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高3生への学習アドバイス 2019年度大学入試センター試験速報 | 大学入試解答速報

センター試験の科目別学習アドバイスを掲載

センター試験に向けてどのような対策をとればよいかなど、学習アドバイスを掲載しています。

英語(筆記)

 センター試験は、形式に多少の変更があるとはいえ、過去問や問題集を活用することで、適切な時間配分で予め練習することが可能となっています。また、大問を解く順序も、本番での時間配分を成功させる 大きなカギとなります。自分に合った「時間配分」と「解く順序」が得点力アップのための最も重要な要素です。以下に分野ごとの対策について簡単に触れておきます。

【1.発音・アクセント】
 普段の学習の際に単語のアクセントの位置と発音記号に注意を払いましょう。また「カタカナ語」にも注意を払いましょう。

【2.文法・語法、語句整序、応答文完成】
 文法系問題の配点ウエイトは全体から見ると大きくはないですが、練習すれば確実に得点が見込める問題なので、精選された標準的な問題をきちんとこなしておきましょう。また、応答文完成問題では、文法が 正しくても文意が通らなければ正解を選ぶことができません。会話の決まり文句、定型表現を学習しておくとともに、会話全体の流れを意識して解答を選ぶようにしましょう。

【3.第3問型問題】
 科学的な文章、時事的な記事、ディスカッションの文章を読んで慣れておくことが大切です。100~150語程度の短い文章を選んで、その内容を素早く把握する練習をしておくとよいでしょう。また、内容一致の 選択肢を選ばせる設問のついた短めの論説文などを読んで、内容一致問題の実力を養っておくとよいでしょう。

【4.長文対策】
 1)第4問Aの対策として、社会問題などを扱った論説文、できれば統計的な表やグラフを含んだ英文を、曖昧な部分を残さないように正確に読む練習をしましょう。
 2)第4問Bの対策として、英文の広告、マニュアルや説明書、ウェブサイトなどにチャレンジして読んでみましょう。
 3)第5問の対策として、700語前後のエッセイ・小説・物語文を15~20分間で読んで内容を把握する練習をしましょう。練習問題としては、2007年度以前のセンター試験第6問を解いておきましょう。
 4)第6問の対策としては、500~700語の論説文を、国公立大学・私立大学の入試問題から選び、論旨展開を意識しながら大まかに素早く内容を把握する練習が有効です。設問によっては、文章の細部(代名詞や 代用表現)の内容が問われることもあるため、同時に細かいポイントもきちんと読み取る練習をおろそかにしないことも重要です。

英語(リスニング)

 皆さん、リスニングの問題はただ音声を聴き取るだけではなく、質問や選択肢を速く読む力も必要とされることを知っていますね。センター試験「リスニング」でも、事前に質問や選択肢を読み、読み上げられる内容を推測する余裕を持つことが非常に大事です。内容は、日常生活や学生生活をベースにした場面がよく出題されていますが、そのような問題は皆さんも状況をイメージしやすく、取り組みやすいと思います。全体的には教科書レベルの語い力で対応できる表現が多く使われ、基本的なリスニング能力が問われる試験です。
 高得点を取れるようになるためには、意識的にリスニング練習に取り組むことが大切です。単に英語を聴き取るだけではなく、聞こえてきた内容を別の表現に言い換えたり、英語で応答したりする力が求められます。
 では設問別に学習のポイントを挙げてみましょう。

【第1問】
 簡単な計算を交えた数字の聴き取りや、位置関係、時刻に関する表現の聴き取りに慣れておく。必要に応じてメモを取ると効果的。

【第2問】
 選択肢を早くかつ正確に理解する読解力を磨き、対話全体の状況を把握し、最後の発話に対する柔軟な応答を考える練習。

【第3問A】
 事前に質問と選択肢に目を通し、場面や状況を想像しながら、聞こえてくる音に引きずられないよう正確に聴き取る練習。直接表現されていない含意関係に注意する。

【第3問B】
 事前に図表の内容を素早く読み取り、複数の情報を整理しておくことが重要。また、聴き取るポイントに注意しながら場面の展開を追い、情報を取捨選択しながら聴き取る練習。

