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平成30年度(2018年度)試行調査(プレテスト) 高大接続改革シンポジウム

大学入学共通テスト導入に向けた試行調査(プレテスト)分析

ここでは、2018年11月に実施された「大学入学共通テスト 試行調査(プレテスト)」の河合塾が作成した分析コメントを公開しております。

大学入学共通テスト試行調査(プレテスト)問題等は下記のリンクよりご確認ください。

総括

「平成30年度試行調査(プレテスト)」(以下、第2回試行調査)は、昨年度に実施された「平成29年度試行調査(プレテスト)」(以下、第1回試行調査)の結果分析・検証を踏まえつつ、問題作成や採点方法、試験の実施運営等を含めたより実際の試験実施体制に近い総合的な検証を目的として、平成30年11月10日・11日に、全国約8万4,000人(大学入試センター発表受検予定者数)の高校生が参加して実施されました。
全般的には、第1回試行調査の方向性は踏襲しながら、分析で出た課題を忠実に修正した印象です。大学入学共通テストのねらい、受験生の得点状況、採点など実施面における実現可能性のバランスに、より配慮されたものになっています。

第1回試行調査から引き続き見られた特徴

○提示された文章や資料等を読み解き、必要な情報を組み合わせて思考・判断させる問題の出題。

○学習の過程を意識した場面設定(高校の授業や日常生活の場面など)で知識の理解や思考力等を問う問題の出題。

○初見の資料等の題材で、これまで身につけた知識の理解や思考力等を問う問題の出題。

○マーク式問題における新たな解答形式の導入(当てはまる選択肢を全て選択させる問題、解答が前問と連動して変化する問題 等)。

○記述式問題の出題(国語、数学Ⅰで各小問3題)。
 国語:第2回試行調査では、30字以内、40字以内、80字~120字を各1題
 数学I:数式を記述する問題、または問題解決のための方略等を端的な短い文で記述する問題

○英語では、資格・検定試験の活用に関する方針を踏まえた出題形式の変化。
 筆記(リーディング):4技能のうち「読むこと」の力の把握に特化。
 リスニング:資格・検定試験で一般的な在り方を踏まえて、1回読みと2回読みの混在型での実施。
など

第1回試行調査と比較した主なポイント

○複数科目での難度の改善。(第2回試行調査は平均得点率(平均正答率)5割程度として実施。2018年12月に大学入試センターが公表した第2回試行調査の「マーク式問題に関する実施状況(速報))では全19科目等のうち14科目等が平均得点率(正答率)5割程度以上となっており、多くの科目で改善が見られた。ただし、数学や理科の一部科目で難度の調整が必要と思われる科目もある。)

○全体での「問題の量の多さ」が指摘された科目での問題の文章量の減少(数学I・数学A、国語、生物、世界史Bなど)。

○正答率が低い記述式問題に対する改善。
 国語:特に文字数の多い設問(問3)の「正答の条件」が整理された(個々の条件の中には、1つの条件のみ設定されるようになった)。
 数学:「単一の数式」2題と「数式とごく短い文」1題の計3題となり、よりシンプルな記述内容となった。

○英語では筆記(リーディング)とリスニングの配点が均等に、どちらも100点となった。
など

教科・科目別分析

英語(筆記[リーディング])

[分量・難度]

試験時間は80分。大問数は6題。
第1回試行調査と同様、語彙レベルがコントロールされており全般的に読みやすい。総語数もほぼ同じ。
センター試験とは、形式が異なるため単純な比較は難しいが、本文の語数はほぼ同じ、図表および設問の語数は約2倍となっており、総語数は約1000 words多い。※語数は河合塾調べ
比較的読みやすいといえるものの、総語数が多く、センター試験とは異なる解答形式の「当てはまる選択肢を全て選択する」設問などが、難度が上がる後半の大問に含まれているため、上位層でないと難しく感じただろう。

[特徴・指導]

