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平成30年度(2018年度)試行調査(プレテスト) 高大接続改革シンポジウム

大学入学共通テスト導入に向けた試行調査(プレテスト)分析

ここでは、2018年11月に実施された「大学入学共通テスト 試行調査(プレテスト)」の河合塾が作成した分析コメントを公開しております。

大学入学共通テスト試行調査(プレテスト)問題等は下記のリンクよりご確認ください。

総括

「平成30年度試行調査(プレテスト)」(以下、第2回試行調査)は、昨年度に実施された「平成29年度試行調査(プレテスト)」(以下、第1回試行調査)の結果分析・検証を踏まえつつ、問題作成や採点方法、試験の実施運営等を含めたより実際の試験実施体制に近い総合的な検証を目的として、平成30年11月10日・11日に、全国約8万4,000人(大学入試センター発表受検予定者数)の高校生が参加して実施されました。
全般的には、第1回試行調査の方向性は踏襲しながら、分析で出た課題を忠実に修正した印象です。大学入学共通テストのねらい、受験生の得点状況、採点など実施面における実現可能性のバランスに、より配慮されたものになっています。

第1回試行調査から引き続き見られた特徴

○提示された文章や資料等を読み解き、情報を組み合わせて考えさせる問題の出題。

○言語活動や探究学習など高校の授業や日常生活の場面を想定した設定の出題。

○国語、数学Iで記述式問題の出題。(それぞれ小問3題。国語は30字以内、40字以内、80字~120字をそれぞれ1題。数学Iは数式を記述する問題、または問題解決のための方略等を端的な短い文で記述する問題。)

○マークシート式問題における出題形式の工夫(「当てはまる選択肢を全て選択させる問題」「解答が前問の解答と連動する問題」「選択肢が2回以上使用可能な問題」等)。
など

第1回試行調査と比較した主なポイント

○複数教科での難度の改善。(第2回試行調査は平均得点率(平均正答率)5割程度として実施。第1回試行調査では難度が高めの教科が複数あったが、多くの教科で改善が見られた。ただし、まだ難度が高めと感じられる教科も一部ある。)

○全体での「問題の量の多さ」が指摘された科目での問題の文章量の減少。(数学I・数学A、国語、世界史Bなど)

○正答率が低い記述式問題に対する改善。
 国語:特に文字数の多い問3においては「正答の条件」の数を減少。
 数学:「単一の数式」と「数式とごく短い文」を問う記述量の少ない出題。
など

教科・科目別分析

英語(筆記[リーディング])

試験時間は80分。大問数は6題。
第1回試行調査と同様、語彙レベルがコントロールされており全般的に読みやすい。ただし、総語数がセンター試験と比較して約1000words多いこと、そしてセンター試験と異なる設問形式である複数解答で完答を求める問題が、難度が上がる後半の大問に含まれているため、上位層でないと難しく感じただろう。※語数は河合塾調べ
また、第1回試行調査に引き続き、発音、アクセント、語句整序などの、話す力や書く力を直接測るような問題が一切含まれておらず、読解力を問う問題のみで構成されている。会話文が見られないのも同様である。なお、文法・語法の力を単独で問う問題はないものの、本文中の仮定法過去完了を理解していないと解けない問題が出題されるなど、基本的な文法・語法力は全般的に必要である。また、情報を事実と意見に整理する力を問う出題があり、「事実」と「意見」を区別する視点を身につけておきたい。

英語(リスニング)

試験時間は30分。大問数は6題。
第1回試行調査のリスニング(バージョンB)と同様、第2回試行調査では読み上げ回数が1回読みと2回読みが混在する構成で実施された。第1回試行調査に比べて、2回読みの問題が増えており、難度を下げる工夫も見られる一方、第4問以降は難度が高く分量の多い問題の読み上げが1回読みであることや、音声面がより自然な読み上げとなったことで正しく聞き取れない生徒も多いのではないかと思われ、全体として難度があがっているように思われる。
設問では、第1回試行調査同様、実際のコミュニケーションを想定した明確な場面、目的、状況の設定が重視されており、図表・グラフを読み取らせたり、資料の概要を的確に聴き取らせたり、複数の情報や意見を比較して判断・検討する力を評価しようとしたりする意図が強くうかがえる出題となっている。また、音声による文法理解を問う新傾向の問題も引き続き出題されており、音声によって文法を認識する力も必要となる。