【第4問A】
 事前に質問と選択肢を短時間で読み取り、該当の箇所を聴き取る練習。さらに正確に聴き取るためにディクテーション練習を普段より取り入れると効果的。

【第4問B】
 発言者の名前に注意し、それぞれの意見内容の要点をまとめ、複数意見の共通点と相違点を整理しながら聴き取る練習。

 全部、完璧に聴き取れなければならないと思う必要はないので、まずは英語の音(オン)を怖がらず、繰り返し英語を聴き、声に出す練習をすることが大切です。スクリプトを見ずに音声を何十回と聴くことを勧めます。

数学

数学Ⅰ・数学A

 数学Ⅰの「数と式」、「集合と命題」は、基礎となる分野であるといえますので、最初の段階でしっかりと学習しましょう。「2次関数」は問われる内容が安定しているため、以前より易しくなっていますから、ぜひ得点源にしてほしいです。「データの分析」は、実戦演習で図表の読み取りを訓練することに加えて、変量の変換などの理論に関する部分も強化しましょう。「場合の数・確率」は表面的な答えの出し方を覚えても太刀打ちできません。基本的な考え方をきちんと理解し、身に付ける必要があります。特に頻出である条件付き確率には注意しましょう。「整数の性質」は内容が豊富なため、解法を整理し、それらをしっかりと覚えましょう。「図形と計量」、「図形の性質」は定理・公式の使い方を実戦演習により訓練する必要があります。最近は教科書の発展的内容が出題される分野も見られるので、それらも習得しておきましょう。

数学Ⅱ・数学B

 数学Ⅱの「三角関数」、「指数関数・対数関数」は、まず確実に公式を使いこなし計算できるようにしましょう。その上で、難しい問題が出されることの多い「三角関数」は応用的な問題にも挑戦しましょう。また、各分野との融合問題も多いので、苦手分野がないようにしておきましょう。「微分法・積分法」は接線の方程式、関数の増減、面積計算などの典型的な問題を確実に解けるようにし、繁雑な計算が必要とされる問題もあるので、計算力も鍛えておきましょう。
 数学Bの「数列」は2019年度もそうであったように、いろいろと趣向を凝らした問題が出されているので、典型問題を確実に解けるようにしておいた上で応用問題にも挑戦しましょう。「ベクトル」は計算の負担が大きい問題も多いので、解法を一通り習得した上で計算力も鍛えておきましょう。また、平面ベクトル、空間ベクトルのどちらの問題が出ても対応できるようにしておきましょう。「確率分布と統計的な推測」を選択するのなら、頻出である平均、分散、二項分布、正規分布、信頼区間などの内容をしっかりと学習し、演習を重ねて受験しましょう。

国語

現代文

 もしあなたが入試現代文の学習をまだあまり積んでいないならば、まずは〈本文に書かれていることを根拠に解答を決める〉という態度を習慣づけることが大切です。問題を解いていて迷ったときには、選択肢だけを見て直感的に答えを決めようとするのではなく、必ず本文に戻って、「本文のこの部分にこう書かれているのだからこの答えがいちばん良いだろう」と考えるようにしましょう。とくに小説の問題では、勝手な思いこみで答えを決めてしまわないことが大事です。つねに理由づけをしながら解答を選ぶという姿勢を徹底させるようにすることが、入試現代文では最も大切なことなのです。
 さらに、問題集などを通してさまざまな問題を解いてみるということも大切です。第1問(評論)では抽象度の高い文章が頻出するので、難解な文章にも臆することなく、さまざまなジャンルの文章に接して、その内容を理解していく訓練を怠らないようにしたいものです。第2問(小説)では、単にストーリーをつかむだけでなく、場面設定や時代状況、登場人物の人物像などを理解することを心がけましょう。また、小説全体がどういう視点から描かれているか、特徴的表現はないかといったことにも、できるだけ気を配ることが大切です。