第1回試行調査に引き続き、発音、アクセント、語句整序などの、話す力や書く力を直接測るような問題が一切含まれておらず、会話文も見られない。読解力を問う問題のみで構成されている。早期から語彙レベルがコントロールされた英文を使って、概要を捉えたり、必要な情報を的確に読み取る練習を繰り返すことが効果的である。また、文法・語法の力を単独で問う問題は出題されていないものの、基本的な文法・語法力は全般的に必要である。

英語(リスニング)

[分量・難度]

試験時間は30分。大問数は6題。
第1回試行調査のリスニング(バージョンB)と同様、第2回試行調査では読み上げ回数が1回読みと2回読みが混在する構成で実施された。
音声面では、センター試験よりも自然な英語の読み上げ方となっており、慣れていない生徒は聞き取りづらく感じいただろう。また難度が高く分量の多い、後半第4問以降の読み上げが1回読みであることなど、センター試験よりも難度が上がる要素がいくつか見られた。
ただし、第1回試行調査では第3問以降が全て1回読みだったが、第2回試行調査では第3問までが2回読みとなった。また、「選択肢が2回以上使用可能な問題」で、第1回試行調査では4つもしくは6つの空欄全てが正解でないと正答とならなかったが、第2回試行調査では、1つもしくは3つとなっていた。これらの点などで、全体の難度を下げようとする工夫もみられた。

[特徴・指導]

音声面では、第1回試行調査同様、英語の多様性を考慮したのか英語を母語としない国の読み上げ者もいたと思われる。また、教材的な音声ではなく、全般的に自然な読み上げ方をしているので、早期段階から、そのような読み上げ音声に慣れておくことが大事だろう。
設問面では、第1回試行調査に引き続き、実際のコミュニケーションを想定した明確な場面、目的、状況の設定が重視されており、図表・グラフを読み取らせたり、資料の概要を的確に聴き取らせたり、複数の情報や意見を比較して判断・検討する力を評価しようとしたりする意図が強くうかがえる出題となっている。また、第1問で音声による文法理解を問う問題(「文法」と「聞く」の技能を統合した新傾向の問題)が出題されているのも第1回試行調査同様である。
なお、配点が筆記(リーディング)と同じ100点となったことも大きな特徴であり、早期の対応が必須と思われる。

数学I・数学A

[分量・難度]

試験時間は70分。大問数は5題(選択問題があるため受験生が解答する大問数は4題)。
第1回試行調査同様、記述式問題が追加され、試験時間が60分から70分へと増加している。
第1回試行調査と比較すると、問題量はほとんど変化ないが、各問題の導入部にある文章が短くなり、その影響からページ数が減少した。第1回試行調査に引き続き「すべて選べ」という設問形式がみられたり、最後の設問については解答を導くための誘導を排除した出題形式もみられ、センター試験と比較すると自分で考える分量が増加し、難度が高くなっている。全体としてみると、受験生の負担が大きい印象である。

[特徴・指導]

第1回試行調査と同様、会話のやりとりが含まれたり、コンピュータソフトを場面設定に用いた問題もあり、日常生活を題材とした問題が含まれている。
文章を早く正確に読むことが必要なので、様々な文章を読む習慣をつけることが効果的。
単に公式を覚えて使いこなす学習では対応できないため、公式を学習するときには証明まで理解するなどの意識が必要である。例えば、教科書で「○○○の場合も同様」などと書かれ、証明が省略されている場合もきちんと手を動かして確認することが大切である。
記述式問題は、「単一の数式」と「数式とごく短い文」を問う出題となり、第1回試行調査と比較して易しくなった印象である。
採点がall or nothingである点は第1回試行調査と変わらない。
数式だけを答えさせる設問であっても解答表現は一意には定まらないため、採点基準の工夫のみではなく、採点のブレをなくすためには、チェック体制の構築と、継続的なチェック機能の検証が必要と思われる。

数学II・数学B

[分量・難度]

