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河合塾>体験授業・イベント>名古屋大学×河合塾 共催イベント「名大研究室の扉in河合塾」第13回 理学部

「惑星の誕生に迫る-小惑星探査機はやぶさ2の挑戦-」名古屋大学×河合塾 共催イベント「名大研究室の扉in河合塾」第13回 理学部

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講演内容

第1部:名大教授による最先端研究についての講演

第2部:大学院生による大学生活や研究についての講演

第3部:講演者と参加者による懇談会

日時

2016年5月29日(日)14:00~16:00

会場

名古屋校

対象 中学生・高校生・高卒生と保護者の方

名古屋大学と河合塾のタッグで授業。

第13回 名大研究室の扉in河合塾

3年目となる名古屋大学との共催イベント「名大研究室の扉 in 河合塾」2016年第1回 理学部を2016年5月29日河合塾名古屋校にて開催しました。
河合塾と名古屋大学が共同で行う特別イベントとして、中学生、高校生、高卒生、保護者の方を対象に名古屋大学理学部の教授と大学院生をお招きし、講演会や懇談会を実施しました。約170人の生徒・保護者の方が、名古屋大学の先端研究者の講演を聞き、大学での研究の奥深さや楽しさを体感できる絶好の機会となりました。

冒頭、名古屋大学の國枝 秀世(くにえだ ひでよ)副総長から「理学の研究で一番大事なことは自然に学ぶということ。理学の研究者は皆その気持ちで向かい合って研究をしている」そして「大学入試に合格することがゴールではなく、どの大学に入って、どの先生に何を学んで4年後、6年後社会に出てどういう貢献するのか。そういうことを考えて道(大学)を選んでほしい。決して偏差値で大学を選ばないでほしい」との2つのお話がありました。

最新技術が解明する太陽系の歴史

第1部:「惑星の誕生に迫る-小惑星探査機はやぶさ2の挑戦-」
渡邊 誠一郎(わたなべ せいいちろう)教授 (環境学研究科)

渡邊 誠一郎(わたなべ せいいちろう)教授(環境学研究科)

第1部では、渡邊教授から自己紹介と研究室の紹介からスタートしました。
名古屋大学理学部は2年次に学科配属を行います。渡邊教授が教鞭をとられている地球惑星科学は、数学・物理学・化学・生物学を総動員して、地球と惑星の動態と歴史を探求する学問とのことです。

次に、本日の講演テーマである「はやぶさ2」についてお話いただきました。
太陽系の形成を探る-「はやぶさ2」の背景について、NASA宇宙探査機ボイジャー1号、2号が明らかにしたこと、太陽系(地球の家族)の復習、そして2003年5月に打ち上げ、2010年6月に帰還した「はやぶさ」、2014年12月に打上げられた後継機の「はやぶさ2」について紹介されました。そして、なぜ小惑星に行くのか、太陽系形勢と小惑星、小惑星の特徴、探査された小惑星・彗星の説明をしていただきました。

続いて、「はやぶさ2」の挑戦についてお話いただきました。
「はやぶさ」が明るいS型の岩石質の小惑星イトカワから持ち帰ったカプセルの中から見つかった粒子分析によって、今までの隕石研究の常識を超えた発見、小天体の表層部分の進化が実証されました。
「はやぶさ2」がめざすものは、暗く有機物や水を多く含むと考えられるC型で地球に接近する小惑星リュウグウで試料を採取し、地球に持ち帰ることです。「はやぶさ」になかった衝突装置を搭載し、クレーターを作って、宇宙線や太陽加熱の影響の少ない内部の物質を世界で初めて採取することを計画しています。クレーターを作る様子は分離カメラで撮影し、画像を地球に送ります。
リュウグウはC型の小惑星ですが、太陽系が生まれた頃の水を含む鉱物や有機物があると考えられています。また、「地球の水はどこから来たのか、生命を構成する有機物はどこでできたのか」といった疑問を解くのが「はやぶさ2」の目的です。さらに、最初にできたと考えられる微惑星の衝突・破壊・合体を通して、惑星がどのように生まれたのかを調べることもできます。最終的には、約45億年前に太陽系がどのように誕生し、地球で生命がどうはぐくまれたのかという大きな流れを理解することをめざしています。
2014年12月に打上げられた探査機は、2018年初夏に小惑星に到着し、1年半とどまってさまざまな観測し、2020年11~12月に帰還する計画です。その後何年もの時間をかけて回収サンプルを分析していきます。