古文

 古文で得点するためには、基本的な古語を覚え、用言の活用・助動詞・助詞・敬語に関わる文法事項を習得し、そうして得た知識を用いて、できるだけたくさんの古文を読む訓練を積まなければなりません。特に単語は、訳語をただ丸暗記するのではなく、その語の意味をきちんと理解することに努めましょう。2019年度の問題文は、狐が人間に恋をし、相手と同性である娘に化けるという、予想しがたい展開が書かれていました。そのように次々と読者の予想を裏切る展開の文章を、正確に読み解いていく力の基本は、やはり単語と文法の理解です。まずは、そうした基礎知識をしっかりと身につけましょう。また、設問は、毎年、ほぼ同じ形式にのっとって出題されていますので、過去問や予想問題集などを利用して、センター試験の設問形式と時間配分に慣れておくことも大切です。特に、センター試験の古文は、一般的な入試問題と比べて、本文が長いうえ、選択肢も一つ一つが長いので、時間をどう使うかが重要になります。解答する際の時間配分をあらかじめ十分考えておく必要があるでしょう。さらに、和歌が頻繁に出題されるのもセンター試験の特徴です。ふだんから和歌を現代語訳するなどして、和歌に慣れておきましょう。

漢文

 漢文では何よりもまず基礎知識に習熟する必要があります。重要語句、基本句形、漢詩の知識など、漢文読解の基本となる部分は細大漏らさず学習しておきましょう。その上で、文章構造や文脈の展開、そして全文の趣旨や筆者の意図に注意しながら読解力の養成に努めてください。また、センター試験の漢文では、語句の読みや意味を、内容を踏まえた上で判定させようとする問題が必ずといってよいほど出題されます。問題を解くだけで満足するのではなく、場合によっては辞書を用いながら全体の解釈を考え、さらに繰り返し音読するなど、一つの文章を徹底的に活用してみてください。
 漢文は、後回しにしておいても高得点が取れる、と勝手に思い込んでいる受験生を時々目にしますが、現実はそう簡単には行きません。なるべく早い時期から学習に取りかかりましょう。

理科

物理基礎

 物理と日常生活や社会との関連についての問題や、エネルギーに関する実験・観察を主とする問題が出題されるでしょう。また、身近な科学技術や原子力、放射能、放射性物質などについて必要最小限の知識があるかどうかも問われるでしょう。
 日頃の学習は、教科書を中心に行いましょう。ただし、例題や問、章末問題を解いておけば十分ということではありません。教科書をていねいに読み、法則や公式は言葉や式だけでなく、具体的な現象と関連付けて覚えておくことが重要です。また、探求活動(実験や観察)のページもきちんと目を通しておきましょう。

物理

 センター試験でしっかり得点するためには、苦手な分野や問題を作らないことが一番重要です。苦手なところがあるままでは、いくらセンター試験対策をしても効果は得られないので、教科書傍用の問題集などで繰り返し演習し、きちんと解消しましょう。
 その後にセンター試験対策です。センター試験は、例えば回折についての記述がよく出題されるなど一定の傾向が見られます。センター試験の過去問を演習し、これらの傾向をぜひつかみましょう。
 そして、過去問を演習すると、教科書に記載されてはいるものの、あまり問題になっていない解きにくい問題が出てくると思います。この対策としては、教科書をじっくり読むしかありません。大変ではありますが、教科書を読むことで公式や用語の意味が確認でき、あいまいな物理現象がはっきりし、図やグラフ等を押さえることで得点を伸ばすことができるでしょう。

化学基礎

 センター試験「化学基礎」は、教科書の全範囲から万遍なく出題されます。
 知識が必要な分野では、教科書などで基本事項を確認し暗記した上で、高校の教科書傍用問題集などで演習を積み、知識を定着させましょう。計算問題は、教科書の章末問題の演習で十分対応できますが、単に公式に当てはめるだけでは厳しい問題も出題されます。計算式の立て方や考え方を理解しながら学習を進めましょう。なお、基本的な学習では、センター形式の問題にこだわる必要はなく、教科書傍用問題集などを使うと良いでしょう。
 センター試験で高得点を取るためには、センター試験の出題形式や時間配分に慣れておくことも重要です。センター試験の過去問に加えて、全統マーク模試や全統センター試験プレテストなどの模擬試験を活用すれば、本番のセンター試験に十分対応できます。これらの問題をしっかりと復習し、理解を深めましょう。また、日常生活に関わる物質、実験に関する内容が重視される傾向にあるので、教科書に載っている身近な物質や実験の操作も確認しておきましょう。

