河合おんぱろす 増刊号・特別号
河合おんぱろす特別号
中国史とは私たちにとって何か―歴史との対話の記録―

谷川道雄著
本体価格 1200円+税

「生きた人間の歴史」を追求し続ける著者の、渾身の力を込めた4回にわたる連続講演の記録。
あの壮大な唐帝国はいかなる人間の意志の産物なのか。魏晋南北朝の貴族の権威はいかなる人間関係に基づくのか。――一中国史研究者の半世紀以上にわたる学問人生のありのままを吐露して、歴史のとらえ方やこれからの人間のありかたを語る。勉強する意味がつかめず、密かに悩んでいる高校生・浪人生・学部生・大学院生、さらには若い研究者の方々に贈る、生きた歴史との対話の書。
 
*本書の内容*
I 生きた人間の歴史とは何か
II 唐帝国の源流を求めて
III 中国中世像をめぐる論戦
IV 二十一世紀への示唆
谷川道雄著中国史とは私たちにとって何か
 
〈書評からの抜粋〉
中国史とは私たちにとって何か
 本書は、「1999年秋に河合塾と河合文化教育研究所の共催で行った『中国史とは私たちにとって何か─歴史との対話の記録─』と題する連続講演会の記録を編集・補足したもの」(7ページ)だ。著者が京都大学を退官した後、河合文化教育研究所主任研究員に就任したのを機に、世界史研究会が結成され、いわばその研究会のメンバーによる慫慂で実現したものだ。
 「あとがき」で、著者は次のように述べている。
 「これは単なる一研究者の回顧談ではないつもりである。現代に人間として生きてゆこうとする私たちが、中国の歴史から何を汲み出すかを考えたものである。」
 歴史との対話とは、自分との対話にほかならないと著者は言い続けてきたのだと、思う。 (図書新聞)
増刊号
『マザコン少年の末路』の記述をめぐって

上野千鶴子 著
A5判 971円

『マザコン少年の末路』本文中の「自閉症」をめぐる記述に対して、1993 年1月、著者と文教研は「高槻自閉症児親の会」などから抗議を受けた。本書は、その抗議を受けての話し合いの経過を、参加者全員が抗議・被抗議それぞれの立場から徹底的に報告し、削除・絶版といったこの種の問題に対する隠蔽方向の解決を排して、どこまでも問題の共有をめざしたものである。

 
目次
『マザコン少年の末路』への抗議と話し合いの経過  
『マザコン少年の末路』の末路 上野千鶴子
「自閉症」と「母性神話」 冨田幸子
「自閉症」をまるごと受けとめることからの出発 梅田和子
上野千鶴子さんとの話し合いについて 大槻信子
高槻自閉症児親の会から 前田昌江
差別の土壌・構造を変えていくために 青木和子
「差別偏見を助長する」本という抗議を受けて 加藤万里
資料 「自閉症」との出会い 大槻信子
街角であたりまえに生きぬくために 梅田和子
上野千鶴子著『マザコン少年の末路』の記述をめぐって
 
〈書評からの抜粋〉
社会学者の上野千鶴子さんのブックレット『マザコン少年の末路』が自閉症に関する記述について自閉症の親たちから批判された。抗議の結果、その後、上野さんによる訂正・謝罪文を掲載した増補版が再発行された。絶版にしないで、増補版の形であえて「問題」を公にし、読者に考える材料を提供した筆者と出版側の姿勢に感心したが、さらに親の会との話し合いの過程をベースに、この問題を掘り下げた雑誌「河合おんぱろす」増刊号も最近、刊行された。親の会の梅田和子さんの短い文章がそこに掲載されていて、自閉症の原因が何であるかは大きな問題だが、それよりもまず、変わった行動をとるとかいうことを個人の個性として丸ごと認めて受け入れてほしいと書かれている。ずっしりと胸にこたえた。(サンケイ新聞)
 
みごとな解決例。自閉症児の記述をめぐる母親たちの抗議とそれに対処する著者と編集者、双方の文章を並べることで、問題点がよく示されている。これを読むと、自閉症児の実情とその表現をめぐって、どんな点が問題となるかが誰にでもはっきりと分かるのだ。(ダカーポ)
特別号
ドストエフスキイと福沢諭吉
―隕ちた「苦【にが】艾【よもぎ】」の星
A5判 1600円
芦川進一著
(河合塾エンリッチ講座ドストエフスキイ『夏象冬記』を読む第6回の記録)
ベルリンの壁の崩壊に象徴される世界史的な激動の一年となった1989年。その世界の現実を向こうにバブルに明け暮れた日本社会で「受験戦争」を強いられた浪人生たちに向けてなされた予備校空間におけるドストエフスキイ研究講座。その講座からドストエフスキイと福沢諭吉という19世紀近代の巨人を扱った回を取り上げ、予備校生たちに語りかけ、かれらの魂と出会った講座を記録する。

 
目次
第I章  ドストエフスキイ『夏象冬記』を読む
第II章 福沢諭吉―その前半生―
第III章 1862年、二つの西欧体験
第IV章 啓蒙の工夫
第V章 「休息」する「人民」
特別号
戦後50年シンポジウム・記録
東アジア史を問い直す
―「戦後50年」を超えて
谷川道雄
李 成市
溝口雄三
B.バートン
孫 歌
A5判 1000円
95年9月、「戦後50年」「日清戦争後100年」の戦後意識を重ねて、これまでの歴史学に象徴されている「近代」そのものの反省を梃に、東アジアの人々との新たな共生の未来を展望しようとして同名のタイトルで企画され、その実施が大きな反響を呼んだシンポジウムの記録。

 
目次
I 東アジア史を問い直す・・基調報告
古代史にみる国民国家の物語(李 成市)
さようなら近代(溝口雄三)
II  東アジア共通の場をひらくために・・パネル・ディスカッション
時代の制約を受ける歴史像
進化論的歴史観と中国
アジアのポストモダンとは何か
東アジア共通教科書に向けて ほか
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