第13回 名大研究室の扉in河合塾

最後に、学問はいろいろつながっていることについて話されました。
「大学ではさまざまな学問が教育・研究されているがそれらはつながって成り立っていて、それらの学問を再統合し、新たな知の体系をつくることが求められています。世界のいろんな場所にいる人と一対一で瞬時につながるインターネット時代において、新しい分野を拓いていくのは学生となる皆さんです」
「知の創造と継承として、大学では事物を集め、言葉を作り、世に伝える。これが本来の大学の使命です。そしてその担い手は皆さんです。ぜひ大学に行く意味を考えてみていただければと思っています」と渡邊教授は締めくくられ、参加者からは大きな拍手が送られました。

大学生活や研究内容を知り、将来の幅を広げる。

第2部:大学院生による大学生活や研究についての講演
多元数理科学研究科 幾何学 木村 誠吾(きむら せいご)氏
理学研究科 素粒子宇宙物理学専攻 素粒子物理学 河原 宏晃(かわはら ひろあき)氏

第2部では、名古屋大学大学院研究科所属の2名に、キャンパスライフや現在の研究内容をテーマにお話ししていただきました。

多元数理科学研究科 幾何学 木村 誠吾 氏

多元数理科学研究科 幾何学 木村 誠吾(きむら せいご)氏

木村さんは、名古屋大学理学部数理学科から大学院研究科の多元数理科学研究科に進まれました。ご自身の大学院での研究内容や生活についてお話してくださいました。
初めに、数理学科を専攻したらその先どんな進路になるのかについて、学部の1年生から博士課程までの流れや研究内容について、高校生がイメージしやすいように説明してくださいました。
また、自己紹介の中で、中学時代に受けた数学の授業で数学研究に興味を持ち、数学教授をめざそうと思ったことが数理学科に進学を決めたきっかけであったこと、高校時代には、趣味が電気工作だったこともあり、工学部に進学しようか迷ったこと、現在は、博士課程には進学せず金融系の専門職に就く予定であることなどお話してくださいました。
続いての数学の研究分野の話では、「代数学」「幾何学」「解析学」「その他(プログラミングなど)」の分野の中で、ご自身の専門分野である「幾何学」について、「空間図形はどのようなパーツで成り立っているか?」を図で示しながら説明され、数学の研究とは「結果と疑問を繰り返すこと」との話に参加者の皆さんも納得されている様子でした。
研究生活の話では、研究室やセミナー(教授や学生の前で自分の勉強内容、研究内容について話す)での写真を見せてくださり、毎日13:00から22:00頃まで研究していることや、学会や学生プロジェクトの紹介など名大研究室の良さや修士課程に進むメリットなど話してくださいました。
そして、数学を研究するうえで大切なこととして「好奇心」と「考え抜くこと」の2つを挙げられました。
最後に高校生の皆さんへのメッセージとして、「大学では、好きなことの勉強はもちろん、部活、アルバイトなどさまざまな体験ができ、多くの人との出会いがある。積極的に多くの経験をして自分のやりたいことを見つけて欲しい」と締めくくられました。

理学研究科 素粒子宇宙物理学専攻 河原 宏晃 氏

理学研究科 素粒子宇宙物理学専攻 河原 宏晃(かわはら ひろあき)氏

河原さんは、名古屋大学理学部物理学科から大学院研究科の理学研究科の素粒子宇宙物理学専攻に進まれました。現在は素粒子や宇宙の研究をされていて、講演ではその研究内容を中心に図や写真を使って丁寧に説明してくださいました。
物理を専攻しようと思ったきっかけは、高校のとき。「コマは、なぜ倒れずに回るのか」に興味を持ち、調べていくうちに、問題に取り組んで考えていくことはおもしろいと感じたからだそうです。
また、「高校物理の先はどうなっているのか」について、大学では、高校で習う力学・電磁気学・熱力学をベースに相対性理論や量子力学なども学び、大学院ではさらに詳しく自分の研究分野について勉強していく流れをわかりやすく話してくださいました。
続いてご自身の専門分野である「素粒子の研究」について、図を使い詳しく説明してくださり、2008年にノーベル物理学賞を受賞した名古屋大学特別教授の小林・益川教授の研究や、記憶に新しい2015年にノーベル物理学賞を受賞した東京大学の梶田教授のニュートリノ振動の発見に触れ、ニュートリノの振動を研究する「OPERA実験」や素粒子を見る特殊フィルムの話も紹介してくださいました。
また、名古屋大学の研究施設「素粒子飛跡読み取り室」や、その実験結果を解析して書いた論文が日本物理学賞を受賞したこと、宇宙研究のために行った海外での経験など、苦しいことばかりではなく楽しいこともあると話してくださいました。
最後に、参加者へのメッセージとして、「研究を進めるのは『楽しい』とか『もっと知りたい』という気持ちから。高校の学習内容も全て最先端の研究につながっている。勉強をぜひ楽しんでください」と話され、参加者から大きな拍手が送られました。