数学I・数学A

試験時間は70分。大問数は5題(選択問題があるため受験生が解答する大問数は4題)。
第1回試行調査と比較すると、問題量はほとんど変化ないが、各問題の導入部にある文章が短くなり、その影響からページ数が減少した。第1回試行調査に引き続き「すべて選べ」という設問形式がみられたり、最後の設問については解答を導くための誘導を排除した出題形式もみられ、センター試験と比較すると自分で考える分量が増加し、難度が高くなっている。全体としてみると、受験生の負担が大きい印象である。単に公式を覚えて使いこなすのみの学習では対応できないため、公式を学習するときには証明まできちんと理解するなどの意識が必要である。
記述式問題は、「単一の数式」と「数式とごく短い文」を問う出題となり、第1回試行調査と比較して易しくなった印象である。ただし、数式だけを答えさせる設問であっても解答表現は一意には定まらないため、採点基準の工夫のみではなく、採点のブレをなくすためには、チェック体制の構築と、継続的なチェック機能の検証が必要と思われる。

数学II・数学B

試験時間は60分。大問数は5題(選択問題があるため受験生が解答する大問数は4題)。
第1回試行調査と同様、センター試験と比較して、問題量に対して解答時間が足りないという受験生が多かったと思われる。選択問題は難度に多少のばらつきがあり、類似問題を過去に解いたことがあるか否かで得点に差が出る。また、いくつかの大問の最後の設問には解答を導くための誘導がみられず、難度を上げている印象である。
内容は、第1回試行調査と大きな変化はないが、グラフを選ぶ設問は減った。
第1問〔3〕指数関数・対数関数では、受験生にとってなじみのない「対数ものさし」を題材とした問題が出された。「対数ものさし」の仕組みを理解しないと解答することはできない。その場で解答に必要な情報を集める力が問われており、未知の題材を含む問題に対して、積極的に取り組む態度が必要である。

国語

試験時間は100分。大問数は5題。
第1回試行調査に比べて、全体的な文章量は現代文を中心に減少しており、課題となっていた文章量の多さについて改善がはかられている。マークシート式問題の部分はセンター試験とほぼ同程度の難度と思われる。
第2回試行調査でも第1回試行調査同様、現代文3題(記述式問題1題含む)、古文1題、漢文1題の構成となっている。現代文は、素材(テクスト)の出され方が変わっている。第1回試行調査とは異なり、第1問の記述式問題では実用的な文章ではなく、論理的な文章が出題され、第2問では論理的な文章と実用的な文章が出題された。また、第3問は小説ではなく、同一作者による詩とエッセイが出題された。記述式問題では、最も記述量の多い問題で正答の条件を複雑にしないようにする改善がみられた。どの問題でも複数の性質の異なるテクストを関連づけて考える力が問われている。
第4問(古文)では、複数の本文は出題されていないが、設問の中に付された対話文で、問題文中の引き歌表現が話題にされ、もとになった歌とその詞書が引用されている。引き歌とそれによる問題文の表現という二つのテクストの関連を、現代の生徒と教師の対話という別のテクストを設定するかたちで問うている。第5問(漢文)では、故事成語の原典となった漢文の現代語訳と、当該の故事成語と関連性のある漢文が出題されており、複数の文章を対比させたいという意図がみられた。
基本的な知識力、読解力、記述力をしっかりと養いつつ、複数のテクストを関連づけて解答するような問題に慣れておくことが望ましい。現代文の記述式問題においては設問に合うように表現を工夫しながら制限字数でまとめられる力が必要である。

物理基礎

試験時間は物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎から2科目選択で60分。物理基礎の大問数は3題。
設問数はセンター試験と大きな差はないが、実質的な問いの数はセンター試験よりやや少ない印象がある。ただ、会話文形式やグラフ解読の設問が設けられている分、解答に時間を要するため、全体的な分量としては適当と思われる。
センター試験を踏襲しつつ、思考力を問う新しいタイプの設問が加えられている。具体的には、斜面上の台車の運動を打点した記録テープから、台車の平均の速さや加速度を求める実験・観察の問題、ケーキ生地に電流を流してケーキを焼く実験を物理的に考察する問題などが挙げられる。実験データを読み取って計算や思考を進める必要があり、実験データの扱いの経験を積むことが大切である。

