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医学部医学科ガイダンス 医学部特別講演「救急医が未来の医学生に望むこと」 イベントレポート | 体験授業・イベント

将来求められる医療、未来の医学生に望まれる力

2017年10月14日に河合塾 名駅キャンパス名駅校にて、医学部医学科ガイダンスを開催しました。
高校生・高卒生・保護者の方を対象に、医学部医学科の大学教授や入試担当者をお招きし、講演会や個別相談会を実施しました。
その他にも、現役医大生による体験談の講演や個別相談コーナーを設けるなど、医学部医学科志望者にとっては大学のナマの情報を入手できる絶好の機会となりました。

また特別講演として、救急医療を専門にされている名古屋大学医学部附属病院 救急科の山本 尚範先生に、救急医療とは何か、医学部卒業後のキャリアプランなどをお話していただきました。
来塾者は受験生の方をはじめ、保護者の方々を中心に約150名の参加がありました。

会場の様子
会場の様子
会場の様子
会場の様子

医学部医学科ガイダンス 医学部特別講演

日時

2017年10月14日(土)16:10~17:40

会場

名駅校

対象

高校生・高卒生と保護者の方

山本尚範先生

<講演者プロフィール>

大阪市立大学医学部医学科卒業後、主に名古屋大学医学部附属病院で働く。
中東遠総合医療センター救命救急センターの立ち上げにも携わった。
小学校から浪人時代まで、河合塾千種校と名駅校で学んだ。
現在は名大病院で救急集中治療医学分野の陣頭指揮をとる。

山本先生は、まず初めに、2011年3月11日に発生した東日本大震災の被害地へ赴いた際の経験をご紹介いただきました。市街地にあるビルに大きな船が流れついた写真を見せて、参加者に何を感じるか質問をされました。「言葉にならない」そして「死」を感じる写真を前に、人は亡くなることを前提として生きていくことの大切さを、亡くなった方が教えてくれると話されました。
次に、山本先生が医学科をめざしたきっかけをお話されました。山本先生が高校生の時、阪神淡路大震災が発生しました。それまで大きな地震や災害があまりなかった日本に起きたこの震災は、日本人の心を大きく変えました。当時、生徒会に所属していた山本先生は、駅前で募金活動を行い、寄付金を集める活動を行っていました。募金活動で得た資金を活用して生徒会でボランティア組織を作り、震災で親を亡くした中高生へ寄付金を渡したり、現地へローテーションで赴いて災害援助活動を行ったりしました。この活動をきっかけに、医学科をめざそうと決意した山本先生は医学科に入学をされました。
ここで山本先生は、「なぜ受験勉強をするんだろう?」「受験勉強はつらいですか?」「勉強で楽しい部分や面白いと思う部分はありますか?」という問いを参加者に投げかけました。受験は医師になるための手段です。しかし受験勉強は無駄ではなく、一定の知識を身につけることができます。例えば、社会(地歴公民)は、自分の知らない世界や過去の世界を知ることができます。また社会の枠組みや背景を知ることで、医師になってからも、研究するに至った背景などを理解することができるため決して無駄ではない、とさまざまな角度から受験勉強の意義を説明されました。
医学科卒業後、山本先生は救急医療を専門に仕事をされています。その一例として、震災時などに多数の負傷者が出た場合は、トリアージタッグ(傷病者の緊急度や重症度に応じて、適切な処置や搬送を行うために傷病者の治療優先順位を決定するためのタッグ)を利用して、手当てを必要とする負傷者の緊急度合を可視化し明確にしています。救急医療は、毎日死に接する仕事であり命の選別をしなくてはならない苦しさがあることを教えてくださいました。
そして、キャリアパスについても教えてくださいました。医療に関わる仕事は多方面にわたり、患者さんを最前線で診る臨床医、病気や薬のメカニズムを研究する基礎研究者、どんな薬や治療法が有効かを見い出す疫学者、WHO(世界保健機構)や厚生労働省などで働く行政官などさまざまな選択ができます。またキャリアパスの例として、ワールドバンクの総裁がもと医師であったことを紹介されました。

講演の様子

最後に、浪人や学閥についてお話をされました。浪人は無駄ではなく、将来のキャリアに何の問題もないこと、そしてどこの大学の医学科を卒業しても医療現場で活躍することに関してまったく関係ないと力強く語られ、浪人は無駄ではない、前を向いて生きていくこと、人生はいつだって旅立ち、と受験生へ向けてエールを送られました。
参加者を巻き込んだ笑いが絶えない講演となり、参加者からは大きな拍手が送られました。

参加者の感想(一部抜粋)