試験時間は60分。大問数は5題(選択問題があるため受験生が解答する大問数は4題)。
第1回試行調査と同様、センター試験と比較して、問題量に対して解答時間が足りないという受験生が多かったと思われる。
第1回試行調査と比較すると内容はやや易しくなった印象であるが、いくつかの大問の最後の設問には解答を導くための誘導がみられず、難度を上げている。選択問題は難度に多少のばらつきがあり、類似問題を過去に解いたことがあるか否かで得点に差が出る。

[特徴・指導]

内容は第1回試行調査と大きな変化はない。選択肢からあてはまるものを「すべて選べ」という設問がみられたが、グラフを選ぶ設問は減った。
第1問〔3〕指数関数・対数関数では、受験生にとってなじみのない「対数ものさし」を題材とした問題が出された。「対数ものさし」の仕組みを理解しないと解答することはできない。その場で解答に必要な情報を集める力が問われており、未知の題材を含む問題に対して、積極的に取り組む態度が必要である。

国語

[分量・難度]

試験時間は100分。大問数は5題。
第1回試行調査と同様、記述式問題が追加され、試験時間が80分(センター試験の試験時間)から100分へと増加しており、現代文3題(記述式問題1題含む)、古文1題、漢文1題の構成となっている。
第1回試行調査に比べて、全体的な文章量は現代文を中心に減少。難度は、国語全体としてはやや易しくなっている。(現代文、古文、漢文ともに やや易しくなった。)センター試験とは構成が異なるため、マークシート式問題部分だけを比較するとほぼ同程度の難度と思われる。(現代文、古文はほぼ同じ、漢文はやや易しくなった。)

[特徴]

・現代文
素材(テクスト)の出され方に変化がみられた。第1回試行調査とは異なり、第1問の記述式問題では実用的な文章ではなく、論理的な文章(二つの短い論理的な文章と一つの資料[もっと短い論理的な文章])が出題され、第2問では論理的な文章と実用的な文章(ポスターの文章、法律の条文)が出題された。実用的な文章は題材としてはずせないということであろう。
また、第3問は小説ではなく、同一作者による詩とエッセイが出題された。センター試験では、題材とされる文学的な文章は小説に限られていたが、大学入学共通テストでは、小説に限らず、短歌、俳句、詩、エッセイ、文芸評論などのうちの二つを組み合わせるような形式で出題されるのではないかと思われる。
記述式問題では、第1回試行調査と同様、3題の小問が出題されており、もっとも解答字数が多い問題(80~120字)は、4つの条件付記述式問題である。「正答の条件」についても、複雑にしないようにする改善が見られ、正答率も多少上昇するのではないかと思われる。
記述式問題、マーク式問題のいずれの問題でも複数の性質の異なるテクストを関連づけて考える力が問われている。
・古文
第4問の問題文は『源氏物語』で、問1から問4までは問題文のみに関する問題。最後の問5に付された対話文で、問題文中の引き歌表現が話題にされ、もとになった『遍昭集』の歌とその詞書が引用されており、その歌と問題文の内容の関連を問う設問になっている。引き歌とそれによる問題文の表現という二つのテクストの関連を、現代の生徒と教師の対話という別のテクストを設定するかたちで問うている。
・漢文
第5問では、故事成語の原典となった漢文の現代語訳と、当該の故事成語と関連性のある漢文が出題されており、複数の文章を対比させたいという意図が見られた。また取り上げられている故事成語が日本人にも比較的なじみのあるものであることから、漢文と日本文化との関係性を意識させようという意図も窺われる。

[指導]

基本的な知識や読解力、記述力をしっかりと養いつつ、複数のテクストを関連づけて解答するような問題に慣れておくことが望ましい。現代文の記述式問題においては設問に合うように表現を工夫しながら字数制限内にまとめる力が必要である。

物理基礎

[分量・難度]

試験時間は物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎から2科目選択で60分。物理基礎の大問数は3題。
設問数はセンター試験と大きな差はないが、実質的な問いの数はセンター試験よりやや少ない。しかし、会話文形式やグラフ解読の設問が設けられている分、解答に時間を要するため、全体的な分量としては適当と思われる。難度もセンター試験と同程度。

[特徴・指導]