化学基礎

試験時間は物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎から2科目選択で60分。化学基礎の大問数は3題。
センター試験は教科書の学習項目の順序に沿った大問2題の小問集合であったが、試行調査では各大問が特定のテーマ、題材に沿った分野横断的な総合問題であった。センター試験に比べて設問数は減少しているが、問題の情報量が大幅に増加し、全体として分量は増加している。データを比較して判断する問題、初見の内容を読解する問題などの思考力・判断力を要する応用問題が出題され、センター試験に比べて難度は高くなっている。
第1問と第3問では日常生活や社会と関連する物質・現象が題材として用いられ、第2問では受験生にとって初見となる情報が問題で与えられている。これらの題材や情報に関連付けるかたちで化学基礎の教科書で学習する知識・技能とそれを応用する問題が設問として問われている。また、第3問は探究活動の場面を想定した実験考察問題であった。基本的な知識だけで正解を導くことができる問いもあるが、全体として思考力・判断力が重視されている。
まずは教科書の各学習項目をしっかりと身に付け、その過程で、実験を中心とした探究活動を行うなどして学習した内容と結び付けたり、応用して考察することが大切である。

生物基礎

試験時間は物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎から2科目選択で60分。生物基礎の大問数は3題。
センター試験と同様に大問3題のA・B分けで構成され、設問数もセンター試験と大きな違いはない。各大問での出題分野もセンター試験と同様である。しかし、考察問題や計算問題が増加し、生物学的な知識だけで解ける問題が減少しているため、センター試験よりも難度が高い。また、会話文形式の問題が各大問に含まれているため、問題を解くために処理しなければならない情報量は増加している。会話文形式の問題の内容は、病院の待合室での薬の投与法に関するもの、二酸化炭素濃度の変化に対する生態系の寄与に関するものなど、日常生活や社会と関連した課題を扱っている。実験の目的を適切に把握して実験計画を立てる問題など、新傾向の考察問題も出題された。また、ヒトの腹部の横断面の図から肝臓の位置を問う問題は教科書に記載されていない図で、初見の図から必要な情報を抽出する力を問うものであった。これまでのセンター試験で多くみられた形式である、文章中の空所に用語を入れる問題は出題されなかった。
知識を「知っている」だけでなく、与えられた文章やデータから必要な部分を抽出して分析し、生物学的な知識に基づいて論理的に解釈する力が求められる。

地学基礎

試験時間は物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎から2科目選択で60分。地学基礎の大問数は3題。
地学基礎で学習する内容から一通りバランスよく出題されている点は、センター試験の「地学基礎」に近いが、センター試験よりも、実験や探究活動に関する問題の比率が高くなっている。また、大問3題中2題が分野横断的な問題になっている点が特徴的である。分量は試験時間内で解答できる程度だったと予想されるが、「知識・技能」を活用したり、短時間で題意を把握する読解力が必要とされるため、難度はセンター試験よりもやや高くなっている。
教科書に出てくる概念や用語を学ぶだけでなく、探究活動の一環として、実際に野外で地層や岩石の観察などを通して理解を深めることも大切だろう。

物理

試験時間は60分。大問数は4題。
第1回試行調査と比べて設問数は2問増加したものの、数値計算を必要とする設問が大きく減少したため、試験時間に対する分量は改善がみられた。
初見の題材を用いた問題や、複雑な状況を把握してその中から解答に必要な条件を抽出する問題が多くを占め、知識の理解や思考力が問われていた。また、第1回試行調査に引き続き、探究活動に基づいた問題が出題され、日頃の実験・観察の経験が活かされるものとなっている。
学習の過程を意識した問題として、会話文形式で課題を発見し解決に至るまでの過程を題材とした問題も、第1回試行調査同様に出題された。また、当てはまる選択肢を全て選択する問い、物理量の数値をマークさせる問いもあった。
教科書に書かれている探究活動などを行い、実験結果をレポートにまとめたり、グラフを描いたりすることによって、思考力・判断力・表現力を身につけることが必要である。

