき学習のあり方です。
「他人は他人、自分は自分」であることがすべての前提でなくてはなりません。ただのマネである「もの」から自分が消化した「こと」に学習方法を進化させてこそ、「他人のマネ」だったはずの学習方法を、「自分の工夫」として生かせるに違いないのです。