化学

 センター試験「化学」は、「化学」からの出題が中心ですが、一部「化学基礎」の範囲からも出題されます。2019年度は「物質の構造」からの出題のみで、配点比率は4%でしたが、2018年度までは「酸と塩基」や「酸化還元」からも出題され、配点比率は10%程度でした。また「化学」を学ぶうえでも「化学基礎」の理解は必須です。したがって、「化学基礎」、「化学」の全範囲について、教科書に記載されている基本事項を確実に学習しておく必要があります。特に、「化学基礎」は高校1年で履修し、忘れている箇所がいくつかある可能性もあるので留意しましょう。また、教科書の章末問題などを活用し、必ず問題演習で知識が定着したかを確かめましょう。
 センター試験の問題の大部分は、基本事項の理解を問うものですが、それにとどまらず、複数の思考過程を組み立てないと解答できない設問もいくつか出題されます。特に、2019年度の特徴として、理論分野を中心に複数の思考過程を要する計算問題や、グラフから必要な情報を抽出し科学的な思考力を問うという共通テストを意識したと思われる問題が出題されました(出題例:第2問問3、第3問問5)。現行のセンター試験は2020年度入試で最後となりますが、2021年度入試からの大学入学共通テストへのつなぎという意味でも、このタイプの問題が複数出題されると思われます。これらに対応するためには、標準的な問題でよいので、二次・私大入試に対応した問題集などを活用し、知識を組み立てて問題を解いていく訓練、演習が必要となるでしょう。
 無機・有機分野は、天然有機化合物、合成高分子化合物を含めて、教科書に記載されている事項から出題されますが、かなり詳細な知識まで問われることがあります。これに対応するためには、教科書の基本事項を整理するとともに、センター試験の過去問演習を通して、知識が確実に押さえられているかをチェックし、定着をはかることが有効です。また、無機物質では、ここ数年「無機物質と人間生活」からも出題されていますので、この箇所も必ず目を通しておきましょう。
 実験考察問題は毎年1、2題出題されています。教科書に記載されている実験については、手順や操作方法について、その意味も含め理解しておく必要があります。また、「身のまわりの物質」に関連する事項も出題されています。これに対応するためには、教科書の「探求活動」、「無機物質と人間生活」、「有機化合物と人間生活」、また、「化学基礎」の「化学と人間生活」も、無機や有機の学習を一通り終えた後にもう一度必ず目を通しましょう。
 全統マーク模試の第1回、第2回は高校の履修状況を考慮して、基本事項の定着度を試すとともに、一部は複数の思考過程を要する問題で、応用力を試す構成になっています。第3回、プレテストでは、過去のセンター試験の傾向を分析し、また、2019年度顕著だった大学入学共通テストを意識したタイプのものも含めて、2020年度のセンター試験を予想して作成しています。到達度を把握し、さらに実戦力を養ううえで格好の指標となるため、大いに活用しましょう。

生物基礎

 2019年度の本試験では、小設問16問中11問が知識問題でした。2019年度の本試験も知識問題の割合が高く、2020年度以降もこの傾向が続くと予想されるので、まずは教科書に記載されている基本的な知識や用語を正確に理解し、覚えておく必要があります。また、知識問題では、正誤の判断にやや詳細な知識を必要とする選択肢が含まれることがあるので、これらの問題に対応するためには、教科書の本文だけでなく、「図・表」、「観察・実験」、「参考(コラム)」、「探究活動」なども含めて隅々まで十分理解しておく必要があります(ただし、教科書の「発展」に記載されている内容はセンター試験では出題されません)。
 2019年度の第1問 問6のように、2018年度の本試験をのぞいて、これまでの本試験では例年計算問題が出題されています。2020年度以降も、「ミクロメーターによる測定」、「細胞周期」、「腎臓における濃縮率・再吸収率」、「酸素解離曲線」、「暖かさの指数」、「生態系内の物質循環とエネルギーの流れ」などに関する計算問題が出題される可能性があります。計算問題は得点差がつきやすいので、問題集や過去のセンター試験などを用いて十分に問題演習を行い、対応できる力を養っておきましょう。
 2019年度の本試験では、仮説を検証するために必要な実験を選ぶ問題や実験の結果に基づいて考察する問題などが出題されました。2020年度以降は、図や表などの資料に基づいて選択肢の正誤を判断する問題や実験結果などに基づいて考察する問題の出題が増加する可能性があります。このような問題では、設問文や選択肢の文意を理解する力、与えられた図や表を正確に読み取る力、論理的に思考する力などが要求されます。計算問題と同様に、問題集や過去のセンター試験などを用いて十分に問題演習を行い、対応できる力を養っておきましょう。