化学

試験時間は60分。大問数は5題。
第1回試行調査と比較すると、基本的な知識で解答可能な問題を増やすなど、センター試験に比べて難度が上がりすぎないようにする配慮がみられた。第1回試行調査と大問数は等しいが、各大問が異なる内容を扱った中問形式に分かれたため、全体としての情報量はやや増加し、設問数も6題増加している。
問題文で与えられた資料から情報を的確に選択・抽出し、既得の知識や原理・法則と結びつけて考察する科学的な思考力を重視した内容や、探究活動の場面などが取り入れられている。さらに、理論、無機、有機の全範囲にわたる知識を活用する総合問題も出題された。なお、センター試験で多く出題されてきた正誤問題は減少しており、物質の性質や反応などに関する細かい知識はあまり問われなかった。
知識・技能の習得においても、単なる知識の詰め込みではなく、化学の原理・法則の要点を理解し、知識を相互に関連付けて整理する学習態度が重要である。

生物

試験時間は60分。大問数は5題。
センター試験と同様に、全分野からまんべんなく出題があったが、センター試験に比べ、1つの大問に複数の分野の内容が含まれた問題が増加した。また、大問ごとの分量や小問数に大きなばらつきが見られた。第1回試行調査と比較すると、問題に含まれる情報量や設問数が全体的に減少し、要求される考察のレベルも下がった。第1回試行調査で課題となっていた正答率の低い問題が多いという点を踏まえて、分量や難易度のバランスを取る工夫がされていたが、それでもセンター試験よりも難度がやや高かった。
内容的には、生物学的な知識の活用のみで解答できる問題は少なく、ほとんどは生物学的な知識をもとに考察する問題や、既知ではない情報をもとに考察する問題であった。また、正解の選択肢以外に、解答へのプロセスが部分的に正しかったと思われる選択肢を選んだ場合にも得点が与えられる問題が出題された。

地学

試験時間は60分。大問数は5題。
第1回試行調査で課題となっていた分量については、総ページ数が3ページ減り、計算問題も大幅に減少している。センター試験と比べると図表の数は増加しているが、図表の読み取りの問題は前回に比べて減少しており、解答に要する時間は短縮されたと思われる。地学で学習する内容から一通りバランスよく出題されている点は、センター試験の傾向をほぼ踏襲している。ただし、宇宙分野については前回に引き続き、銀河や宇宙については出題されていない。これは授業進度を考慮しているためと思われる。また、過去のセンター試験の問題を再利用している問題もあった。
教科書等では扱われていない資料や、日常生活や社会と関連した科学的な事物・現象を扱う問題が出題されることを踏まえると、授業内容に関連する最近の科学的発見や情報にも関心を持っておく必要があるだろう。

世界史B

試験時間は60分。大問数は5題。
第1回試行調査に比べて、ページ数が10ページ減少しており、問題の分量が多かったという点が改善されている。ただ、分量が減ったとはいえ、資料の読み取りや何段階かのステップをふむ複雑な問題が増えたことなどから、時間的な余裕はなく、難度は少し上がったと考えられる。
センター試験が歴史事象そのものを問うのに対して、試行調査の問題は歴史事象の背景・経過・結果などを問う問題が多い。また、固有名詞を排除して問おうとする傾向や、図版・資料文・グラフなどが本格的に取り入れられている。1題解くのに複数の資料を活用しなければいけない問題が多く、様々な出題形式が採用されており、センター試験より複雑である。
また「授業において生徒が学習する場面」や「社会生活や日常生活の中から課題を発見し解決方法を構想する場面」が盛り込まれている。前近代史と近現代史、欧米史とアジア・アフリカ史の比率は、センター試験とほぼ同じであった。
今後、基本的な歴史的知識が必須であることは変わらないものの、それらを習得する際に、その歴史事象に関連する図版・地図・グラフ・資料などを活用して、その背景や原因、結果や影響、様々な事象の縦のつながり、横のつながりなどに注目した学習が必要となる。

日本史B

試験時間は60分。大問数は6題。
史料・図版・地図・グラフ・統計表などの資史料をふんだんに使用し、読解力を求める設問が多く出題されている。難度は、第1回試行調査と比べると設定の複雑な設問が少なくなったため、やや易化したと思われるが、センター試験と比べるとやや難化しているといえる。前回と同様に社会科教育法的な手法を用いた設問や、時代についての異なる評価を考察させる設問なども出題されており、「歴史に関わる事象を多面的・多角的に考察する過程を重視」する姿勢が強くうかがえ、全体的には思考力・判断力を問う、意欲的な作問になっている。
基本的な知識を身につけることの必要性は変わらないが、今後は、日常的に資史料の読解力を養うことや、生徒自らが主体的に考察する姿勢を身に付けることも重要になると考えられる。