センター試験の難度や分量を踏襲しつつ、新しいタイプの設問が加えられている。具体的には、斜面上の台車の運動を打点した記録テープから、台車の平均の速さや加速度を求める実験・観察の問題、ケーキ生地に電流を流してケーキを焼く実験を物理的に考察する問題などが挙げられる。
センター試験と同等の対策が必要な他、物理の法則や原理を示しながら考察の過程やその論理を説明することや、実験データの扱いの経験を積むことが大切である。

化学基礎

[分量・難度]

試験時間は物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎から2科目選択で60分。化学基礎の大問数は3題。
センター試験は大問2題の小問集合であったが、試行調査では各大問が特定のテーマ、題材に沿った問題。センター試験に比べて設問数は減少しているが、問題の情報量が大幅に増加し、全体として分量は増加している。データを比較して判断する問題、初見の内容を読解する問題などの思考力・判断力を要する応用問題が出題され、センター試験に比べて難度は高くなっている。

[特徴・指導]

第1問と第3問では日常生活や社会と関連する物質・現象が題材として用いられ、第2問では受験生にとって初見となる情報が問題で与えられている。
これらの題材や情報に関連付けるかたちで化学基礎の教科書で学習する知識・技能とそれを応用する問題が設問として問われている。
第3問は探究活動の場面を想定した実験考察問題であった。基本的な知識だけで正解を導くことができる問いもあるが、全体として思考力・判断力が重視されている。
まずは教科書の各学習項目をしっかりと身に付け、その過程で、実験を中心とした探究活動を行うなどして学習した内容と結び付けたり、応用して考察することが大切である。また、表やグラフから情報を抽出したり、実験結果などをグラフで表す練習も効果的である。

生物基礎

[分量・難度]

試験時間は物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎から2科目選択で60分。生物基礎の大問数は3題。
センター試験と同様に大問3題のA・B分けで構成され、設問数もセンター試験と大きな違いはない。各大問での出題分野もセンター試験と同様であるが、考察問題や計算問題が増加し、生物学的な知識だけで解答できる問題が減少しているため、センター試験よりも難度が高い。

[特徴・指導]

会話文形式の問題が各大問に含まれているため、問題を解くために処理しなければならない情報量は増加している。会話文形式の問題の内容は、病院の待合室での薬の投与法に関するものなど、日常生活や社会と関連した課題を扱っている。また、実験の目的を適切に把握して実験計画を立てる新傾向の考察問題や、教科書に記載されていない、初見の表現法を用いた図から必要な情報を抽出する力を問う問題もあった。
これまでのセンター試験で出題されていた、文章中の空所に用語を入れる問題は出題されなかった。
生物学的な知識を「知っている」だけでなく、与えられた文章やデータから必要な部分を抽出して分析し、生物学的な知識に基づいて論理的に解釈する力が求められる。

地学基礎

[分量・難度]

試験時間は物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎から2科目選択で60分。地学基礎の大問数は3題。
地学基礎で学習する内容から一通りバランスよく出題されており、センター試験の「地学基礎」に近い。難度はセンター試験よりもやや高い印象だが、解答時間内に解く分量としては適切である。

[特徴・指導]

大問3題中2題が分野横断的な問題になっている点が特徴的である。
「知識・技能」を活用したり、短時間で題意を把握する読解力が必要とされている。
センター試験に比べ、実験や探究活動に関する問題の比率が高くなっているため、教科書に出てくる概念や用語を学ぶだけでなく、探究活動の一環として、実際に野外で地層や岩石の観察などを通して理解を深めることも大切である。

物理

[分量・難度]

試験時間は60分。大問数は4題。
第1回試行調査と比べて設問数は2問増加したものの、数値計算を必要とする設問が大きく減少したため、試験時間に対する分量は改善がみられた。第1回試行調査よりは平均正答率は上がると思われるが、センター試験に比べて難度は高い。

[特徴・指導]