専門分野をより深く、興味と経験・知識の交換会。

第3部:講演者と参加者による懇談会

第1部、第2部の終了後、渡邊教授と大学院生2名はそれぞれのコーナーに分かれ、参加者との懇談会が行われました。

講演者と参加者による懇談会

渡邊教授の周りでは、参加者達が質問に対する教授の回答に興味深く聞き入っていました。

「宇宙学を勉強するにはどの大学に進むといいですか」
どこの大学へ行くではなく、どんな勉強(研究)をどの先生に何を学びたいかを考えて大学に進んでほしいと思います。さまざまな学問が、いろいろな大学で研究されており、それらはつながって成り立っています。インターネットを通じて、世界のいろんな場所にいる人と一対一でつながる時代です。海外の大学へ進学することも考えられます。また大学院へ進学するときに他大学へ変わることも考えられます。

「宇宙の誕生などに興味があります」
学生は、まず初めに宇宙の誕生について興味を持つ方が多いそうです。宇宙の初期について詳しい教授として名古屋大学理学部物理学科には杉山直教授がいらっしゃいます。

学部に特化した質問から、科学技術に関する深い質問まで丁寧に答えてくださり、参加者の知りたいという気持ちが伝わってくる印象的な時間となりました。

講演者と参加者による懇談会

大学院生のお二人には、参加者から「数学の研究は社会でどのように生かされていますか?」「やりたいことはどうやって見つけましたか?」「難しい問題を解くにはどうすれ良いですか?」「名古屋大学ならではの強みはありますか?」「研究の結果証明されたことで実用化されたことはありますか?」など素直な質問が飛び交いました。
予定時間を過ぎても参加者からの質問が尽きない中、お二人は一つひとつの質問に、親身に丁寧に答えてくださいました。参加者の皆さんにとっては大変有意義な時間となったと思います。

参加者の感想(一部抜粋)

はやぶさ2のことに興味があったので、最新のことを知れてとても勉強になった。(中学生)

はやぶさ2の具体的なミッションが分かって良かった。(中学生)

大学院生によるお話では、実際の生活を知ることができたり、体験談を聞いたりできて良かった。今の勉強が後々役に立つことがわかって良かった。(中学生)

大学のことは何も知らなかったが、今回の講演を聴いて高校とはずいぶん違いがあることがわかった。また理学部について良くわかった。(高校1年生)

宇宙・地球系が好きな自分にとって、たまらない内容だった!最先端の研究成果を知ってワクワクした。すごく楽しそう。(高校2年生)

小惑星を探査する目的は、原始の太陽系の歴史を知ることになると知った。学問(=研究)にはその意味・目的があり、それを知ることによりその学問のおもしろさを知ることを経験した。(高校3年生)

難しい話が分かりやすくまとめられていて、とてもおもしろかった。興味のある分野の話が聞けたのが良かった。(高卒生)

「地球が人間をつくって、次はその人間が地球を知ろうとしている」という言葉に感動した。(高卒生)

大学院生によるお話では、お二方どちらも、自身の研究対象に本当に意欲的であるということが伝わった。(高卒生)

大学で学ぶことの楽しさが伝わった。学部の名前だけでは分かりにくいので良い機会だった。(保護者)

遠くにあるものを知ることは、自分たちを知ることにつながり、ますます宇宙に対する興味が広がった。はやぶさ2の帰還により新たな発見があることを楽しみにしたい。(保護者)

大学院生によるお話は、数学の研究をしている人がどんな中・高校生活を送ってきたか、大学ではどうかがわかりやすい。高校生目線で伝えてくれている「伝えたい事がたくさんある!」と院生の方の想いが伝わってきた。(保護者)