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名古屋大学×河合塾 共催イベント「名大研究室の扉in河合塾」第2回 理学部「地球を支える植物を研究する」 イベントレポート | 体験授業・イベント

名古屋大学と河合塾のタッグで授業。

名大研究室の扉in河合塾2

名古屋大学との共催イベント「名大研究室の扉in河合塾」第2回 理学部を、2015年6月14日河合塾名古屋校で開催しました。
河合塾と名古屋大学が共同で行う特別イベントとして、中学生・高校生・高卒生・保護者の方を対象に、名古屋大学理学部の教授と大学院生をお招きし、講演会や懇談会を実施しました。約110人の生徒・保護者の方が、名古屋大学の先端研究者の講演を聞き、大学での研究の奥深さや楽しさを体感できる絶好の機会となりました。

冒頭、名古屋大学の國枝秀世(くにえだ ひでよ)副総長から、「大学の扉の向こうで何が起こっているか、本日覗いていってください。どの大学に行こうかと考える際には、点数で決めるのではなく、本日のような機会を使って、どの先生・どの研究ということまで考えて選んで欲しいと考えています。また、少子化社会を救うのは理系女子だと思っています。みなさん自身も、今日来られている親御さんも、どうかフラットに考えていただきたい。自然科学に興味を持ったとき、ぜひそちらへの興味を伸ばしてください。この名大研究室の扉in河合塾には、東山先生をはじめ、名古屋大学のエースを投入しました。しっかり聞いていってください」とお話がありました。

講演内容

第1部:名大教授による最先端研究についての講演
第2部:大学院生による大学生活や研究についての講演
第3部:講演者と参加者による懇談会

日時

2015年6月14日(日)14:00~16:00

会場

名古屋校

対象

中学生・高校生・高卒生と保護者の方

名大教授による最先端研究についての講演。

東山 哲也(ひがしやま てつや)教授(トランスフォーマティブ生命分子研究所)

●第1部:「地球を支える植物を研究する」
 東山 哲也(ひがしやま てつや)教授 (トランスフォーマティブ生命分子研究所)

第1部では東山教授に、自然と向き合い基本法則の解明に取り組む理学部の研究について、ご自身の研究「植物の受精のメカニズム」を元にお話ししていただきました。

理学部とはどんなところでしょうか。
東山教授は、「まだ教科書に載っていないことを自分で見つけるところ」と定義され、ご自身の発見が掲載された教科書や科学雑誌「サイエンス」の紹介から、世界で最初に発見する人になる喜びを語られました。

「植物の受精」というと特別なテーマのようですが、穀物・野菜・果実、全て植物の受精によってできています。受精についての研究は、食料問題を解決することに通じ、地球を良い方向に導いていくのに重要かつ身近な問題です。東山教授が植物の研究を始めるにあたり、大学院時代の指導教官の黒岩先生の影響がありました。東山教授は、指導する学生にそうと気づかせずに大きな獲物(発見)がいそうなポイントを自由に泳がせる(研究させる)という指導の極意を黒岩先生から学ばれたそうです。

次に東山教授は、前の週に名大祭で話されて好評だったという、受精をめぐる細胞たちのお話をされました。講演前に小学生の娘さんに相談したところ「難しい名前は覚えられない。興味が持てない」と言われたそうで、さまざまな細胞をアニメのキャラクターになぞらえて、ユーモアを交えてわかりやすくお話ししてくださいました。
植物の受精は、花粉が雌しべに付くと、花粉から花粉管という細い管が雌しべの卵細胞に向かって伸び、その管の中を2個の精細胞が移動して、1つが卵細胞と、もう1つは中央細胞と受精する「重複受精」という方法です。花粉管を卵細胞におびき寄せる誘引物質は、確かに存在するのに、どこにあるのかわかっていませんでした。東山教授はその誘引物質を世界で初めて発見され、また、受精の瞬間を顕微鏡映像でとらえることにも成功されました。

誘引物質「ルアー」

25万種ある植物の中で一番調べるのに適していると思われる「トレニア」との出会い、ポイントを見つけるのに2、3年かかったというレーザーによる細胞の破壊、研究者のクリスマス休暇中にたまたま熟成されていった候補タンパク質、レーザーを使って細胞に注射する機械の発明、さまざまな過程を経て、ついにこのタンパク質が140年間探されていた誘引物質である証拠が得られました。この誘引物質「ルアー」の発見については、新聞やテレビのニュースでも大きく取り上げられました。

講演の最後に、トランスフォーマティブ生命分子研究所(ITbM)で展開する未来の研究についてお話がありました。この研究所には昨年の名大研究室の扉in河合塾(農学部)で講演していただいた吉村先生も所属されています。ここではさまざまな分野(動物学・植物学・有機合成化学等)の研究者が新しいものを生み出す研究をしています。
理学部の様々な可能性について語り、「大学4年生になるとこういう施設をすぐ使える環境が名古屋大学にあります」と強調された東山教授に、参加者からは大きな拍手が送られました。

