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2017.10.20公開

学習時間は自動的に増える、その心は・・?

学習時間を増やし、質を高めることを長続きさせる秘訣がココに!実践編の「2学期学習編」もあわせてチェックしましょう。

秋の学習スタート

いよいよ10月になり、秋も本番となってきました。2学期になって受験生のみならず高1・2生のみなさんの学習時間もさすがに増える頃ではないでしょうか。しかし、学習時間は増えればそれでいいというものではないことは、多くの方は何となくおわかりのことでしょう。内容が大切ということですね。
しかし、ここでは一応、河合塾の高3生にみる平均学習時間の推移に注目してみましょう。下のグラフをみると、1学期平日に4.7時間だった成績上位(偏差値57.5以上)の人の学習時間が、2学期になって5.3時間にアップしています。同様に、成績中位(偏差値45.0以上57.5未満)・下位(偏差値45.0未満)の人も学習時間はアップしていますから、2学期以降の学習時間はどんな人でも増加していることがわかります。これをみると、多くの受験生は「もっと学習時間を増やさなければ…」と思うに違いありません。しかも、これは河合塾に通学している高3生の学習時間ですから、当然世間の人よりも意欲が高めです。本来あるべき受験生のレベルに近い分、よけいに世間の人の焦りをあおるように思います。

<グラフ1>

1学期の学習時間(2016年度)

<グラフ2>

2学期の学習時間(2016年度)

なぜ学習時間が増えるのかを考える

学習時間が増えたまま継続できる人と長続きしない人がいますが、なぜその違いがあるのでしょう。医学部合格へのスタートとして、まずは考えてみましょう。
なかなか学習時間が増えない人の多くは、学習する時間の「長さ」のみに注目していることが多く、「まず時間を増やす」という外見にとらわれて行動するようです。つまり「目標とする学習完成度」へのこだわりがないために、結果として根本的には何も変える必要がありませんから、当然学習時間を増やすことにはつながらないままになってしまいます。多少学習時間が増えたとしても、多かったり少なかったりの安定しない日々を過ごすことになります。
一方、「目標とする学習完成度」に注目する人は、そのレベルに達するために「より根本的な学習課題」が自分にあることに気づくものです。知識の下支えをしている「より根本的な学習課題」まで重視した学習をせざるを得ませんから、そこまでやっているうちに時間が勝手に過ぎてしまう…。つまり、勝手に(といっては身も蓋もありませんが…)学習時間は増えているだけなのです。

ですから、学習時間を「増やす」という言い方は誤解を招きますね。本来は、学習時間を「かける」というか、「かかる」という言い方の方がぴったりするように思います。「目標とする学習完成度」にこだわる人は、自分の「些細な弱点もないがしろにしない」ものです。やるべきことをやれば、学習時間が自動的に「かかるようになる」のが「学習時間が増える」ことの本来の姿といえるでしょう。

演習とともに基本にこだわる

「目標とする学習完成度」にこだわるといえば、当たり前のことを言っているようですが、医学部をめざすレベルの人でさえ、こういった「些細な弱点もないがしろにしない」という基本で引っかかる人はかなり多いのが現実です。というのも、めざすレベルが高い人ほど、「基本」はある程度大丈夫だから「演習」を積む方が良い、「大学の過去問」をもっとやらなければならない、などの脅迫観念にとらわれて行動することが多いからです。
「基本」ができていなければ、「大学の過去問」を何度やっても「できない自分を何度も確認するだけ」なのに、「難問に取り組んでいればいつかできるようになる」という妙な思いこみで学習し続けて失敗するものなのです。あくまで基本ができていることが前提での「過去問演習」であることはいうまでもありませんね。

医学部志望者はセンター試験の数理で失点してはいけない

医学部志望の方は理系生ですね。ならば、大学入試センター試験の数学や理科で満点が取れるくらいの気合いがほしいところです。私がいう「些細な弱点もないがしろにしない」ことの成果としては、そのレベルを「目標とする学習完成度」と考えています。決して「やさしい問題ばかりをしなさい」といっているわけではないのです。
センター試験では60分の制限時間がありますから、のんびり解いていて満点近くの得点が得られるはずはありません。着実な集中力の発揮と解答のスピード感があってはじめて可能なことです。見た瞬間に解答方法の筋道が思い浮かぶくらいの問題がいくつかないと、そうはなりません。
先ほど触れた数学と理科に注目すると、センター試験の数学2科目と理科2科目では合計400点満点ですが、そのうち380点くらい皆さんは取れそうでしょうか。そう尋ねられると「些細な弱点もないがしろにしない」学習をせざるを得ませんし、日頃やるべきことが脳裏に浮かびますね。結果としてその方法が「学習時間の質」を高めますし、成果を出すことに直結するものなのです。

学習することは「自分づくり」だと理解しよう

国公立大なら二次試験対策の演習、私立大なら大学の過去問に即した対応は、そのうえで同時にやる必要があるでしょう。現役生は当然ながら日常の高校の学習内容の予習や復習もそれと同時にしなければなりません。しかし、それをこなすだけの力を皆さんは持っているはずです。受験生とは、忙しいけれども、ある意味「自分づくり」の過程でもある楽しいものなのです。学習をする過程で、おそらくこれまでの自分にはない、いろいろな可能性を皆さんが自分自身に発見するに違いありません。
そう考えて日々を前向きな気持ちに切り替えることもまた、学習時間を増やし、質を高めることを長続きさせる秘訣といえるでしょう。