ほとんどが初見の題材を用いた問題であり、複雑な状況を把握してその中から解答に必要な条件を抽出する問題が多くを占め、知識の理解や思考力が主に問われていた。第1回試行調査に引き続き、探究活動に基づいた問題が多く出題され、日頃の実験・観察の経験が活かされるものとなっている。
学習の過程を意識した問題として、会話文形式で課題を発見し解決に至るまでの過程を題材とした問題、また、当てはまる選択肢を全て選択する問い、物理量の数値をマークさせる問いも、第1回試行調査同様に出題された。前回出されたような白紙の方眼紙に実験結果のグラフを書かせるタイプの問題はなかった。
教科書に書かれている探究活動などを行い、実験結果をレポートにまとめたり、グラフを描いたりすることによって、思考力・判断力・表現力を身につけることが必要である。

化学

[分量・難度]

試験時間は60分。大問数は5題。
第1回試行調査と比較すると、基本的な知識で解答可能な問題を増やすなど、センター試験に比べて難度が上がりすぎないようにする配慮がみられた。第1回試行調査と大問数は等しいが、多くの大問が異なる内容を扱った中問形式に分かれたため、全体としての情報量はやや増加し、設問数も増加している。難度の配慮はみられたものの、分量が多く制限時間内での解答は難しい。

[特徴・指導]

問題文で与えられた資料から情報を的確に選択・抽出し、既得の知識や原理・法則と結びつけて考察する科学的な思考力を重視した内容や、探究活動の場面などが取り入れられている。
理論、無機、有機の全範囲にわたる知識を活用する総合問題が出題された。
センター試験で多く出題されてきた正誤問題は減少しており、物質の性質や反応などに関する細かい知識はあまり問われなかった。
知識・技能の習得においても、単なる知識の詰め込みではなく、化学の原理・法則の要点を把握し、知識を相互に関連付けて整理する学習態度が重要である。

生物

[分量・難度]

試験時間は60分。大問数は5題。
センター試験と同様に、全分野からまんべんなく出題されているが、複数の単元の内容を含む大問が多く、複数の単元の内容を含む小問もあった。第1回試行調査と比較すると、全体に問題に含まれる情報量や設問数がやや減少し、要求される考察のレベルも下がったが、それでも現行のセンター試験と比較すると全体に内容がやや高度である。

[特徴・指導]

生物学的な知識の活用のみで解答できる問題は2割程度で、他は生物学的な知識をもとに考察する問題や、既知ではない情報をもとに考察する問題であった。
第1回試行調査でみられた、1つのマークに複数の解答を答える問題は出題されなかったが、正解の選択肢以外に、解答へのプロセスが部分的に正しかったと思われる選択肢を選んだ場合にも得点が与えられる問題の出題があった。
教科書レベルの知識を身につけることの重要性はこれまでと変わらない。教科書に掲載されている実験や探究活動を通して、データを分析する力や情報を統合して考える力を身につけていくことが重要になると考えられる。

地学

[分量・難度]

試験時間は60分。大問数は5題。
第1回試行調査で課題となっていた分量については、総ページ数が3ページ減り、計算問題も大幅に減少した。また、図表の数はセンター試験と比べると増加しているが、図表の読み取りの問題は第1回試行調査と比べると減少しており、解答に要する時間は短縮されたと思われる。ただし、センター試験よりはやや難度が高い。

[特徴・指導]

第1回試行調査に引き続き、第1問が分野横断的な問題になっていたこと、過去のセンター試験の問題が利用されていたことが特徴的である。
宇宙分野については第1回試行調査に引き続き、銀河や宇宙については出題されていないが、これは授業進度を考慮しているためと思われる。
教科書等では扱われていない資料や、日常生活や社会と関連した科学的な事物・現象を扱う問題が出題されることを踏まえると、授業内容に関連する最近の科学的発見や情報にも関心を持っておく必要がある。

世界史B

[分量・難度]

試験時間は60分。大問数は5題。
第1回試行調査に比べて、ページ数が10ページ減少しており、問題の分量が多かったという点が改善されている。ただ、分量が減ったとはいえ、資料の読み取りや何段階かのステップをふむ複雑な問題が増えたことなどから、時間的な余裕がない生徒もいたのではないだろうか。センター試験と比べるとやや難化している。

