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全国国公立大学 医学部医学科入試相談会 医進生応援プログラム イベントレポート | 体験授業・イベント

医学部教育の厳しさと、医師に求められる適性の重要性を理解する

2017年11月19日、河合塾麹町校(全国医進情報センター)において、中学生・高校生・高卒生とその保護者、高等学校教諭の方を対象に「全国国公立大学医学部医学科入試相談会」を開催し、東京医科歯科大学大学院腫瘍放射線治療学分野の吉村亮一教授を迎えての特別講演「医師になるということ」および、河合塾講師から医学部面接対策に関するガイダンスを実施しました。600名を超す参加者は、医師のキャリアパスについての理解を深め、医学部入試における面接の重要性とその対策に耳を傾けた後、入試担当者が待つ大学別の個別ブースや、現役医学部生などの相談コーナーなどをまわり、入試や教育内容などについて真剣な表情で質問していました。

日時

2017年11月19日(日)

会場

河合塾 麹町校

対象

中学生・高校生・高卒生とその保護者の方、高等学校教諭

第1部 特別講演 「医師になるということ」

講演の様子

吉村教授からは、医師になるまでの道のりや、医師になってからのキャリアパスなどについてご紹介いただきました。また教授は、東京医科歯科大学における6年間の教育内容に触れ、3年次からの臨床医学では、自ら調べ、学び、討議を経て課題をクリアしていくPBL方式の授業が多いことや、半年間のプロジェクトセメスターを設定して研究に没頭させたり、研究者育成に特化したMD-PhDコースを設定したりと、研究活動も重視していることなどが紹介されました。
次の話題は医師のキャリアパスに関するものでした。国家試験合格後に2年間の初期研修を行わないと、保険診療のできる保険医にはなれず、そのうえで、臨床医として活躍するには、さらに後期研修を経て専門医の資格を取ることが求められているとのことでした。
そして、最近は専門医システムが強化される傾向にあり、専門医をめざすための制度として、来年度から専攻医という新しい資格がスタートすることもご紹介いただきました。専攻医の資格は5年ごとに更新が必要で、そのためには学会に出て勉強する必要があることや、専門医の資格取得と並行して大学院に進学して学位(医学博士)を取得する道があることなどにも触れられました。
その後は、ご自身について、医学部をめざした経緯や、がんを「切らずに治す」放射線治療を専門とするようになった経緯などを話されました。現在は、放射線治療専門医として、とくに内部照射による治療を得意としているそうです。小さな線源を体内に埋め込み、がん細胞をたたく治療法で、舌がん患者の舌に針のような線源を埋め込む様子を動画で見せてくださいました。さらに、放射線の高い地域で人類が誕生し、文明が発達した事実から、放射線が人類の進化に影響している可能性や、医学領域だけが放射線を完全にコントロールできているといった発展的な話題も紹介されました。
最後に、あるべき医師像は医師の数だけあり、医師をめざすなら「初心を忘れるな!」とのエールを送ってくださいました。なぜ自分が医師になりたいと思ったのかを思い出せば、医師になって落ち込んだときにも力になるからと仰り、「できればノートに書いておいてください」とのアドバイスでお話を締めくくられました。

第2部 講師講演「医学部面接対策ガイダンス」

河合塾小論文科講師の広川徹が、医学部の面接対策のポイントを解説しました。医学部入試は、教科の「学力試験」と、小論文や面接による「適性試験」からなり、学力試験がトップでも不合格になるケースがあるなど、適性試験のウエイトが高くなりつつある現状を報告しました。そして、医学部入試における適性とは、問題関心に支えられた知識と論理的思考力で構成される「インテリジェンス」と、共感力とそれに裏打ちされたコミュニケーション能力で構成される「ヒューマニティ」の2つであり、面接ではそれらが試されるとのことでした。
そのうえで、面接対策では、質問者の意図を理解することが重要だと強調しました。たとえば、必ず質問される「なぜ医師をめざしたのか」という質問は、医師を志したきっかけではなく、受験者の内的関心の深化を知りたいのであり、受験者の「本気度」を確かめる質問なのだと説明しました。加えて、「本学志望理由」「医療/社会トピックス」「個人プロフィール」などの代表的な質問の意図を詳しく解説しました。
最後に、今後は個人面接において同日に1回のみならず複数回にわたり複数の面接官と面接する形式が増えていくだろう、との予測を伝えた上で、医師への適性も教科の学力と同様に伸ばすことが可能であり、早くからの準備が必要であるとまとめました。

講演の様子
講演の様子

相談コーナー

講演会に引き続いて、各種の個別相談コーナーを設定しました。全国12の国公立大学がブースを構える「大学別入試相談コーナー」では、受験生やその保護者などが、各大学の入試担当者などに、合格圏内に入る試験成績や、推薦入試の条件、面接試験の方法や質問例など、入試の具体的な状況などを質問していました。11月中旬過ぎということもあり、入試に関してはかなり突っ込んだ質問が飛び交っていましたが、同時に、初期研修や後期研修のプログラム内容を質問したり、卒業後に就職する病院についてなど、合格後の生活を見据えた質問も散見されました。
一方、「現役医学部生との個別相談会」は、8つの国公立大学の学生が進学相談にのるもので、受験生の質問は教科別の勉強法や応対する学生の実際の入試成績などを聞くものが圧倒的だったのに対して、保護者は浪人中の気持ちの保ち方や大学の立地環境、サークル活動の様子、病院環境などを聞くケースが目立ちました。
「進学アドバイザーとの進学個別相談会」では、河合塾の進学アドバイザー4人がそれぞれブースを構えて相談に応じました。成績を上げるための勉強方法を聞いたり、河合塾の講座の詳細を質問・相談していたほか、自分の志望・成績状況などから見える合格可能性についての質問などもありました。質問時間が終わってからも、河合塾スタッフに質問する参加者も少なくなく、参加者の熱心ぶりが伝わってきました。

相談コーナーの様子
相談コーナーの様子