生物

 センター試験の知識問題で問われる知識は、教科書に記載されている内容に限られますが、単に用語を問うような形式の問題は少なく、選択肢が文章となっていて、その正誤を判定するような形式のものが多いです。したがって、用語の丸暗記だけではほとんど対応できません。しっかりとした理解に基づいて、用語の意味や他の事項との関連性なども覚える必要があります。このような知識を身につけるためには、センター試験の過去問やセンター試験向けの問題集などを利用して、問題演習を十分に重ねておくことが必要です。また、「生物」のすべての範囲から幅広く出題されるので、苦手とする分野や学習が進んでいない分野がないように、バランスよく学習することも大切です。
 センター試験の考察問題では、実験の内容などを読み取る読解力と、グラフや表のデータなどを読み取る考察力・分析力が要求されます。このような力を身につけるためには、やはり、センター試験の過去問やセンター試験向けの問題集などを利用して、問題演習を十分に重ねておくことが必要です。特に、読解力・考察力・分析力は一朝一夕で身につくものではないので、センター試験の直前になってから短期間で対策を立てるのは難しくなります。早い段階から計画的に学習を進めておきましょう。

地学基礎

 3題の大問構成やそれに対応する分野は変化する可能性がありますが、マーク数(全体で15)や小問の配点(3点もしくは4点)に関しては、2019年度と同じでしょう。
 また、2019年度の得点率は、センター試験問題作成部会の目標より若干低く、計算問題を減らすなど、2020年度は2019年度よりもやや易しい問題が出題されると予想されます。問題文から立式して解く形式の計算問題は2題程度は出題されるでしょう。
 2019年度の第1問・問2のように、図やグラフの読解と絡ませる計算問題が出題されやすいです。図やグラフを用いて学習内容を整理しておきましょう。
 文の正誤を問う問題に対処するためには、各事項に関する正確な知識と文章の読解力が必要です。したがって、重要な地学用語・現象に関しては、一問一答形式のような学習方法で知識を定着させ、全統マーク模試などを活用した総合的な演習が必要です。また、センター試験対策の問題演習としては、赤本よりも解説が詳しい『センター試験過去問レビュー』(河合出版)が有用です。

地学

 地学基礎の学習内容は3~4割程度、それ以外は地学の学習内容が出題されています。必答問題は地学の全範囲から出題されるため、偏りなく、全分野の学習をする必要があります。選択問題は、解きやすい方を選択すればよいでしょう。
 『地学』の二種類の教科書(啓林館、数研出版)では、詳細な事項に関して相違があります。しかし、センター試験では、どちらの教科書でも扱っている項目が優先して出題されています。地学基礎の教科書からも出題されますので、地学の教科書と同じ出版社の地学の教科書2冊が出題範囲だと考えてください。
 60分の試験時間内で正確に解答できるようにするためには、全統マーク模試などを利用して、多くの演習問題を解いて、センター試験の出題形式に慣れておきましょう。なお、センター試験対策の問題演習としては、赤本よりも解説が詳しい『センター試験過去問レビュー』(河合出版)が有用です。

地理歴史

世界史B

 まず、学習する用語を、教科書の太文字程度の「センターレベル」に限定することが大切です。そして、用語を「暗記する」のではなく、因果関係やそれぞれの時代のイメージを意識して「理解する」ことを通じて、正誤判定中心の出題に対応した学習を心がけましょう。また、幅広い地域や時代から出題されるので、「穴」をつくらないように気をつけましょう。とくに現代史と文化史は現役生にとって弱点になりやすいので、早めに学習しておくことが必要です。さらに、地理的知識を要求する問題や、同時代史的な理解を問う問題に対応できるよう、教科書の地図をしっかり見ておくことと、重要な年号は覚えておくことが有効です。

