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全国私立大学 医学部医学科入試相談会 医進生応援プログラム イベントレポート | 体験授業・イベント

医学部入試の厳しさと、現代医学部教育の実際について知る

2017年9月17日に河合塾麹町校(全国医進情報センター)にて、中学生・高校生・高卒生とその保護者、高等学校教諭の方を対象にした「全国私立大学医学部医学科入試説明会」を開催しました。この相談会に先立ち、河合塾の数学科講師による講演および日本医科大学教務部長の伊藤保彦教授を迎えての特別講演も実施。600名を超える参加者は、数学の重要性や勉強法についてのアドバイスに耳を傾け、急速に改革が進む現代医学部教育の実情を把握した後、各大学の入試担当者が待つ個別ブースをいくつもまわっては、入試対策や教育内容について熱心に相談していました。

日時

2017年9月17日(日)

会場

河合塾 麹町校

対象

中学生・高校生・高卒生とその保護者の方、高等学校教諭

第1部 講師講演「私立大学医学部合格への道」~数学で合格に絶対に必要なもの~

講演の様子

河合塾数学科講師の長野隆が、私立大学医学部合格のための数学の勉強法について報告しました。最初に入学偏差値の表を示し、私立大学医学部医学科の入学偏差値は日本のトップレベルの大学に匹敵する現状を、リアルに認識することが重要だと伝えました。
次に、数学は得意・不得意に関わらず試験当日のミスによっては、0点もあり得る教科であり、「基本~標準問題を完璧に正確に素早く解ける力」を身につけることが必要だとした上で、基本を理解する助けになる何冊かのお勧め参考書(問題集)を紹介しました。そして、入試までのスケジュール管理がきちんとできる予備校や塾を上手に活用することが、医学部医学科合格の近道になると説明しました。
さらに、高校2年生までの学習法や冬期の過ごし方、過去問演習の目的や始める時期についての考え方などを紹介し、数学の入試では、「整数」「確率」「数列」「ベクトル」の出題頻度が高いため、この中に苦手なものがないようにしておくことが重要だと指摘しました。
最後に、難関である私立大学医学部医学科入試を突破するには、モチベーションが大切だと強調。合格するには、講師などのアドバイスに素直に従い、やるべきことを決めたら、それを「淡々とクールに熱く」やるだけだとアドバイスしました。

第2部 特別講演「医師になるとはどういうことか」─変貌する医学教育─

講演の様子

日本医科大学伊藤教授からは、現在の日本の医学部教育が大きな変革期にあることや、具体的な6年間の医学部教育の内容などについてお話しいただきました。冒頭、教授は、医師の規範である「ジュネーブ宣言」の内容に関するクイズを出されました。正解は「医師は自分の教師を尊敬しなければならない」という意外な内容で、そこから医学教育を受けることはとても貴いものだと話されました。
一方で、私立医科大学の1年次の留年者は21校で130人にものぼり、医師になってからも7~8人に1人は、訴訟リスクにさらされる厳しい職業であることに言及され、医師に寄せられる社会の期待が膨らんでいることの裏返しだと述べられました。
次いで、日本の医学教育が大きな変革期にあるという話題に移りました。医学知識や診療技術を教えるだけでどんな医師になるかは本人任せだった従来の医学教育から、医療人としての態度も含めた「プロフェッショナリズム」を教育するカリキュラムへの転換期にあるそうです。日本医科大学でも「アウトカム基盤型カリキュラム」を導入し、アウトカム=到達目標として8つのコンピテンスを明示し、それぞれについて目標到達を保証する評価可能な能力としてのコンピテンシーを複数掲げ、各授業において、どのコンピテンシーを身につけることを目的にしているのかを明確にしたといいます。
また、カリキュラムの国際標準化も進んでおり、臨床実習が従来の50週から丸々2年間に相当する70週前後に拡大されるだけでなく、課題解決型授業(PBL)も浸透しているようです。さらに臨床実習に進むにはCBTやOSCEなどの関門があり、それらの合格者だけが体験型の臨床実習を行うこと、臨床実習に総合医療、地域医療、家庭医学の領域が新たに加わり、地域の開業医の下でも実習を行うことなどが紹介されました。そして、どの学年でも、必須としている科目を1科目でも単位を落とすと留年になり、5年次に2回、6年次に6回の総合試験を行って、学んだことを徹底的に頭にたたき込ませることが重要だとのお話でした。

講演の様子

その後、日本医科大学について、著名な卒業生や充実したキャンパス環境などについて紹介され、昨年度からの後期入試の導入や、来年度からの学納金引き下げなどのニュースにも触れられました。
最後に、「誰よりも一生懸命勉強し、誰よりも働くから医師が尊敬されるのであって、大した努力もせずに天才的な力を発揮する医師はいない」という言葉で、医師を目指す生徒に努力と覚悟を促してくださいました。

相談コーナー

相談コーナーの様子

午後からは、各種相談コーナーを設けました。その1つ、全国の24私立大学医学部医学科の入試担当者による「大学別入試相談コーナー」は、1つの教室に地域ごとに3~6大学がまとまってブースを構える形式です。各大学1~3人の担当者が、入試資料やノベルティグッズなどを並べて、相談を待っていました。受験生からは入試の細かな動向や出願方法、カリキュラム内容、入学後の生活などに関する相談が目立ち、保護者の方からは学費や奨学金の探し方、入試時期における降雪の可能性などの立地環境などに関心を向けていました。
一方、「河合塾アドバイザーとの進学個別相談会」では保護者の姿が目立ち、子どもの成績状況から具体的な勉強方法をアドバイザーから引き出したり、模試の判定の意味をどう捉え、それをどう活かすかといった説明を受けたりしていました。また、河合塾ではどんな流れで勉強するのかなど、入塾を見据えた具体的な質問も多く寄せられました。
河合塾のOB・OGによる「現役医学部生との個別相談会」では、受験生と保護者が一緒になって相談する姿が数多く見受けられました。受験生の質問は、ブースに座った医学部生が受験生だったときのセンター試験の得点率や二次試験の対策方法、複数大学に受かった場合の進学大学の決定方法など、入試に関する細かな内容が中心でしたが、保護者は、通学に関する交通の便や、一人暮らしの際の生活環境などについて質問を行っていました。