医進フェスタ「主要大学 医学部医学科 入試相談会」 イベントレポート | 体験授業・イベント
医学部入試情報と合格のノウハウ、医学部教育の現状を解説
2020年10月4日(日)、河合塾麹町校にて医進フェスタ「主要大学 医学部医学科入試相談会」を開催しました。
日本医科大学医学部長による講演会、入試担当者(千葉大・東京医科歯科大・横浜市立大・順天堂大・東京慈恵会医科大・日本医科大)による説明会や個別相談会では、大学のナマの情報を入手できる絶好の機会となりました。
また、河合塾講師による学習ガイダンスや、進学アドバイザーによる入試情報講演では、入試情報や学習法について熱心に質問する保護者や生徒の姿が見られました。
特別講演として、日本医科大学 安武 正弘 医学部長より、日本医科大学のカリキュラムを例に、現在、未来の医学教育のあり方をお話いただきました。以下に講演の一部を紹介いたします。
- 日時
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2020年10月4日(日)
- 会場
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河合塾 麹町校(全国医進情報センター)
- 対象
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中学生・高校生とその保護者の方
特別講演 医学教育「革命の時代へ」
日本医科大学 安武 正弘 医学部長(総合医療・健康科学分野 大学院教授)
■克己殉公の精神を胸に刻み、世界の人々のために尽くす
日本医科大学の学是「克己殉公」とは、“己に克ち、広く人々のために尽くす”の説明と、その精神を基に140年以上にわたって人間性豊かな医師や医学者を育成してきたことが紹介されました。
日本医科大学の前身「済生学舎」から続く140年以上の歴史の中で、黄熱病の研究で広く知られている野口英世、第二次世界大戦後にドイツでチフス医療に奔走した肥沼信次など、多くの卒業生たちがこの学是を胸に、医療に貢献されています。
■2つのキャンパスと4つの付属病院
武蔵境キャンパスと千駄木キャンパス、4つの付属病院の紹介がありました。未来へつづく病院づくりとして、2018年にグランドオープンした日本医科大学付属病院や、2021年開院予定の武蔵小杉病院の新病院建設計画により、学生たちが時代に即した、多角的な視点から学びを得られる医学教育を追及しているというお話がありました。
■8つのコンピテンスへの道
現在の医学部教育は、医療知識や技術を教える教育から「アウトカム基盤型カリキュラム」といって学生が確実に知識や技術を修得できたかどうかを確認しながら単位を与える教育にシフトしていること。そのために日本医科大学では、卒業時に身につけるべき8つのコンピテンス(到達目標)を定め、これに基づいて、各科目でコンピテンスのうち何を育成しようとしているかと、何ができたらその力が身についたかを段階的かつ具体的に示したマイルストーンを作成して成績評価を行っていることが説明されました。
また、医学医療の国際化に対応した医学教育改革が進んでおり、臨床能力育成のために、PBL(課題解決型学習)や臨床実習が重視されています。4年次後半からの診療参加型臨床実習に進むためには“第二の国家試験”と言われるCBT(Computer-Based Testing)による医療知識の試験と、OSCE(オスキー、Objective Structured Clinical Examination)という、医療面接、診察、外科手技・救急の実技試験に合格する必要があることが説明されました。
■学生へのメッセージ
どんなに教育テクノロジーが進化しても、それをどう利用してどう自分のものにするかは学生自身、最先端の教育環境とシステムを学生自身が使いこなすことが大切です。「医師として社会に貢献したい人を待っています」という言葉で締めくくられました。