大学生活や研究内容を知り、将来の幅を広げる。

●第2部:大学院生による大学生活や研究についての講演
 生命理学専攻 大津 美奈 (おおつ みな)氏
 物質理学専攻 瀧瀬 瞭介 (たきせ りょうすけ)氏

第2部では、名古屋大学理学部研究科所属の2名の大学院生に、キャンパスライフや現在の研究内容をテーマにお話ししていただきました。

生命理学専攻 大津 美奈 氏

生命理学専攻 大津 美奈 氏

博士課程2年の大津さんは、大学の仕組みについて、ご自身の「植物の病気(線虫)の研究」についてお話ししてくださいました。
大津さんは、名古屋大学農学部に入学後、農学部の大学院へ進学しました。その後、植物に病気をもたらす線虫に興味を持ち、博士課程から理学部の大学院へ進学したそうです。
農学部は現場で役に立つ研究を行いますが、理学部は基礎研究を行うことができるため理学部の大学院への進学を決意しました。基礎研究の大変さや面白さを、研究内容や実際の毎日の生活スケジュールをもとにお話しくださり、より具体的に理解できる内容でした。
高校生の時には、生物が好きだからという理由で名古屋大学農学部をめざして進学しましたが、大学に入ってから自分のやりたいことが見つかり現在に至っているとお話しくださった大津さんのエピソードは、漠然と進路を考えている参加者にはとても参考になり、また大学へ進学してからのイメージが沸くものとなりました。

物質理学専攻 瀧瀬 瞭介 氏

物質理学専攻 瀧瀬 瞭介 氏

修士課程1年生の瀧瀬さんは、冒頭に、高校時代は河合塾の塾生であったこと、そして大学生のときに河合塾名駅校でチューターをしていたことをお話されました。参加者は、講演者である瀧瀬さんが身近な先輩と感じられ、自然と講演に集中していきました。
名古屋大学理学部の仕組みと具体的な大学生活についてのお話しでは、1年次に基礎を学び、2年次に専門科目を決定するので、大学に入学して何を学びたいか具体的になっていない学生であっても、1年次に自分の進路についてゆっくり考えることができるというフレキシブルさがある、と説明されました。3年次からは学生実験が始まり、4年次は、朝から晩まで実験を行います。
また、研究は「触媒を介して分子を合成し、化合物を作る研究」をおこなっているそうです。
名古屋大学理学部は、ノーベル賞の受賞者や、その他数々の賞を受賞している人が多く、研究設備や研究環境が整っているため、大学院入試では最難関校であると言っても過言ではありません。瀧瀬さんは、海外で開催される学会で発表する機会や海外留学も経験され、充実した研究生活を送られている様子がうかがえました。
大学生活や研究生活について楽しんでいらっしゃることが参加者に伝わり、大学生になってからの生活がより具体的になった参加者から大きな拍手が送られました。

どの分野の講演も専門的で興味深く、貴重な経験談を実際の生活に絡めて語っていただいたため、理学部の世界がより理解できる講演でした。

専門分野をより深く、興味と経験・知識の交換会。

●第3部:講演者と参加者による懇談会

第1部、第2部の終了後、東山教授と大学院生2名はそれぞれのコーナーに分かれ、参加者との懇談会が行われました。

講演者と参加者による懇談会

東山教授の周りに集まった参加者に、「質問がある方」と声をかけると、次々と手が挙げられました。直接講演の内容について問う質問もあり、教授も参加者の意識の高さに驚いておられました。

「トランスフォーマティブ生命分子研究所について、具体的にどのように協力して研究を行っているのですか?」
生命現象に関わるメカニズムを生物の研究者が見つけて、化学の研究者が作ったりします。たとえば生物時計の研究では、分子を一つずらすと周期が変わりますが、分子をずらして新しい分子を作るのを化学の分野で行います。このように、研究所では生物と化学の間のキャッチボールが日常的に行われます。
「トランスフォーマティブ生命分子研究所に入りたいが、どこの大学に行くと有利・不利ということはありますか?」
大学4年から関わりたいなら、もちろん名古屋大学になりますが、大学院からでもいいなら他大学でも大丈夫です(瀧瀬さんのお話にあったように、院の化学の倍率は高いようですが)。
「先日の名大研究室の扉in河合塾(工学部)で、川瀬教授が『理学部は科学に貢献する学問』と言われていましたが、そうですか?」
そういう面もありますが、理学部の我々も「何かの役に立つと良い」というイメージを持って研究することはあります。まずは『おもしろそう』というのが最初のきっかけです。
「研究していて、楽しかった瞬間は何ですか?」
やはり、“世界中で一番初めにこれを見ているのが自分”、というのが多くの研究者が一番嬉しい瞬間だと思います。
「他にどのような研究テーマがありますか?」
たとえば生物時計の研究があります。この分野は伝統的に名古屋大学が強いのですが、植物と動物の生物時計で、時計の中心を探す研究が進んでいます。もともと日本では植物科学・有機合成化学の分野の研究が進んでいるのですが、最先端の研究者が同じ場所で研究できるのはトランスフォーマティブ生命分子研究所(ITbM)が唯一だと思います。

研究所や研究生活についての質問が多く、真に理学に興味のある意識の高い方々が参加されていることがうかがえました。
大学院生のお二人には、参加者から「就職について」「理学部と理工学部の違いは」「毎日何時まで研究をしていますか」「化学が苦手ですが、化学の楽しさはどういう所ですか」「名古屋大学理学部は二次試験で国語が課されますが、どのように受験勉強をしましたか」など多岐にわたる質問があり、その一つひとつに実体験を交え、専門的な内容もわかりやすくお答えいただきました。
参加者と一体となった親しみやすい雰囲気の中で、第一志望合格に向けてやる気が芽生え、大変有意義な時間となりました。

参加者の感想(一部抜粋)