単行本
河合文化教育研究所の単行本発行が92年から本格化した。発行の条件は、
 
(1) 河合塾、河合文化教脊研究所の文化的営みを通ったもので文教研から出す意味とオリジナリティのあるもの
(2) あくまでも質が高いもの
(3) 一定の読者層の拡がりを予想できるもの
 
その条件をクリアして厳選されたものが以下の刊行物である。
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『土地を奪われゆく農民たち』 木村 敏 野家啓一 監修
空間と時間の病理
●臨床哲学の諸相

四六判 3900円

他者(=患者)の存在を前提とする精神病理学と自己の存在の探求を基礎とする哲学が、互いに越境しあいながら空間と時間の根源に迫る。計測可能なニュートン的絶対空間と時間を一瞬にして垂直に切り裂き非日常へと連れ出すところの「こと」として空間と時間の構造に迫った精緻な論考集。
 
『土地を奪われゆく農民たち』 王国林著 谷川道雄監訳 中田和宏・田村俊郎訳
『土地を奪われゆく農民たち』
――中国農村における官民の闘い

A5判上製 本体価格4800円
 

ついに超大国へと脱皮した〈社会主義〉中国は、その飛躍の踏み台として中国の農村と農民に多大な犠牲を強いてきた。市場経済の強行と中国共産党の腐敗を淵源として起きる毎年数万件にものぼる農民暴動、民衆反乱などの異議申し立て。いま中国の深刻な矛盾の中心に農村問題が横たわっている。本書は、その農村問題の核心部分を一人一人の生きた農民から足で歩いて聞き取った貴重な記録である。

*監訳者・谷川道雄による長文の解説「『失地農民調査』に寄せて――現代中国農民の命運」付き
 
〈かたり〉と〈作り〉 木村 敏 坂部 恵 監修
〈かたり〉と〈作り〉
● 臨床哲学の諸相
四六判 3900円
 

他者に不可避に開かれる精神病理学と、自己の始原に遡ろうとする哲学はどこで出会うことができるのか。大きな生命(ゾーエー)から個的生命(ビオス)=人間への分節化の過程に差し挟まれた〈ことば〉と〈制作〉という人間の根源的運動。この〈かたり〉と〈作り〉の二つの運動が、人間の営みの過程で必然的に孕まざるを得ない虚・実の構造を「生命論的差異」にまで遡って開く。
 
『罪と罰』における復活 ストエフスキイと聖書 芦川進一 著
『罪と罰』における復活
ドストエフスキイと聖書

四六判 4500円
 

ドストエフスキイ文学の根底を貫く新約聖書の意味とは何か。主人公の老婆殺しから始まる表層の物語と、その下を流れる「ラザロの復活」をめぐる深層の物語の二重構造に着目し、『罪と罰』に構造的に織り込まれた聖書の意味を開示することを通して、ドストエフスキイ文学の最深部の謎に光をあてる。
 
身体・気分・心 木村 敏 坂部 恵 監修
身体・気分・心
●臨床哲学の諸相
四六判 価格:3900円
 

形而上学を排して世界とのアクチュアルな接触に賭けようとする哲学と、世界に挫折した患者との治療経験を通して超越論的思考へと不可避に至る精神病理学の、〈臨床哲学〉という新たな場での刺激的な出会いと思索。 河合臨床哲学シンポジウム論文集。
講座・生命 2004 第 7 巻 中村雄二郎 木村 敏 監修
講座・生命 2004 第 7 巻
●〈特集〉自己──視点の交錯の中で
四六判 価格:3900円
 

近代の全過程を通じてさまざまに問われ続けながら、いまだ何ら自明なものとして把握されることのない「自己」。「意識」であり、「運動」であり、「他者」ですらあるところの「自己」とは究極のところ何か。常に法外なもの(狂気)に開かれている精神医学と世界の始原に遡ろうとする哲学の緊張に満ちた深い思索の交叉地点から、近代最大の問いをいま新たに問い直す。
 
身体・気分・心 中川久定 J.シュローバハ 編
十八世紀における他者のイメージ
● アジアの側から、そしてヨーロッパの側から
四六判 価格:6800円
 

18世紀という不均質で緩やかな時空間にあって、互いにきわめて遠い存在でしかなかったアジアとヨーロッパは、どのように自らの他者を見出したのか。東西の異文化の熱い視線の交錯に初めて多面的に光をあてることを通して、18世紀の世界空間を新たな視覚から考察する。
線形微分方程式とフックス関数I・II・III 斎藤利弥 著
線形微分方程式とフックス関数I・II・III
●ポアンカレを読む
I    A5判 価格: 3398円
II A5判 価格: 3786円
III A5判 価格: 3400円
 
ポアンカレ理論の重要さが唱えられながら、ヒルベルト空間の圧倒的影響下におかれてきたわが国の数学研究に、ポアンカレ研究の第一人者である著者が鋭利に穿つ初のポアンカレ思想の紹介。あくまでもフックスの線形微分方程式を解くための手段として創られたポアンカレの保型関数論の原型を徹底的に解明。
EC経済統合とヨーロッパ政治の変容 住沢博紀他 編著
EC経済統合とヨーロッパ政治の変容
●21世紀に向けたエコロジー戦略の可能性
A5判 価格:3786円
 

70年代長期不況、旧ソ連崩壊、環境破壊の深化等、資本主義、社会主義ともどもの限界と終焉が露出してきた中、世界はどこへ行こうとしているのか。本書は、EC統合というヨーロッパの脱国境化の新しい試みを軸に、先進社会が抱えるあらゆる矛盾と危機を分析し、その中から新しい社会モデルを大胆に模索した画期的労作である。
小説とは本当は何か 中村真一郎 著
小説とは本当は何か
四六判 価格:1553円
 

現実追認の私小説の罠に陥った現代小説の貧しさをにらみながら、ポリフォニックな全体小説の提唱者でありかつその秀れた実践者である著者が、古代から現代までの小説の歴史と変容を辿りつつ、自己と世界の両方向への変革の契機を内在する真の小説のあるべき形を見定め、その復権と新生をめざした明晰で魅力あふれる小説論。
異者としての文学 小田 実 著
異者としての文学
四六判 価格:1845円
 

読者を既知の生活世界から誘い出し未知なものへと出会わせる異者、触媒としての文学。著者独自の視点から現代に刻印を押す象徴的な文学作品数編を選び、その作品世界の紹介を通して、文学の意味と豊かさ、拡がりをわかりやすく語った小田流文学論。巻末に「私の自伝的小説論」および,黒古一夫執筆「原爆文学の形成過程」を付す。
Le XVIIIe Siecle en Europe et au Japon Diderot
Le XVIIIe Siecle en Europe et au Japon
Actes recueillis par Hisayasu NAKAGAWA
A5判 価格:6000円
 

ディドロ没後200年記念国際シンポジウム『ディドロ、および18世紀のヨーロッパと日本』全記録。フランス語版(日本語版は岩波書店より発行)。
戦後日本の中国史論争 谷川道雄 編著
戦後日本の中国史論争
A5判 価格:3786円
 
中国の歴史を、その固有性に立ちつつ、なおかつ世界史の普遍性の 中で全的に把握するにはいかなる方法が可能か。戦前の中国停滞論の克服をめざして真摯に闘われた戦後の中国史論争の数々。歴史認識をめぐって活発に展開されたこれら諸論争にくまなく光をあて、わが国の中国史研究の軸と問題の所在を余すところなく解明。
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