日本史B

 「センター試験は全問マーク式の問題だから易しい」と思っている人はいませんか?それは誤った考え方です。センター試験の設問の半数以上は文章正誤問題で、そこで試される学力は、出来事の因果関係を正しく理解しているか、歴史名辞の意味を正確に理解しているか、といったことが中心です。したがって、教科書に載っている用語をやみくもに覚えてもセンター試験で高得点をとることはできません。センター試験の日本史学習で大切なことは、「覚える」ことではなく「理解する」ことです。基本となる事項を正しく理解すれば、必要な用語は自然に覚えられるはずです。高3生がまずやるべきことは、センター試験がどんな試験なのかを知ることです。そこで、2019年度のセンター試験のなかで、既習範囲の問題だけをやってみてください。そうすれば、これまでの学習の不十分な点がわかるでしょう。それを確認したうえで、本格的な学習計画を立ててください。

地理B

 現行課程4年目の2019年度は、「世界の自然環境と自然災害」、「資源と産業」、「都市と村落、生活文化」、「地中海沿岸地域」、「ウクライナとウズベキスタン」、「宮崎市とその周辺地域の地域調査」の6題が出題され、4年続けて出題分野は同じでした。自然環境では、現行課程で重視されるようになった自然災害が毎年出題されています。資源と産業では、以前は農業と鉱工業が交互に出題される傾向がみられ、2018年度は2017年度に続いて農業と鉱工業の両方が出題されたものの、2019年度はコーヒーをテーマにした問題が中心で、鉱工業はほとんど出題されませんでした。比較地誌は、現行課程から出題が始まり、インドと南アフリカ、スペインとドイツ、ノルウェー・スウェーデン・フィンランドに続いて、2019年度はウクライナとウズベキスタンが出題されました。平均点は2015年度から上がり続け、2018年度は68点と高くなりましたが、2019年度は難度の高い図表の判定問題や細かな知識を必要とする問題が多く、62点に下がりました。センター試験最終年の2020年度入試も出題分野は同じでしょうが、分布図や統計図表の読み取り問題が多いので、知識を増やすとともに、分布や統計を背景から理解することを心がけてください。

公民

現代社会

 センター試験「現代社会」に向けた学習対策としては、2019年度のセンター試験の出題傾向を踏まえて、次の4点に留意してください。

①「政治・経済」と重なる分野に関しては、正確な知識をもとに正誤の判断をさせる出題が主流となっています。そのため、教科書に記載されている基本的な知識の習得がまずは前提となります。さらに、憲法や主要な法律の条文、経済データなどの周辺的な知識のほか、個別の事象の歴史的順序にも十分に配慮して知識を深めていく必要があります。また、当然のことながら、ケアレスミスに注意しましょう。

②倫理や環境、思想などの分野については、たとえ時間の関係上高等学校で学習する機会がなくとも、教科書を中心に丹念に学習を進めておかねばなりません。その際、古代から現代にいたる西洋や東洋の思想、日本の思想については、高等学校「倫理」の教科書にも目を通しておくことを勧めます。また、民主政治に関わる思想、科学や技術、宗教、大衆社会、社会保障などの「現代社会」に該当する分野についても「政治・経済」や「倫理」の教科書、さらに資料集にもあたって、知識の幅を広めておくことを勧めます。時事的な事柄についてはあまり過敏にならなくてもよいですが、現在起こっている事がらの背後にある問題について日頃から深く掘り下げる習慣を身につけておきましょう。

③「現代社会」の図表問題については、出題される内容は比較的単純な数値の読み取り問題が多いですが、常にそうとは限らないので、図表に表れたデータを使って計算をしたり加工をしたりして、そこから何が導き出せるかを絶えず考える態度を身につけましょう。また、さまざまな条件のもとにそこから得られる結論が何かを問う論理的思考力をみる問題については、文章の読解力はもちろんのこと、論理的な思考力や判断力の養成に努めましょう。こうした実践的な判断力をみる設問は、今後より重視されるようになるでしょう。

④そして最後に、「好きこそ物の上手なれ」のたとえがあるように、「現代社会」という科目が提供するさまざまな事柄に対して、受動的に関わるのではなく、みずからの問題として、生きた教材として、積極的に取り組みましょう。「調べ学習」は単に知識として知っておく事項ではなく、毎日の生活のなかで実践していくべきものです。

