河合塾の授業やフェロー制度を活用して
身につけた論理的読解力・思考力が
司法試験の勉強にも大いに役立ちました。
弁護士
熊谷 則一さん
■チューターと接して「あんな大学生になりたい」と思ったことが受験勉強の原動力に
・・どんな高校時代を過ごされたのですか。
熊谷 中高一貫校(栄光学園)に通っていた私は、高校受験がないのをいいことに、趣味中心で、勉強は「ほどほど」の生活を続けていました。小学生の頃から「天文」少年でしたし、テレビやラジオの音楽番組にも夢中で、『オリコン』を毎週買っていました。高校2年生に進級するとき、あまりにものんびりしている私を心配した先輩が、自分も通っていた河合塾駒場校(現:本郷校)の高校グリーンコースを勧めてくれたのが、河合塾と関わるきっかけでした。まったく勉強していませんでしたから、学力別に3クラスに分かれていた一番下のクラスからスタート。その後、徐々に成績はアップしましたが、高校3年生の東大入試オープン(現:東大即応オープン)では、2回ともD判定でした。
・・河合塾時代の思い出を聞かせてください。
熊谷 大学生によるチューター(進学アドバイザー)制度が設けられている点が魅力的でしたね。東大生が多く、まだ遠い存在であった「東大」を身近に感じることができました。チューター自身の体験に基づいたアドバイスはとても有意義でしたし、授業が終わった後もよく相談に行き、丁寧に対応していただきました。また、東大の入試日の前日には、思いがけずチューターから「明日、頑張れよ」という激励の電話を受け、見守ってくれている人がいるのだなと、心強く感じたことを覚えています。「ここまで他人に対して親身になれるのはすごい。あんな大学生になりたい」と思ったことが、私の受験勉強の原動力になった気がしています。
残念ながら現役では不合格で、同じく駒場校の大学受験科に1年間通いました。この浪人時代の1年間が、私にとっては、司法試験の勉強時代を含めても、最も勉強した時期だったと思います。
・・印象に残っている授業はありますか。
熊谷 現代文の高橋先生の授業ですね。それまでの私は、現代文の力を向上させるには、読書量を増やすしか対処方法はないと思い込んでいました。ところが、この授業で、文章を論理的に読み解く手法を教わり、まさに目から鱗が落ちたような感覚を味わいました。それ以来、現代文は得意になっていきました。
また、数学の松谷先生からは、解く問題数をいたずらに増やすよりも、1つの問題を徹底的に考え抜くことの方が重要だと指導されました。時間をかけてもいいから、あきらめず、粘り強く取り組むことによって、論理的思考力が鍛えられるという方針だったのだと思います。
そのほか、河合塾にはフェロー(学習アドバイザー)制度があり、政経の丸谷先生、日本史の久留島先生には、ほぼ毎週のように論述答案の添削指導をしていただきました。フェローの方々は皆、高度な専門知識を備えており、私の答案を見ながら、「こんな視点からアプローチすることもできるのだよ」と、具体的に示唆してくださり、論述力を高めることができました。そうした指導が功を奏して、浪人のときの東大入試オープンでは、成績上位者として名前が掲載されるまでになりました。しかも、受験勉強で身につけた力は、司法試験の勉強の際にも大いに役立ちました。
・・どのような意味で役立ったのですか。
熊谷 法律学とは、理論をきちんと組み立てて、それを表現する能力が要求されるという意味では「論理学」でもあります。受験勉強を通して、論理的読解力・思考力が養われていたことが、司法試験の勉強にも有効だったわけです。
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