地理B

試験時間は60分。大問数は5題。
第1回試行調査に比べ、地形図などの図が減ったことや、場面設定が整理されたことにより、問題冊子のページ数が6ページ減少した。問題形式等で新しい部分もあるが、基本的にはセンター試験との違いはほとんどなく、難度はほぼ同程度と考えられる。
場面設定として学習成果を学校の文化祭で発表するために作成した「展示資料」が利用されたり、センター試験でもみられる「会話文」が用いられたりするものが多い。また、第1回試行調査よりもページ数が減ったこと、場面設定、思考力を問う際の出題意図が伝わるような問題文と選択肢の関係がさらに練られたことにより、試験時間と設問数のバランスはより適切となった。
事項・事象の単純な暗記にとどまらず、思考力・判断力・表現力を付け、伸ばすために、様々な事象に興味を持っておく必要があるだろう。

現代社会

試験時間は60分。大問数は6題。
第1回試行調査と比べて設問数が大幅に増えており、「設問数が少なく受験者の正答数の分布に影響した」ことに対する改善への動きが見られる。また、センター試験と比べて設問数は少ないものの、問題を解くために提示されている情報量は格段に多くなっており、全てを時間内に解答するには素早い情報処理が必要だろう。ただし、知識が必要な設問の中には、センター試験でほとんど扱われてこなかった設問がある一方、ほぼ常識的な知識事項もあり、全体としてみた場合の大幅な易化あるいは難化はないと思われる。
センター試験同様、教科書を通じて獲得される知識をもとに解く設問も、形式にこそ違いはあるものの、数多く出題されており、また知識があることで正解が確定しやすくなる設問も見受けられた。その一方で、特定の知識ではなく読解力やその場での判断力の試される設問がセンター試験以上に多く出題されている。その中には、かなり高い思考力の必要なものも見受けられた。与えられた資料や掲げられた文章・会話を読み取った上で選択肢を絞らせる問題も多いので、情報を読み取り判断する技能の習得につながる練習が必要となる。

倫理

試験時間は60分。大問数は4題。
センター試験と比べ、問題を解くために提示される情報量が多く、時間のかかる設問が増えている。ただし、設問数が少し減っており、また瞬発的に解答できる知識型の設問も組み込まれていることから、全体分量はセンター試験と同程度と考えられ、難度もセンター試験と比べて大きく変わらないと予想される。
出題形式は、当てはまる選択肢を全て選択させる問題や任意にテーマを選ばせるタイプの問題、特定の著作の内容の順序を並べ替えさせる問題など、新しいものが多い。また、問題を解くための情報を提示し、それらを組合せつつ思考・判断させようという意図の設問がみられる一方、従来通り教科書を通じて獲得される知識をもとに解く設問も多く出題している。
教科書的な知識を定着させることを前提としながら、その上で、情報を読み取り判断する技能の習得につながる練習が必要となる。

政治・経済

試験時間は60分。大問数は4題。
センター試験と比べて全体の設問数は減少しているものの、それぞれの問題を解くために提示される情報量が多くなったため、センター試験と比べてページ数が大幅に増加した。
難度はセンター試験と大きく変わらないと考えられる。大問冒頭の本文が見られなくなるなど、センター試験と比べて出題形式が大きく変化したように感じられるかもしれないが、各設問を解くために用いる知識に大きな違いはない。また、設問の多くは学習の過程を意識した問題の場面設定を重視したものとなっている。
他の公民科目と比較して、全体に占める知識問題の割合が高い点や、センター試験と同様の形式の設問も多く取り入れられている点が目につく。見た目の新しさがあるものの、従来型の知識問題を変形して出題しているものも少なくない。解答する上で必要な多くの情報を示し、それらをじっくりと考えさせることを意識した設問もみられるが、その一部においては、教科書の知識を正確に習得してさえいれば、丁寧に資料や文章を読み取らずとも正解を導くことのできる設問もある。

分析内容のご利用にあたって

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ご不明な点がある場合は、ksympo@kawai-juku.ac.jpまでご連絡ください。

内容に関する問い合わせ先

河合塾 教育企画開発部 高大接続改革シンポジウム係
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