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名古屋大学×河合塾 共催イベント「名大研究室の扉in河合塾」第5回 経済学部「足りないものを分けるには:二千年前はどう考えていたか」 イベントレポート | 体験授業・イベント

名古屋大学と河合塾のタッグで授業。

名大研究室の扉in河合塾5

名大との共催イベント「名大研究室の扉in河合塾」第5回 経済学部を、2014年9月14日河合塾 千種校で開催しました。

河合塾と名古屋大学が共同で行う特別イベントとして、高校生・高卒生・保護者の方を対象に、名古屋大学経済学部の教授と大学院生をお招きし、講演会や懇談会を実施しました。約50人の生徒・保護者の方が、名古屋大学の先端研究者の講演を聞き、大学での研究の奥深さや楽しさを体感できる絶好の機会となりました。

冒頭、名古屋大学学術研究・産学官連携推進本部特認教授の虎澤教授から、小川教授の紹介がありました。

講演内容

第1部:名大教授による最先端研究についての講演
第2部:大学院生による大学生活や研究についての講演
第3部:講演者と参加者による懇談会

日時

2014年9月14日(日)14:00~16:00

会場

千種校

対象

高校生・高卒生と保護者の方

経済学を考えるということ

経済学研究科 小川 光教授

●第1部:足りないものを分けるには:二千年前はどう考えていたか
 経済学研究科 小川 光教授

第1部では小川教授に、経済学部では何が学べるのかについてお話し頂きました。
経済学部は、①経済理論・経済政策、②経済体制・経済史、③経営理論・会計論の3つのカテゴリーがあり、歴史的に問題解消策を見つけたり、企業が直面する課題から経済について幅広く知り、調べたりすることができます。
小川教授はまず、分けることでなぜケンカやトラブルが起こるのかという問題について、分けるものの対象として最初に、石油・土地・お金を例に説明してくださいました。その他、人材・アイデアといった企業視点から考えられるもの、出会い・能力・時間といったより個人に落とし込んで考えられるもの、また、愛・善意・利他心・寛容など心の中に関することも限られたもの、それらを有限資源として考えたとき、その有限資源を「市場」という仕組みを上手く使って問題を解決し、さらに良い仕組みを発明していこう!と考えることが研究であると語られました。

そして、ロバート・ジョン・オーマン(1930年ドイツ生まれ、ユダヤ人。ノーベル経済学賞受賞者)が長年の研究テーマとしてきた「ミシュナの分配法則」を例に挙げ、約2000年前の当時のユダヤ教の聖典ミシュナにかかれている法則が、相手の主張を満足させる手法として現在の経済学にも生かされていることを教えてくださいました。途中、質問形式で参加者に答えてもらうなど、普段の小川教授の大学の講義さながらの方法で、会場の雰囲気作りもしてくださいました。
最後に「経済学を使って研究するとは何なのか?」ということに対し、「問題を発見し、自分なりの仮設を設定すること。そしてその仮説を検証して、問題の解決にあたること。」、「限りある物をいかに上手く利用する(分ける)かについて、人間の行動を研究することだ。」と語られた小川教授に、参加者からは大きな拍手が送られました。

大学生活や研究内容を知り、将来の幅を広げる。

●第2部:大学院生による大学生活や研究についての講演
 社会経済システム専攻 鈴木健介 氏
 産業経営システム専攻 濱田知美 氏

第2部では、名古屋大学経済学部研究科所属の2名の大学院生に、キャンパスライフや現在の研究内容をテーマにお話ししていただきました。

社会経済システム専攻 鈴木健介 氏

社会経済システム専攻 鈴木健介 氏

ドイツ・フライブルグへの留学経験から、国境を越えた流通を目の当たりにし、さらにヨーロッパ経済を専門とする教員との出会いをきっかけに、国際経済学の研究への道に進まれたという経緯を熱く語ってくださいました。国際的な取引が進めば、各国の産業も変化を伴うことに注力し、その研究を進めることで国際分業の活発性を知ることができるため、充実した大学院生活(研究生活)を送られていることが魅力的に伝わりました。
最後には、「自分の興味関心を探すこと。見つからなかったら興味がないことを探してみる。」など、モチベーションを保って頑張ることの大切さを教えてくださいました。

産業経営システム専攻 濱田知美 氏

産業経営システム専攻 濱田知美 氏

当初は警察官をめざされていた濱田さんは、ご自身の進路を改めて考えた際、『イノベーションのジレンマ—技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』という企業経営の理論を分析した本がきっかけで大学院進学をされたことをお話してくださいました。
「企業や企業間、産業内に起こる社会的現象のメカニズム」を明らかにすることを研究目標とし研究づくしの毎日の中で、研究内容が評価されたときの喜びや、思うようにいかないときの心情などを含めながら、「定量的な手法で解明されていない社会現象は沢山あり、解明を望む人も沢山いる。」と、ご自身の研究への情熱がひしひしと伝わってきました。

どの分野の講演も新鮮で興味深く、経済学という研究について幅広く語っていただいたため、経済学部の世界が身近に感じられる講演でした。最後には温かい拍手が送られました。

専門分野をより深く、興味と経験・知識の交換会。

●第3部:講演者と参加者による懇談会

第1部、第2部が終了後、小川教授と大学院生2名はそれぞれのコーナーに分かれ、参加者との懇談会が行われました。

講演者と参加者による懇談会1

小川教授の周りに集まった参加者に、「質問がある方」と声をかけると、次々と手が挙げられました。小川教授は一つずつ丁寧に質問者が理解できるよう回答されました。「実験経済学ってどうゆうもの?」という質問には、「実際に大学に、主婦や学生などさまざまな人を呼んで実験をし、人間の行動のくせや傾向を分析すること」などわかりやすくお話いただきました。
「英語力がどのくらい必要?」という質問には、「大学院生では英語力は高いレベルで求められるが、初めは日本語で経済学の内容が理解できることを重要としているので、心配はいらない。」とアドバイスをいただきました。

講演者と参加者による懇談会2

大学院生のお二人には、参加者から「経済学の面白さ」「経済学の研究意義について」「経済学における数学の必要性について」「大学での留学について」「卒業研究について」など多岐にわたる質問があり、そのひとつひとつに実体験を交え、専門的な内容もわかりやすくお答えいただきました。

参加者と一体となった親しみやすい雰囲気の中で、第一志望合格に向けてやる気が芽生え、大変有意義な時間となりました。

参加者の感想(一部抜粋)