倫理

 2019年度も、近年の傾向と同じく、「倫理」の各分野からまんべんなく設問が出題されました。このことから、学習対策として優先すべきは、全分野について基本事項を確実に押さえることにあると言えるでしょう。未学習の分野をつくらないことや、苦手分野を放置しないように注意することが重要です。
 センター試験「倫理」の出題の中心は基本事項に関わる設問です。基本事項を地道に学習していくことが重要となりますが、単に語句や人物名を暗記しただけでは高得点は望めません。例えば、誤りの選択肢に受験生を惑わすような形でキーワードを掲げるといった出題手法が見られますが、暗記学習に依存する受験生はこの種のひっかけでつまずくケースが多いです。こうした選択肢にひっかからないようにするためにも、教科書の内容理解に徹した学習を進めることが重要です。模擬試験や過去問などを活用して理解を正確にし、正誤判断力を磨くことも不可欠です。
 さらに、読解力や思考力を試す設問への対応力を磨くことも求められます。2019年度も、読解力や思考力を試す設問が出題されましたが、一つひとつの選択肢が長く(例えば、本文の内容や趣旨を読み取る問題では、一つの選択肢が3〜4行が基本となっています)、この種の設問に時間をかけすぎて、解答時間の配分に失敗したというケースもあります。こうした設問を克服するためにも、模擬試験や過去問の演習を通じて、読解力や思考力を試す問題への対応力、さらには時間管理力を磨くことも重要でしょう。

政治・経済

 2019年度の本試験では、政治・経済の全範囲にわたる基本知識が幅広く出題されており、教科書の範囲を超えた細かい知識がなければ解けないような難問は見られませんでした。したがって、高得点を取るためには、全分野について基本事項を確実に押さえ、未習分野や苦手分野を作らないようにすることが必要です。なお、近年の本試験では、単純な資料の読み取り問題は少なく、ほとんどの資料問題が一定の知識を前提としています。したがって、資料問題の対策としても、全範囲にわたる基本事項を押さえておく必要があります。
 また、センター試験の本試験では、過去に出題された問題が繰り返し出題されています。したがって、過去問を解きながら実戦的に知識の定着を図ることが、最も効率的な学習方法です。なお、過去問の演習を行う際には、正しい選択肢の内容を押さえるだけでなく、誤りの選択肢についても、どの記述がどのように誤っているのかを確認しながら知識を整理しておくことが重要です。
 さらに、近年では、需要曲線・供給曲線や比較生産費説に関する設問などにおいて、理解力や応用力を試す工夫がなされています。したがって、過去問の検討の際には、経済のメカニズムなどの基本をしっかり理解した上で、応用問題にも対応できる力を養っておきたいです。
 時間があれば、資料集などを利用して、地域紛争などの時事的な事項や高齢化率などの統計数値にも目配りをし、理解を深めておきたいです。

倫理、政治・経済

 2018年度に続き、2019年度も倫理分野と政治・経済分野の全範囲からバランスよく出題されました。倫理分野について見ると、青年期の課題と自己形成、源流思想、西洋近現代思想、日本の思想、現代社会の倫理の5つの領域から、まんべんなく設問が設けられています。政治・経済分野についても、政治と経済がほぼ同比率で出題されています。したがって、トータルバランスに気を配り、すべての単元の学習事項をしっかりと押さえ、未学習の単元をつくらないようにすることが大切です。
 2019年度の試験では、両分野の間にそれほど難度の差に大きな開きは見られません(倫理分野の全18問の平均正答率がおよそ68.9%であったのに対し、政治・経済分野の全18問の平均正答率はおよそ66.2%でした)。両分野間で難度に大きな差が生じることも起こり得ますが、「前年度の試験で難度が高かったから」という理由だけで倫理あるいは政治・経済のどちらかの分野にばかり時間を費やすようなことは避けましょう。
 その上で、内容理解に徹した学習を大前提とすることが重要です。用語丸暗記で何とか対処しようとする受験生も一部に見受けられますが、誤りの選択肢のなかに受験生を惑わすような形でキーワードを掲げておくという出題手法は少なくなく、丸暗記型の学習ではこのような選択肢への対応が困難となります。この種の出題手法にひっかからないようにするためにも、教科書の内容理解に徹した学習を進めることが重要です。さらに、模擬試験や過去問を活用して理解を正確にし、正誤を見きわめる力を磨くことも必要です。読解力や思考力を試す設問への対応力を磨くことも求められます。2019年度も、読解力や思考力を試す設問が出題されました。このことから、模擬試験や過去問の演習を通じて、読解力や思考力を試す設問への対応の仕方を学び取っていくことが求められます。