本日は中学受験・中高一貫教育のスペシャリストでいらっしゃる森上教育研究所の所長、森上展安氏をお迎えし、これから新しい学校生活をスタートする新中1年生と保護者の皆様へ、入学後の生活についての考え方をお話いただきたいと思います。森上先生、首都圏では今年の入試もほぼ落ち着いてきましたね。-
- 私立あるいは国立の中学校に合格進学された皆様おめでとうございます。保護者の皆様にはさぞほっとされたことと存じます。
つい最近まで、「志望校へはどうすれば合格出来るか」、「受験スケジュールはどう組めばよいか」など、受験についてのご相談がほとんどたったかと思いますが、この時期は中学入学後の塾通いに関するご相談はありますか?-
- そうですね、早速、塾はどうするべきかというご相談を多くいただきます。
受験のための塾通いを終えたばかりで、やはり次の関心は塾に関する内容ですか!学校説明会では「塾は不要」とも聞きましたが?-
- 難関校の塾に関する対応は2つに分かれます。一つはやめた方がよいというもの。もう一つはやめたほうがよいが、やるならこういったところで、というものです。
やめた方がよいという場合、学校の勉強に専念すべきだ、という含みが当然あります。実際、東大合格などの形で学校が生き残りを考えている場合は、学内成績はある程度上位に居ることで展望が拓けてきます。ただ、これが結構困難だったりします。
もう一つのやるならこういったところ、という消極的な賛成の場合ですが、これば大抵英語のイージーリーディングやオーラルのトレーニングをするところです。プラスアルファの効果がモノを言うのからですね。実際、学校生活に適応するのに2ヶ月くらいを要するでしょう。部活動も確定しない場合は、一週間の空き曜日も特定できないという事になります。ただ、この期間にさっさと塾通いを始め、連休明けに本格始動する学校の進度の前を走っている、というスタートダッシュをする難関校生が一定の割合で存在することは確かです。
学校生活に慣れる前に、なぜスタートダッシュをするのでしょうか?慣れてからでは遅いのですか?-
- それというのも、どの学校でも5月連休明けくらいまでは、いわば肩慣らしやコミュニケーションに授業が費やされるからです。その点についてその是非を含めて言えば、一般に女子校は数学が満足出来るレベルや量に達しておらず、男子校は英語が読解に偏りすぎるきらいがあります。あるいは一部女子校や男子校は英語の進度が早すぎるきらいがありますが、そこは浅い理解でスキップせずに、深く学ぶ必要があります。そうしたニーズを塾が満たしてくれるのならば、加えて学ぶ側にその意欲があるならば、そうした塾に行って他校生の様子も観察しながら勉強するのも意義があります。
スタートダッシュとしての塾通いには、そういうメリットがあるのですね。その際の注意点などはありますか?-
- ただ気をつけたいことは、ともすると中学受験より多忙な塾通いのための生活になりかねないことです。この時期は何よりも情緒面が発達するため、あこがれとなるロールモデルとの出会いが大きな影響を与えます。そういう時期にこそ、学問・芸術でロマンを語れる人材と巡り合い語り合える機会を作ってあげたいものです。塾通いがその機会損失になってはいけません。
新たな塾通いが本来巡り合うべきよい影響の妨げになってはならない、ということですね。では、中高一貫校生の塾通いとは、どう捉えるべきでしょうか?-
- 実は私は例年、河合塾MEPLOでこの時期こうしたお話を新中1年生の保護者の皆さまにお伝えする機会をいただいています。ここで今述べたことについて、MEPLOでは様々に工夫をこらして実現をしているので、いわば安心してお話ができるのです。
中学受験の勉強は、それはそれで貴重な体験をされたかと思いますが、これからの数年間で、試験に出るから学ぶ(いわば他律)というスタンスから、面白いから学ぶ(いわば自律)というスタンスへいかに変われるか、が本当の勝負どころです。そのためには学問への真摯な姿勢や精神を目の当たりにすることが何といっても早道です。そこに同じ志を持つ仲間がいることがさらに意識を高めてくれるというものです。中高一貫校生の塾通いとは、受身的な学びから、能動的な学びへとスムーズに転換していくこと―――そのための良質な空間を常にご用意している中高一貫校生のためのMEPLO、ぜひ積極的に活用してほしいところです。
本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
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岡山県出身。早稲田大学法学部卒業の後、進学塾塾長などを経て、1988年に私立中・高や学習塾を対象とするコンサルタント「森上教育研究所」を設立。現在は同研究所の代表を務める一方、受験や中高一貫教育についての豊富な情報と経験を生かし、評論・分析の分野でも活躍。近著に『中学受験入りやすくてお得な学校』(ダイヤモンド・ビック社)などがある。(morigami.co.jp)