[特徴・指導]

センター試験が歴史事象そのものを問うのに対して、試行調査の問題は歴史事象の背景・経過・結果などを問う問題が多い。また、固有名詞を排除して問おうとする傾向や、図版・資料文・グラフなどが本格的に取り入れられている。1題解くのに複数の資料を活用しなければいけない問題が多く、様々な出題形式が採用されており、センター試験より複雑である。
また「授業において生徒が学習する場面」や「社会生活や日常生活の中から課題を発見し解決方法を構想する場面」が盛り込まれている。前近代史と近現代史、欧米史とアジア・アフリカ史の比率は、センター試験とほぼ同じであった。
今後、基本的な歴史的知識が必須であることは変わらないものの、それらを習得する際に、その歴史事象に関連する図版・地図・グラフ・資料などを活用して、その背景や原因、結果や影響、様々な事象の縦のつながり、横のつながりなどに注目した学習が必要となる。また、それぞれの時代の時代像を身につけ、個々の歴史事象との関連を意識したり、こうしたタイプの問題を演習し、慣れておく必要がある。

日本史B

[分量・難度]

試験時間は60分。大問数は6題。
第1回試行調査と比べ、ページ数は36ページから30ページに減ったものの、設問数は30から34へ増えた。センター試験と比べると設問数は同程度だが、史料・図版・地図・グラフ・統計表などの資史料をふんだんに使用しているため、分量は実質的に増えたと考えられる。また、読解力を求める設問が多く出題されている。難度は、第1回試行調査と比べると設定の複雑な設問が少なくなったため、やや易化したと思われるが、センター試験と比べるとやや難化している。

[特徴・指導]

前回と同様に社会科教育法的な手法を用いた設問や、時代についての異なる評価を考察させる設問なども出題されており、「歴史に関わる事象を多面的・多角的に考察する過程を重視」する姿勢が強くうかがえ、全体的には思考力・判断力を問う、意欲的な作問になっている。
基本的な知識を身につけることの必要性は変わらないが、今後は、日常的に資史料の読解力を養うことや、多面的な解釈が可能な資史料については、生徒自らが主体的に考察する姿勢を身に付けることも重要になると考えられる。

地理B

[分量・難度]

試験時間は60分。大問数は5題。
第1回試行調査に比べ、地形図などの図が減ったことや、場面設定が整理されたことにより、問題冊子のページ数が6ページ減少したが、設問数は同程度。センター試験と比べて、分量の変化は僅かである。問題形式等で新しい部分もあるが、基本的にはセンター試験との違いはほとんどなく、難度はほぼ同程度。

[特徴・指導]

場面設定として学習成果を学校の文化祭で発表するために作成した「展示資料」が利用されたり、センター試験でもみられる「会話文」が用いられたりすることが多い。また、第1回試行調査よりもページ数が減ったこと、場面設定、思考力を問う際の出題意図が伝わるような問題文と選択肢の関係がさらに練られたことにより、試験時間と設問数のバランスはより適切となった。
事項・事象の単純な暗記にとどまらず、事象について因果関係を理解する力、資料を判読する力、事象や地域を比較・分類する力、資料などを分析した結果を文章や図表で表現する力など、思考力・判断力・表現力を付け、伸ばすために、様々な事象に興味を持っておく必要があるだろう。

現代社会

[分量・難度]

試験時間は60分。大問数は6題。
第1回試行調査と比べて設問数が大幅に増えており、「設問数が少なく受験者の正答数の分布に影響した」ことに対する改善への動きが見られる。2018年度センター試験と比べて、全体の設問数は36から31へと減少しているものの、ページ数が11ページ分大幅に増加し、問題を解くために提示されている情報量は格段に多くなっており、全てを時間内に解答するには素早い情報処理が必要だろう。ただし、知識が必要な設問の中には、センター試験でほとんど扱われてこなかった設問がある一方、ほぼ常識的な知識事項もあり、全体としてみた場合、センター試験と大幅な難度の変化はない。

