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マーク型模試の自己採点の訓練 知っ得!医学部合格の処方箋 実践していますか?~実践編~ | 知っ得!医学部合格の処方箋 | 医の知の森<近畿地区医学科進学情報センター>

2017.9.29公開

まさか明暗を分けたのがコレだったとは・・・

正確な「自己採点」を訓練し、正確な出願決定ができる「受験マネージメント力」を身につけよう!

センター試験の心構えの確認

いよいよ2018年の大学入試センター試験の出願時期が来ました。今年の出願は9月26日(火)~10月6日(金)までです。現役生は高校でまとめて出願しますが、高卒生は自分でチェックして郵便局に書留で出すことになります。この時期になると、いよいよ本番が近づいてきたという緊張感が漂ってきます。

高卒生が自分で記入してきた書類を毎年チェックする時に「受験の心構え」を念押ししていますが、ちゃんと「センター試験受験案内」を読めば理解できるはずのことが、意外と模試の段階では等閑にされていることが彼らとの会話からわかります。例えば、センター試験の本番では解答のマークにシャープペンシルを使用することは認められていないにも関わらず、模試の段階ではまだシャープペンシルを使用している人は意外と多く、彼らは無頓着なようです。

シャープペンシルは筆圧が高くなりがちで、使用するとマークシート用紙がへこむことが多いのです。表からみれば「へこんでいる」のですが、裏を返せば「出っ張っている」ということで、この裏面の出っ張りが次の人のマークシートの表面のカーボンを引っ張るわけですから、自分のマークシートの裏面読みとりが汚れてエラーにならないとは限りません。

模試の実施後、そんなエラーは経験がないとおっしゃる方もおられるでしょう。しかし、それはエラーが出ても、河合塾のスタッフがきれいにしてくれているから、防げていることもあるのをご存じでしたか?センター試験では、そこまでの手間をかけてもらえる保証はないのです。ですから、できれば本番と同じくマーク模試は鉛筆で受験してみてほしいのです。

さて、もしも試験中に鉛筆を取り落として先がマークシートに当たると、ダブルマーク(1行に2つのマークをした状態)として、解答無効になります。ですから、試験中…もっと根本的には、集中しなければいけない日常の学習中に鉛筆を回す癖はやめましょう。

マークシートの塗り方も日常からきちんとするクセをつけたいものです。薄いマーク、濃すぎるマーク、小さいマークなど、読みとりに危険なものは「生活習慣」のようなもので、なかなか改まりません。「本番はちゃんとする」という言い訳で乗り切る人が多いようですが、本番でもこういう人は変わらないものです。そこには、これまでの模試でエラーがなかったという、先ほど述べたシャープペンシルの件と同じ経験値があるのでしょう。大学入試センターの方々が、河合塾の模試処理のスタッフと同じくらい親切であるとよいなぁと思わずにはいられません。

意外と自己採点の訓練をしている人が少ない現実

センター試験が「自己採点」であることはよく知られています。実際にマークシートを作成(塗ってみること)してみるとわかりますが、意外とマークシートを塗るには時間がかかります。

ご承知のとおりセンター試験の時間は、200点満点の英語と国語が各80分、その他の100点満点科目は60分となっています。しかし、いずれもマークシートを作成する時間ロスが5分程度はかかりますから、その分解答の思考に使える時間は少なくなるのが現実です。

ですから、マークシートは「素早く正確に塗る」訓練と、それと同時にマークした内容を問題冊子に正確にチェックし、後で「正確な自己採点の得点を出すこと」もあわせた訓練が必要です。「マーク模試」の場合は「自己採点結果」と実際の「返却された得点結果」の差を見比べて、正確な自己採点ができているかをチェックする訓練を心がける必要があるでしょう。しかし、意外とこの自己採点の訓練をしてみようという受験生は少ないのが現実です。

少しくらい点数が合わないのは仕方ないのか

「センター試験本番」はもとより、「マーク模試」では、問題冊子に自分の選択した解答や記入した数値を記入しておき、これをマークシートにある程度まとめてから転記するのが一般的なやり方です。しかし中には、直接マークシート用紙に解答をマークしてしまって、問題冊子への転記を忘れることがあるかもしれません。「どっちを選んだっけかなぁ」などと曖昧になっては困りものです。また、集中力が途切れると転記する際にマークシート用紙に「行ずれ」を起こすことがあるかもしれません。こうなっては高得点をめざすどころではありません。

センター試験は丸二日間の入試ですし、模試でも丸一日かけての実施ですから、多少は集中力が欠ける時間もあるでしょう。ですから、ある程度のマークのチェックミスは発生するのかもしれません。とはいえ、数点で合否が決定される医学科入試では、それがないように訓練を続けなければならないのです。

統計的に間違いの状況を確かめる

私の手元には、今年の5月に実施された「第1回全統マーク模試」を使い、ある程度の人数のサンプルで、「自己採点」と「本当の点数」の差分がどれくらいあるかを検証した結果があります。

結果的に申し上げると、900点満点で「自己採点」と「本当の得点」との差が正確だった生徒は、なんと2割にも満たない状況でした。正確にはせいぜい17%で、実は「ほとんどの生徒は自己採点が間違っている」のが実態だったのです。

ただし、900点満点での得点差はせいぜい10点までというのが、間違った生徒の大半です。中には20点以上の差の生徒もいてこれは論外ですね。とはいえ、数点で合否が決まる医学科の入試においては、「10点程度なら小さいこと」とはいえないのです。傾斜配点でセンター試験の得点を縮めてくれる大学もありますが、そのような大学ばかりではありませんから、こういった自己採点が不正確な状況では、恐くて出願大学を決定できないことになってしまいます。

受験生は1年間のマーク模試を通して自らの自己採点を正確なものにしようとしていかなければなりません。受験には学力が必要なことは当然ですが、こういった訓練も学習と平行して進めることが期待されているのです。

自己採点は集中力と訓練で

さて、受験生に求められるものは学力だけではないことがこれでおわかりになったことでしょう。いわば「受験マネージメント」のような力も必要です。つまり、正確に自己採点をする力があってこそ、志望大学への正確な合格可能性をはかれるというものです。

これからあとしばらく模試が各社で続くでしょう。特にマーク系の模試では自己採点ができますから、受験生は必ず自分で正確な得点が出せる訓練を、本番までに積んでおくことをおすすめします。正確な「自己採点」を訓練することで正確な出願決定ができるというマネージメント力を、受験生ならば着実にしてほしいものです。