[特徴・指導]

センター試験同様、教科書を通じて獲得される知識をもとに解く設問も、形式にこそ違いはあるものの、数多く出題されており、また知識があることで正解が確定しやすくなる設問も見受けられた。その一方で、特定の知識ではなく読解力やその場での判断力の試される設問がセンター試験以上に多く出題されている。その中には、かなり高い思考力の必要なものも見受けられた。与えられた資料や掲げられた文章・会話を読み取った上で選択肢を絞らせる問題も多いので、情報を読み取り判断する力の習得につながる練習が必要となる。また、試行調査の問題は、センター試験と比較して大きく変化したようにみえるが、実質的に問われている内容に変化がないものも少なくない。したがって、センター試験(過去問)を用いた演習も有効であると考えられる。

倫理

[分量・難度]

試験時間は60分。大問数は4題。
2018年度センター試験と比べ、全体の設問数36から32へは減少しているものの、ページ数は35から38ページと増加した。問題を解くために提示される情報量が多く、時間のかかる設問が増えている。ただし、瞬発的に解答できる知識型の設問も組み込まれていることから、全体分量はセンター試験と同程度と考えられ、難度もセンター試験と比べて大きく変わらない。

[特徴・指導]

出題形式は、当てはまる選択肢を全て選択させる問題や任意にテーマを選ばせるタイプの問題、特定の著作の内容の順序を並べ替えさせる問題など、新しいものが多い。また、問題を解くための情報を提示し、それらを組合せつつ思考・判断させようという意図の設問がみられる一方、従来通り教科書を通じて獲得される知識をもとに解く設問も多く出題されている。
先哲の考え方を確実に習得するなど、教科書的な知識を定着させることが前提となる。その上で、与えられた資料や掲げられた文章・会話文を読み取った上で選択肢を絞らせる問題がみられるので、情報を読み取り判断する力の習得につながる練習を積ませることが必要となる。また、試行調査の問題は、センター試験と比較して大きく変化したようにみえるが、実質的に問われている内容に変化がないものも多い。したがって、センター試験(過去問)を用いた演習も有効であると考えられる。

政治・経済

[分量・難度]

試験時間は60分。大問数は4題。
2018年度センター試験と比べて、全体の設問数は34から30へと減少しているものの、ページ数が28から42ページへと大幅に増加し、それぞれの問題を解くために提示される情報量は多くなった。難度はセンター試験と大きく変わらない。大問冒頭の本文が見られなくなるなど、センター試験と比べて出題形式が大きく変化したように感じられるかもしれないが、各設問を解くために用いる知識に大きな違いはない。

[特徴・指導]

設問の多くは学習の過程を意識した問題の場面設定を重視したものとなっている。
他の公民科目と比較して、全体に占める知識問題の割合が高い点や、センター試験と同様の形式の設問も多く取り入れられている点が目につく。見た目の新しさがあるものの、従来型の知識問題を変形して出題しているものも少なくない。解答する上で必要な多くの情報を示し、それらをじっくりと考えさせることを意識した設問もみられるが、その一部においては、教科書の知識を正確に習得してさえいれば、丁寧に資料や文章を読み取らずとも正解を導くことのできる設問もある。政治・経済に関する概念や理論を確実に習得するなど、教科書的な知識の定着を前提としつつも、与えられた情報を読み取った上で選択肢を絞らせる問題がみられるので、適切に読み取り判断する力の習得につながる練習を積むことが有効だろう。センター試験と同様の形式の設問も少なくないことから、センター試験(過去問)を用いた演習も有効であると考えられる。

分析内容のご利用にあたって

高等学校で使用する以外の内容の無断転載及び複製等の行為はご遠慮ください。
ご不明な点がある場合は、ksympo@kawai-juku.ac.jpまでご連絡ください。

内容に関する問い合わせ先

河合塾 教育企画開発部 高大接続改革シンポジウム係
Tel:03-6811-5560(平日10:00~18:00)
E-mail:ksympo@kawai-juku.ac.jp

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